senegalVicat Group

アフリカ成長企業ファイルは2008年度~2009年度に実施した調査事業の成果です。

会社概要と沿革

Vicat Group (Vicat) はフランスで3番目に大きなセメントメーカーである。Vicat Groupの歴史はLouis Vicatが人口セメントを発明した1817年に遡る。Vicat Groupは1853年に設立され、現在セメント、生コンクリート、骨材といった3つの重要なビジネスに区分けされている。

Vicatは長い年月を経て、特性のコンクリート・コーティングを含む幾つもの業務を展開した。下水や排水パイプ等、組み立て式のコンクリート製品;コンクリートや他の建築材料の輸送やロジスティック;10ヵ所の貯蔵所にあるコンクリート及びその他の建築材の卸売;そして紙である。

Vicat Groupは11の国に拠点を持つ。フランス、スイス、イタリア、アメリカ、トルコ、エジプト、セネガル、マリ、モーリタニア、カザフスタン、インドである。約52%の売り上げがフランス外からのものである。

1990年、Vicatはさらに世界に目を向けた。1999年にはSOCOCIMの買収に成功した。Vicatは、セネガル市場だけでなく近隣諸国へのセメント輸出でもトップの座を占める。2004年、Vicatはセネガルにおいて新しい骨材のジョイント・ベンチャーをスタートし、新しい岩粉砕機を建設、2004年2月に業務を開始している。Sococim Industries (Sococim) はセネガルにある完全子会社である。

国内の所在地

BP 29, Rufisque, Dakar, Senegal;
Telephone: +221 33 839 88 88, +221 33 836 11 37

Sococim has its cement manufacturing facility in Rufisque, 30 km West of Dakar.

製品・サービス

セネガルでのセメントとコンクリート及び骨材の生産

従業員数

正社員:420人、下請け従業員:400人

財務情報

Company statistics

市場シェア

Vicatはセネガルで最大の骨材メーカーで、Sococim は西アフリカ最大のセメント工場である。Sococim は国内で使用されるセメントの70%を供給している。

事業目的

グループは、セメント生産の拡大をその目的とする。

ビジネスモデル

グループは、当初からの専門分野であるセメント製造を中心事業とし、その分野での複合的なビジネスを展開、生コンクリートや骨材生産を市場で展開し、セメント市場での売り上げを確保している。一方、幾つかの市場においては、他事業とのシナジーにより、の販売力を強化し、地域におけるプレゼンスを高めている。

グループは、ダイナミックで有機的な成長への適切なバランスをとるために、本業以外のビジネスの開拓も強調している。魅力的な成長の潜在可能性や垂直統合を加速するために、市場の需要に応えたり、いくつかの新市場での競争に必要な外部成長政策と産業投資を行っている。

取引する市場においてグループは、以下の目的で常に産業投資をしている:効率性をアップさせる為にその生産資源を近代化し、工場での経済性を上げる。また、それによって生産能力を上げ、市場の発展に遅れをとらないよう管理し、市場地位を確固たるものとし、地域でのリーダーとしての位置を強化する。

グループは「パフォーマンス2021プラン」を実行中であり、それにより、セメント生産量を50%アップさせ、同時に現在の生産資源の生産性が相当量アップすることを期待している。このプログラムは既にフランス、トルコ、エジプトで導入され、セネガルとスイスでも2009年に導入、アメリカでも導入予定である。

グループの戦略は、セメントビジネスを通じて新市場にその存在を浸透させることだが、それを計画的に行っている。その外的成長に関するポリシーは、グループが以下の全ての基準を満たすことを目標としている。:プロジェクトが魅力的な成長の可能性を秘める大きな市場で行われること;プロジェクトが土地の買収と確実な作業許可を得、長期的な鉱石を確保できること(セメントに関しては100年間が目標);短期的には、グループ収益に貢献すること。

グループはまた、新しい“グリーンフィールド”セメント工場を建設することにより、新たな開発市場に浸透する機会を得ようとしている。このようなプロジェクトは、グループの外的成長基準に合わせて極めて計画的である。

途上国の投資を統合することにより、現金の流通が促進され、新興国では長期的に見れば可能性が増えるものの、さらに大きな変動が予想される。グループの戦略は地理的多角化である。

同社グループの戦略は、マクロ経済の停滞環境の中にあっても強固であることが立証された。強固な財務体質により、業界水準比最も低い借入金比率で、パフォーマンス2010プランに基づく生産設備の近代化とセネガルとスイスでの生産能力増強により、内部成長を目指している。

経済危機への対応として、パフォーマンス2010プランは、既存の総事業コストを5,000万ユーロ削減できるパフォーマンス・プラスプランに加えて、非中核事業と運転資本の削減を追加して、約1億4,000万ユーロものフリーキャッシュフロー創出を達成する予定である。


株主・所有権益

Vicat一族が最も多く会社の株を所持する。COCOCIMはVicatの完全子会社 (99,91%) である。

政府との関係・社会貢献

採掘に関する2003年の条例No.2003-36 により、以下の項目を含むいくつかの改革が行われた。:採掘権の所有者が7年間控除を受けられる財務インセンティブ;調査権を有する株主に対する権利期間および延長期間における全ての税の免除。

加えて、VAT及びConseil Sénégalais des Chargeurs (セネガル船荷機構:COSEC) の以下の項目に課される、源泉徴収税を含む全ての関税が免除される:設備、資材、供給品、機器、登録されたプログラムに含まれる設備及び車両、セネガルで生産、組み立てされていない交換部品及び機能アイテムで、採掘研究作業を使用目的とするものおよびリサーチプログラムに有用なもの;導入されている設備、掘削設備及び機その他の許可取得済みのリサーチ作業に必要な装置に必要な燃料及び潤滑剤;リサーチプログラム中に使用されるエネルギーのための石油製品;機器及び装置のスペアパーツや構成部品で、リサーチプログラムに必要とされるもの;投資期間中及び採掘開始時や現存する鉱石に対して生産能力を拡大する場合、探査権を所有する団体及び受益者、小規模な鉱山探査許可取得者とその下請けへのVATおよびCOSECを含む税の免除;登録済みのプログラムに含まれる資材、設備、供給品、機械、車両で、採掘作業に直接使用されるもの;設置された設備、資材、ドリル、機械その他の整備に必要な燃料及び潤滑剤;機械や設備に必要なスペアパーツや構成部品で、採掘作業に使用されるもの。

また、開発段階で政府からの援助が受けられる。探査期間中は探査及び採掘権を有する企業と、小規模鉱山探査許可の受益者は、取得した権利の対象となる探査作業にかかる税を免除される。

探査権取得団体は3年間の援助を受けることができ、採掘権所有会社は7年間、採掘が禁止となるまでの期間の会社税と探査費用が免除され、以下の項目も免除される:地元及び海外からの製品及びサービスにかかるVAT;入国費;最低限の基本税;居住地以外にかかる財産税;雇用者が支払可能な基本税;新会社設立時または資本調達時の税;税法もこの数年間で修正されている。

更に効果的な資金援助による投資促進のため、首相主導によるCommission Technique Consultative Fiscale (税制諮問委員会:CTCF) やConseil Présidentiel de l’investissement (大統領投資会議:CPI) が相次いで設立された。大統領主導による法案が採択されて以来、多くの提案がなされている。

2004年2月、法律を補完するための条例No.2004-07 が公表された。この条例の目的は、財務の強化や、政財界への自発的な寄付などで、構築されている財務関連業務のシフトを強化し、既に充分納税しているセクターのゆがみを調整することである。

一般税制を改正した条例No2004-12 (2004年2月現在) では、法人税が35%から30%へと大幅に引き下げられた。加えて、重点セクターとされる企業への投資を促進するため、新たに投資法 (条例No2004-06、2004年2月現在) が導入され、多くの優遇策がとられた。

条例No2006-17 (2006年6月現在) の一般税制改正により、所得税が25%引き下げされた。2007年5月に制定された条例No2007-25 により、250CFAフラン以上を投資している企業は、投資法及び採掘法による義務が免除される。政府、特にワッド大統領は地域のエネルギー資源開発に熱心で、なかでもSococim社のJatrophaプロジェクトに力を入れている。

製品開発

2007年、Sococim Industriesは、2009年中旬までにセメント生産能力を350万トンに拡大することを目標として1億5,000万ユーロの投資プログラムをスタートさせた。このプログラムには、最新のセメント技術を取り入れたPolysius炉の新たな建設が含まれる。また同プログラムにより、2007年上旬、Sococim Industriesはセメント工場が充分な電力を自給できるようにするため新たに発電所をスタートさせた。持続可能な開発プロジェクトにより、Sococim Industries は、生物燃料を利用した大規模なジェトロファ成長プログラムを開始した。このプログラムの目的は、ジェトロファのフルーツとバイオマスを、セメント工場の化石・石炭燃料の部分的代替品とすることである。

2009年の第3期に新工場がスタートし、ラインがフル稼働するまでは地元市場を優先し、周辺地域への販売を計画的に制限する。2010プランは、年末まで継続した。2007年の発電所設立以来、10,000トン規模のセメント貯蔵室、垂直統合されたセメント工場、工場のフル稼働により、生産能力は増え続けている。新工場で年間約900,000トンの生産量が確保されれば、2009年に新しい炉がスタートする前にSococim industries は地元市場の需要に応え、さらに輸出体制も整うだろう。