試される正義の秤――南アジアの開発と司法――

他社で出版した研究成果

名古屋大学出版会

文字も読めない社会的弱者の権利を守り、裁判所みずから正義を届けるべくはじまった公益訴訟。インド経済の急速な発展のもと、司法の恣意的利用をもひきおこしたその両義的性格を鋭くとらえ、南アジア法の最大の特徴にせまるとともに、政治の司法化をめぐる世界的潮流をも指し示す。

■ 試される正義の秤――南アジアの開発と司法――
■ 佐藤 創 著
■ 5,940円(本体価格 5,400円)
■ 290pp
■ 2020年2月
■ ISBN978-4-8158-0976-8

Contents

序章  岐路に立つ公益訴訟という試み

          第Ⅰ部  インド
第1章  開発政策と司法積極主義の変遷
第2章  公益訴訟の展開――その光と陰――
第3章  公益訴訟とはなにか――伝統的訴訟モデルとの相違――
第4章  公益訴訟を可能にする諸要因――制度変容のダイナミズム――
第5章  公益訴訟と上位裁判所裁判官の任命方法――政権と司法の綱引き――

          第Ⅱ部 他の南アジア諸国
第6章  パキスタンにおける公益訴訟の展開――軍政と民政の反復と司法――
第7章  バングラデシュにおける公益訴訟の展開――政争に巻き込まれる司法――
第8章  スリランカとネパールにおける公益訴訟の展開
終章  公益訴訟の両義性と政治の司法化――南アジアの開発と司法――