箭内 彰子

箭内 彰子 YANAI Akiko

箭内 彰子 YANAI Akiko
[所属・役職] 新領域研究センター ・法・制度研究グループ長
[専門分野] 国際経済法、国際開発法
[email] Akiko_Yanai E-mail
研究者情報(学歴・経歴・業績一覧)
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研究歴

「途上国の経済発展に資する貿易制度とはどのようなものか」というテーマを軸に、世界や地域の貿易の仕組みを法的・制度的観点から研究しています。地域的には、APECやASEANにおける貿易自由化の特徴や、後発発展途上国が多く存在するアフリカの域内経済統合などを考察してきました。さらに、WTOが導入している途上国向けの特恵制度「特別かつ異なる待遇(special and differential treatment: S&D)」の機能や、EUとアメリカが実施している途上国に対する貿易特恵の役割なども研究しています。

最近では、貿易制度と他の分野とのかかわりに関心を広げ、貿易と環境、あるいは貿易と労働といった複数の領域に関連する研究に取り組んでいます。例えば、FTAやEPAなどの地域間・二国間貿易協定に組み込まれている環境条項や社会条項の問題点を検討したり、先進国の環境・食品安全基準が貿易を通じて途上国に波及するメカニズムについて、アフリカ諸国の水産物輸出をケースに分析したりしました。

現在取り組んでいるテーマ

現在取り組んでいるテーマは大きく2つあります。

① アフリカをめぐる国際関係において、地域経済共同体(RECs)やアフリカ連合(AU)などの地域機構が、アフリカ域内のアクターとして対外関係の形成にどのような役割を果たしているのかについて検討しています。なかでも貿易分野に焦点をあて、EUとのEPA交渉やアメリカとのポストAGOA交渉などにおける地域機構の機能を明らかにしたいと考えています。
② 持続可能な開発を実現するために策定された公的規制とプライベート・スタンダードや民間認証の関係性について考察しています。事例としては、IUU(違法・無報告・無規制)漁業規制やプラスチック規制などを取り上げて検討しています。