途上国からみた「貿易と環境」 ――新しいシステム構築への模索――
国際的な環境政策における途上国の重要性が増している。貿易を通じた途上国への環境影響とその視座を検討し、グローバル化のなか実効性のある貿易・環境政策を探る。
■ 途上国からみた「貿易と環境」 ――新しいシステム構築への模索――
■ 箭内彰子 ・ 道田悦代 編
■ 4,620円(本体価格 4,200円)
■ A5判
■ 322pp
■ 2014年3月
■ ISBN978-4-258-04610-2
CONTENTS
序章 開発途上国をめぐる「貿易と環境」問題 / 箭内 彰子、道田 悦代
はじめに
第1節 「貿易と環境」議論の展開
第2節 貿易と環境問題における途上国
第3節 分析視角――途上国をめぐる状況の変化――
第4節 本書の構成
第1部 「貿易と環境」の各分野における課題
はじめに
第1節 気候変動に関する国際制度と交渉の到達点
第2節 新興国の台頭と気候変動に関する国際制度の変容
第3節 経済のグローバル化と気候変動に関する国際制度の変容
第4節 新たな文脈おける気候変動に関する国際制度と貿易レジーム
おわりに
第2章 有害廃棄物の越境移動管理と開発途上国 / 小島 道一
はじめに
第1節 バーゼル条約の概要
第2節 先進国から途上国への有害廃棄物の輸出禁止をめぐる交渉
第3節 バーゼル条約における途上国と先進国
第4節 途上国の経済発展とBan改正
おわりに
第3章 開発途上国の森林の持続可能性に有効な政策手段は何か? / 島本 美保子
はじめに
第1節 途上国の天然林資源の持続可能性
第2節 違法伐採に対する先進国の対策
第3節 森林認証と森林の持続可能性
第4節 パーム油認証と森林の持続可能性
第5節 REDD+と森林の持続可能性
第6節 生物多様性条約と森林の持続可能性
第7節 総括
はじめに
第1節 製品環境規制が企業に与える影響
第2節 製品環境規制導入の背景と各国政策への影響
第3節 化学物質管理に関する国際的な取り組み
第4節 今後の研究に向けて
第5章 開発途上国の食品貿易と食品安全規制 / 飯野 文
はじめに
第1節 途上国の食品貿易の現状
第2節 途上国が食品貿易に際して直面する課題
第3節 SPS協定中の科学に関する規律と途上国
結びに
第2部 環境分野横断的な課題
第6章 「貿易と環境」における途上国優遇措置 / 箭内 彰子
はじめに
第1節 貿易分野における途上国優遇措置――特別かつ異なる待遇(S&D)――
第2節 環境分野における途上国優遇措置――共通だが差異ある責任(CBDR)原則――
第3節 S&DとCBDRの接点
第4節 途上国優遇措置が抱える問題点
結びに
第7章 環境保全にかかわる補助金とWTO法 / 高村 ゆかり
はじめに
第1節 補助金協定における補助金規律
第2節 環境保全にかかわる補助金の概要と類型
第3節 途上国のグリーン経済発展と補助金,自由貿易規律
結びにかえて
第8章 環境・食品安全分野におけるプライベート・スタンダード / 道田 悦代
はじめに
第1節 プライベート・スタンダードの概要と背景
第2節 プライベート・スタンダードが途上国に与える影響
第3節 国際的な対応と取り組み
おわりに
第9章 地域貿易協定における環境条項 / 箭内 彰子
はじめに
第1節 環境条項の概要
第2節 各国RTAの環境条項の特徴
第3節 RTAによって途上国が直面する「貿易と環境」問題
結びに
はじめに
第1節 途上国の能力向上に関する概念整理
第2節 国際的な宣言における環境分野の「途上国の能力向上」への関心
第3節 国際環境条約におけるキャパシティ・ビルディング
第4節 WTOにおける取り組み
第5節 製品環境規制への対応
第6節 「貿易と環境」とキャパシティ・ディベロップメント
おわりに