ジェンダー格差――実証経済学は何を語るか――

他社で出版した研究成果

中央公論新社

歴史・文化・社会的に形成される男女の差異=ジェンダー。その差別には近年批判が強く集まる。本書は、実証経済学の成果から就業、教育、歴史、結婚、出産など様々な事柄を取り上げ、格差による影響、解消後の可能性について、国際的視点から描く。議員の女性枠導入=クォータ制が、質の低下より無能な男性議員排除に繋がる、女性への規範が弱い国ほど高学歴女性が出産するなどエビデンスを提示。旧来の慣習や制度を問う。

ジェンダー格差――実証経済学は何を語るか――

■ ジェンダー格差――実証経済学は何を語るか――
牧野 百恵 著
■ 990円(本体価格 900円)
■ 248pp
■ 2023年8月
■ ISBN978-4-12-102768-9

“私は主に南アジアの家計データを用いて、ジェンダー差別的な慣習や女性の労働参加に関する実証分析をおこなっています。これまでの研究成果は主に英文学術ジャーナル向けでしたが、この度、初めて和文の新書を一般読者向けに書きました。本書は、経済学のトップジャーナルに掲載されてきた論文の成果を一般の読者向けにわかりやすく紹介します。私自身が南アジアをフィールドに実証研究をおこなった成果も紹介しています。ジェンダー格差が問題となる日本において、とりわけ若い世代の方々に読んでいただきたいと思っています”

2023年8月21日
著者 牧野百恵(開発研究センター 経済モデル研究グループ)
※所属は出版当時のものです。

Contents

序章 ジェンダー格差の実証とは
第1章 経済発展と女性の労働参加
第2章 女性の労働参加は何をもたらすか
第3章 歴史に根づいた格差――風土という地域差――
第4章 助長する「思い込み」――典型的な女性像――
第5章 女性を家庭に縛る規範とは
第6章 高学歴女性ほど結婚し出産するか
第7章 性・出産を決める権利をもつ意味
第8章 母親の育児負担――制度はトップランナーの日本――
終章 なぜ男女の所得格差が続くのか