不妊治療の時代の中東――家族をつくる、家族を生きる――

アジ研選書

No.49

男女とも「親になって一人前」とされる中東。不妊治療が急速に普及する今、人々は家族をどうつくり、生きようとしているのか。宗教倫理・医療的背景とともに、その営みを描く。

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■ 不妊治療の時代の中東――家族をつくる、家族を生きる――
村上 薫 編
■ 3,410円(本体価格 3,100円)
■ A5判
■ 245pp
■ 2018年3月20日
■ ISBN978-4-258-29049-9

CONTENTS

生殖補助技術への視点
社会科学の対象としての「生殖」
中東への視点
中東における生殖補助技術の受容
本書の構成

はじめに
1 中東地域とイスラーム
2 ガーデルハックのファトワー(1980 年)――基本的ルールの誕生―― 
3 ハーメネイーのファトワー(1999 年)――新たな可能性の芽生え?――
おわりに

はじめに
1 家族に変容をもたらした二つの状況
2 エジプトの家族における男性の立ち位置 
3 生殖補助医療と男性
おわりに

はじめに
1 Mとその妻ファイザ
2 子どもを欲しがるエジプト社会
3 女性にとっての「子どもをもつ」こと
4 妊娠・出産のための努力
5 女性の問題としての性交渉、妊娠、出産
6 新たな病としての「子ども欲しい病」
おわりに

はじめに
1 不妊治療の風景
2 不妊(クスル)とは何か
3 圧力の所在
4 夫とつくる愛の家族
おわりに――不妊の先へ――

はじめに
1 イランにおける結婚とリプロダクション
2 重症型サラセミア出生「予防」プログラム
3 重症型サラセミアの男女の結婚とリプロダクション
4 重症型サラセミアどうしの結婚
5 出生「予防」にたいする考え
6 生殖補助医療の利用
おわりに

「子どもをもつこと」への社会的圧力
子ども観の多様化
生殖補助技術の利用――医療、お金、倫理――
不妊からみえる家族のかたち

巻末付録 / 細谷 幸子

1 生殖医療の背景情報
2 生殖医療にかんする情報