途上国石油産業の政治経済分析
6
アジア、アフリカ、ラテンアメリカなどの途上国産油国において、石油政策、石油産業はどう展開されているのか。本書は、石油をめぐってせめぎあう「国家と企業」「中央と地方」という二つの分析軸から、その実態に迫っていく。中東以外の産油国に光を当てることにより、世界の産油国の姿をより立体的に描くことをめざす意欲的研究。
■ 途上国石油産業の政治経済分析
■ 坂口 安紀 編
■ 4,840円(本体価格 4,400円)
■ A5判
■ 225pp
■ 2010年3月24日
■ ISBN978-4-00-009975-2
CONTENTS
まえがき
略語表
序論/坂口安紀
-
はじめに
第1節 先行研究の整理
第2節 途上国産油国をめぐる新たな変化
第3節 本書の構成と分析視角
むすび
第Ⅰ部 国家と企業
第1章 ベネズエラの石油政策 —国家志向的政策と市場志向的政策の間の振り子の揺れ/坂口安紀
-
はじめに
第1節 先行研究のサーベイ
第2節 ベネズエラの石油産業の歴史と政治体制
第3節 国有化以降1990年代までの市場志向的石油政策
第4節 チャベス政権の国家志向的石油政策
むすび
第2章 ロシアの石油産業 —オイルブームと政治体制変容の相関関係/伊藤庄一
-
はじめに
第1節 分析の視座
第2節 資本主義の導入と石油産業 —エリツィン政権期(1990年代)
第3節 国家統制の強化 —プーチン政権期(2000~08年)
第4節 メドヴェージェフ政権の誕生(2008年)
むすび
第3章 インドネシア石油産業における産業統治システムの変容/佐藤百合
-
はじめに
第1節 インドネシア石油産業の現状
第2節 プルタミナによる一元的管理体制の確立
第3節 民主化に伴う石油産業統治システムの改変
第4節 産業統治システムの変容
むすび
第4章 中国の石油産業 —市場経済化により変容する国家・企業関係/堀井伸浩
-
はじめに
第1節 中国の石油産業における市場経済化とその効果
第2節 中国の国有石油企業と国家の制度的関係
第3節 中国の国有石油企業の海外進出における企業と国家の関係
むすび
第Ⅱ部 中央と地方
第5章 エクアドル・アマゾン地域における石油開発と社会環境紛争/新木秀和
-
はじめに
第1節 先行研究と本章の視点
第2節 石油開発と社会環境紛争の発生
第3節 石油をめぐる社会環境紛争の展開
第4節 社会環境紛争における中央と地方の関係
むすび
第6章 ナイジェリアにおける石油産業の展開と産油地域住民の運動/望月克哉
-
はじめに
第1節 問題の背景と分析のポイント
第2節 国家主導による石油開発の様相
第3節 矛盾の噴出と制度的対応
第4節 地域住民の権利要求への対処
むすび
結論/坂口安紀
-
はじめに
第1節 「国家と企業」グループ
第2節 「中央と地方」グループ
第3節 本書の発見
むすび
索引