知の大洋へ、大洋の知へ!   太平洋島嶼国の近代と知的ビッグバン
Modernity and Intellectual Big Bang in the Pacific Islands

他社で出版した研究成果

彩流社 アジア経済研究所オセアニア研究シリーズ

今、太平洋の隣人たちに何が起こっているか! フィールドワークで探る太平洋の島々における”文明誕生のドラマ”

■ 知の大洋へ、大洋の知へ! 太平洋島嶼国の近代と知的ビッグバン
塩田 光喜  編著
■ 3,080円(本体価格 2,800円)
■ 四六判
■ 256pp
■ 2010年1月
■ ISBN978-4-535-55505-1

まえがき—知の大洋へ!

関連地図

序章 知の大洋へ、大洋の知へ!・・・塩田光喜

第一章 文明移植と知的変換の装置—ニューギニア高地における「祝福の神学」・・・塩田光喜

 はじめに
 第一節 呪術の知から近代の知へ
 第二節 エレペ・ノミ—呪術師の娘に生まれて
 第三節 マルナタ・クリスチャン・アカデミー
 第四節 エレペ・ノミの政治意識
 第五節 サリス・マロワ—神の召命を受けた男
 第六節 知への意思
 第七節 力への意思
 第八節 「神第一主義」と変革への意思
 おわりに 文明移植

第二章 カリスマの独占と継承—ソロモン諸島における知と権力のキリスト教化・・・石森大知

 はじめに
 第一節 カリスマ論とメラネシアの宗教運動
  ウェーバーのカリスマ論
  ビッグマン制社会とカリスマ概念
 第二節 「生ける神」のクリスチャン・フェローシップ協会
  自己カリスマ化と聖霊の獲得
  カリスマの「受容」
  カリスマの「継承」
 第三節 考察
  カリスマの独占と外在的な権威
  カリスマの継承と「父と子」
  おわりに

第三章 法に生きる女性たち—パプアニューギニアにおける法の権力作用・・・馬場敦

 はじめに
 第一節 権力行使実践としての扶養費請求訴訟
  扶養費請求訴訟の概要
  サプマの事例
 第二節 福祉事務所の実態
  福祉事務所の概要
  カルーラ
 第三節 
  福祉事務所の権力作用
  事例1:アリス
  事例2:アイリン
  事例3:ジェニー

第四章 地図と権力—マーシャル諸島ローラ島の地図作製をめぐる権力作用の一考察・・・棚橋訓

 はじめに
 第一節 地図・知識・権力—アンダーソンの地図論
 第二節 島民の眼と外来者の眼
 第三節 『ローラ・レポート』の成り立ち
 第四節 メイソンとジャベメメジの地図作成作業
 第五節 地図作成過程に交錯する視点
 第六節 ローラ島地図の流用
 おわりに

第五章 キリバス離島村落社会における集団性の生成—人類学的認知論を射程に入れて・・・風間計博

 はじめに
 第一節 権力・イデオロギーと認知—理論的背景
  知識と権力の諸関係
  認知論の援用
 第二節 キリバス南部離島の集会所
  キリバス南部の平等社会
  村集会所の座席と神話
 第三節 集団性の発動
  生産への集団的統制
  個人的所有への集団的介入
 第四節 饗宴の生み出すリミナリティ
  集会所における饗宴と娯楽
  饗宴における招待客
  娯楽と感覚の過剰
 第五節 感覚の過剰による集団性の生成—考察
 おわりに

参考文献