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2015年日本アジア国際間地域間産業連関表の作成
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内容紹介
内容紹介
本書は、日本の国内地域とアジア太平洋の国・地域を連結した「2015年日本アジア国際間地域間産業連関表」作成に関する方法論とそれに基づき作成された表の研究報告である。
近年、複雑化しつつある国際分業構造(グローバル・バリューチェーン)を分析するためのツールとして、各国の産業連関表を連結した国際産業連関表が注目され、国際機関や世界の研究機関で作成が行われている。しかし、同一国内であっても、地域ごとに国際分業への関与の態様や外的ショックにより受ける影響は異なると考えられ、より詳細な国内地域レベルでの分析を可能にする「国際間地域間産業連関表」へのニーズが高まっている。
このような背景から、本書では、同一国内における地域ごとの違いを明示的に把握・分析することを可能にする「国際間地域間産業連関表」の作成方法を検討するとともに(第1章)、具体的な表として、日本の国内8地方とアジア太平洋における6カ国・地域を連結した16産業部門からなる「2015年日本アジア国際間地域間産業連関表」を作成した(第2章)。その表は巻末(補章)に掲載し、それを俯瞰した基礎的な分析結果も紹介した(第3章)。
まえがき
まえがき
本書は、2022年度から2023年度にかけて実施した「国際間・地域間産業連関表の作成と利用」研究会(主査・幹事:桑森啓)の成果である。
近年、複雑化しつつある国際分業構造(グローバル・バリューチェーン)を分析するための主要なツールとして、国際産業連関表が用いられている。国際産業連関表は、国単位の経済構造の比較や各国各産業間の分業構造(国際分業構造)を把握するには有益であるが、実際には同一国内であっても、地域(地方)ごとに国際分業への関与の態様や外的ショックにより受ける影響は異なると考えられる。
このような背景から、本研究会では、同一国内における地域ごとの違いを明示的に把握・分析することを可能にする「国際間地域間産業連関表」の作成方法を研究するとともに、具体的な表として「2015年日本アジア国際間地域間産業連関表」を作成した。この表は、2019年度から2020年度にかけて実施した「アジア国際産業連関表の延長推計と国際サプライ・チェーン分析への応用」研究会(主査・幹事:桑森啓)において作成した2015年アジア国際産業連関表(簡易延長表)の日本部分を8つの国内地域(地方)に分割したものである。日本の各地方とアジア表の他の対象9カ国・地域の経済構造の比較や国際分業構造を把握することを可能にしたものであり、その視点から基本的な分析も行った。
本表の作成が「国際間地域間産業連関表」の作成方法の発展に寄与するとともに、本表自体が日本の国内地域とアジア各国・地域との国際分業構造や経済ショックが及ぼす影響のより正確な理解に資することができると考えている。
なお、本書の審査過程において、匿名の所内レフェリー(2名)からは、丁寧かつ有益なコメントを頂いた。記してお礼申し上げる次第である。また、本書の編集作業に際しては、成果出版課の池上健慈氏に大変お世話になった。併せて感謝申し上げたい。
編著者