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調査研究

研究会一覧2025年度

南南協力が途上国間のサプライチェーン競争と協力に与える影響:自動車産業の事例

概要

開発途上国は、先進国からODAFDIを通じて技術移転を受け、工業化と経済成長を遂げた結果、自律的にイノベーションを実現し、エンジニアリングチェーンに参加できる自国企業を持つようになった。デジタル化と脱炭素化によって引き起こされるビジネス環境の構造変化は、開発途上国企業にとって、自国内でサプライチェーンを発展させて国内販売したり、独自製品を市場に輸出したり、あるいは対外FDIを行ってホスト国で生産・販売したりする機会を創出している。世界経済とイノベーション・システムにおける途上国企業の重要性の高まりは、先進国と途上国の企業間、そして途上国の企業間の競争を激化させている。競争は主に2つの事業活動に対して生じている。ひとつは、新規参入企業が自社製品を販売するために不可欠な販路獲得をめぐる競争である。もうひとつは、新規参入企業が競争力のあるコストで製品を生産するために不可欠なサプライヤーの獲得をめぐる競争である。サプライチェーンのいずれの部分でも、既存企業は大企業やFDI企業と緊密に連携している。これらの企業にとって、途上国からの新規参入は新たな脅威である。 同時に、新規参入者は既存企業や潜在的サプライヤーに新たなビジネスチャンスももたらすと期待されている。このような途上国企業との競争や協力が途上国に利益をもたらすかどうかは、新規参入企業の戦略次第である。本研究では、途上国企業の国際化により引き起こされている市場とサプライチェーンをめぐる競争と協力を理解するために、自動車産業のケーススタディを実施する。

期間

2025年4月~2027年3月

研究会メンバー
役割 メンバー
[ 主査 ] 植木 靖
[ 委員 ] Nuchjarin Intalar(タマサート大学タマサートビジネススクール 准教授)
[ 委員 ] Jeenanunta Chawalit(タマサート大学シリントーン国際工学部 副学部長・教授)

※所属は研究会発足時のものです。

予定する研究成果
  • 査読付外国語学術誌投稿