ポスト軍政のミャンマー――改革の実像――
アジ研選書
No.39
23年間の軍事政権から、民政移管で誕生したテインセイン政権。民主化と経済開放を一気に進め「アジア最後のフロンティア」に踊り出たミャンマーでは、なにが変わり、なにが変わらないのか。
■ ポスト軍政のミャンマー――改革の実像――
■ 工藤 年博 編
■ 3,190円(本体価格 2,900円)
■ A5判
■ 225pp
■ 2015年11月13日
■ ISBN978-4-258-29039-0
CONTENTS
序章 ポスト軍政のミャンマー――改革はどこまで進んだか―― / 工藤 年博
はじめに
第1節 「ポスト軍政」幕開けの背景
第2節 「ポスト2015年」の政治展望
第3節 経済統合と国内企業
第4節 各章の要約
おわりに
第1章 民政移管後のミャンマーにおける新しい政治――大統領・議会・国軍―― / 中西 嘉宏
はじめに
第1節 制度の変化
第2節 議会政治の担い手たち
第3節 政治の変化
おわりに
第2章 ミャンマーにおける「法の支配」――人権保護と憲法裁判所に焦点を当てて―― / 山田 美和
はじめに
第1節 2008年憲法における人権規定
第2節 憲法裁判所の役割――2008年憲法の「番人」なのか――
第3節 ミャンマー国家人権委員会
第4節 ミャンマーの人権状況に対する国際的評価の変化
おわりに
第3章 IMF監視プログラムからみた財政・金融改革の評価 / 久保 公二
はじめに
第1節 IMF監視プログラム(SMP)の概要
第2節 プログラムからみた前政権のマクロ経済運営
第3節 マクロ経済運営改革の評価
おわりに
第4章 ミャンマー新政権下の農業改革――その展開と展望―― / 岡本 郁子
はじめに
第1節 軍政下の農業・農村部門の実態――統制が生み出した歪み――
第2節 新政権成立前の改革意識の萌芽
第3節 新政権下の改革がめざすもの
第4節 新しい課題
おわりに
第5章 ポスト軍政期の開発援助――地域開発とローカルNGOにみる変化から―― / 松田 正彦
はじめに
第1節 開発援助拡大のふたつの契機と地域的な偏り――地域開発分野に着目して――
第2節 ローカルNGOの「出現」とそれを担う人びと
おわりに
第6章 少数民族と国内和平 / 五十嵐 誠
はじめに
第1節 少数民族による武装闘争の展開
第2節 軍事政権と少数民族
第3節 テインセイン政権と国内和平
第4節 全国停戦協定の模索
第5節 全国停戦協定交渉と国軍
第6節 少数民族政党の活動と民族間暴動
おわりに
第7章 ミャンマー社会におけるムスリム――民主化による期待と現状―― / 斎藤 紋子
はじめに
第1節 軍政下での隠れた問題――さまざまな困難に直面するムスリム――
第2節 暴動によるムスリムの可視化
第3節 反ムスリム運動
第4節 平和集会の開催――相互理解と国内安定に向けて――
おわりに
第8章 ASEAN経済共同体のなかのミャンマー / 梅﨑 創
はじめに
第1節 対外経済関係の展開
第2節 ASEAN経済共同体とミャンマー
おわりに