5月の主要経済指標

中国経済レポート

新領域研究センター 田中 修

2019年6月28日


(1)物価
①消費者物価

 5月の消費者物価は前年同月比2.7%上昇し、上昇率は4月より0.2ポイント加速した。都市は2.7%、農村は2.8%の上昇である。食品価格は7.7%上昇し(4月は6.1%)、非食品価格は1.6%上昇(4月は1.7%)している。衣類は1.7%上昇、居住価格は1.8%上昇した1。1-5月期では、前年同期比2.2%の上昇である。

(参考)(2017年1.6%)18年8月2.3%→9月2.5%→10月2.5%→11月2.2%→12月1.9%(2018年2.1%)→19年1月1.7%→2月1.5%→3月2.3%→4月2.5%→5月2.7%

前月比では、4月と同水準(4月は0.1%)であった。食品価格は0.2%上昇(4月は-0.1%)した。食品・タバコ・酒価格は4月より0.1ポイント上昇、物価への影響は約0.04ポイント、うち生鮮野菜は7.9%下落(4月は-4.5%)し、物価への影響は約-0.22ポイント、鶏肉類価格は1.2%上昇、物価への影響は約0.01ポイント、鶏卵価格が7.6%上昇、物価への影響は約0.04ポイント、水産品価格は0.1%下落した。畜肉類価格は0.2%下落、物価への影響は約-0.01ポイント、(豚肉価格は0.3%下落、物価への影響は約-0.01ポイント)であった。果物価格は10.1%上昇し、物価への影響は約0.20ポイントであった。非食品価格は同水準であり(4月は0.1%)、衣類は0.1%上昇(4月は0.0%)、居住価格は0.0%(4月は0.0%)であった。

食品・エネルギ-を除いた消費者物価(コア消費者物価)は、5月が前年同月比1.6%の上昇(4月は1.7%)、前月比では0.0%(4月は0.1%)である2。1-5月期は1.8%の上昇である。  

なお、国家統計局は、5月の前年同月比上昇率2.7%のうち食品・タバコ・酒価格は5.8%上昇し、物価への影響は約1.69ポイントとなり、このうち畜肉類価格は12.5%上昇、物価への影響は約0.51ポイント(豚肉価格は18.2%上昇、物価への影響は約0.38ポイント)、鶏肉価格は6.4%上昇、物価への影響は約0.08ポイントである。このほか生鮮野菜価格が13.3%上昇、物価への影響は約0.31ポイント、鶏卵価格が8.7%上昇、物価への影響は約0.04ポイント、果物価格は26.7%上昇、物価への影響は約0.48ポイント、水産品価格は0.4%下落、物価への影響は約-0.01ポイント、食糧価格は0.5%上昇し、物価への影響は約0.01ポイントであった。

また5月の2.7%上昇のうち、前年の価格上昇の本年への影響は約1.5ポイント、新たなインフレ要因は約1.2ポイントである。

なお、国家統計局都市司の董雅秀処長は、前月比が0.1%の上昇から0.0%に転じたのは、1)昨年、リンゴ・梨が減産し、今年在庫不足となっており、加えて今年南方で曇天・雨天がかなり多く、果物市場の供給を減少させた、2)鶏卵供給が逼迫し、価格が上昇した、3)生鮮野菜が大量に市場に出回り、価格が下落した、4)豚肉が気温上昇等の要因の影響を受け、消費需要が減少した、5)石油製品価格調整等の要因の影響を受け、ガソリン価格が2.0%上昇、ディ-ゼル油価格が2.2%上昇した、5)航空券・旅行社手数料が下落し、CPIを約0.04ポイント押し下げた、点を挙げている。

また、5月の前年同月比消費者物価上昇幅が、4月より0.2ポイント拡大した特徴として、1)果物価格が歴史的高止まりとなり、2)豚肉価格の上昇幅が拡大した、3)生鮮野菜価格の上昇幅が縮小した、4)鶏卵・鶏肉価格の上昇幅が拡大した、5)医療保健、教育・文化・娯楽、居住価格が上昇し、CPIを約0.90ポイント押し上げた、としている。

②工業生産者出荷価格

5月の工業生産者出荷価格は前年同月比0.6%上昇した。前月比では4月より0.2%上昇(4月は0.3%)した。1-5月期は、前年同期比0.4%上昇である。

(参考)(2017年6.3%)18年8月4.1%→9月3.6%→10月3.3%→11月2.7%→12月0.9%(2018年3.5%)→19年1月0.1%→2月0.1%→3月0.4%→4月0.9%→5月0.6%  

5月の工業生産者購入価格は、前年同月比0.2%上昇(4月は0.4%)した。前月比では4月と同水準(4月は-0.1%)であった。1-5月期は、前年同期比0.2%上昇である。  

また5月の0.6%上昇のうち、前年の価格上昇の本年への影響は約0.6ポイント、新たなインフレ要因は約0.0ポイントである。

なお、国家統計局都市司の董雅秀処長は、前月比では上昇幅が0.1ポイント拡大したが、その特徴は、1)石油関連業種が国際原油価格の変動の影響を受け、石油・天然ガス採掘業、石油・石炭その他燃料加工業価格の上昇幅が拡大し、2)鉄金属精錬・圧延加工業、器具・計器製造業価格の上昇幅が縮小し、3)化学繊維製造業、化学原料・化学製品製造業価格が上昇から下落に転じ、4)石炭採掘・洗浄業価格が下落から上昇に転じた、とする。

また、前年同月比では、上昇幅が4月より0.3ポイント縮小したが、その特徴は、1)石油・天然ガス採掘業、非金属鉱物製造業、石油・石炭その他燃料加工業、鉄金属精錬・圧延加工業の下落幅が縮小し、2)化学原料・化学製品製造業、非鉄金属冶金・圧延加工業価格の上昇幅が拡大し、3)自動車製造業価格の下落幅が拡大し、4)石炭採掘・洗浄業価格の上昇幅が拡大した、とする。

③住宅価格

5月の全国70大中都市の新築分譲住宅販売価格は前月比2都市が低下(4月は2)し、同水準は1(4月は1)であった。上昇は67である(4月は67)。

前年同月比では、価格が下落したのは0都市(4月は0)であった。同水準は0(4月は0)、上昇は70(4月は70)である。

国家統計局都市司の劉建偉高級統計師は、「5月は、各地方が、引き続き都市に応じた施策、都市政府が主体的責任をもつ長期有効なメカニズムをしっかり実施し、不動産市場は引き続き安定を維持した。

前月比では、70大中都市のうち、4の一線都市の新築分譲住宅価格は0.3%上昇し、上昇幅は4月より0.3ポイント縮小した。うち北京は0.6%上昇、広州は0.8%、深圳は0.4%上昇し、上海は0.1%下落した。31の二線都市の新築価格は0.8%上昇し、上昇幅は4月と同水準であった。35の三線都市の新築価格は0.8%上昇し、上昇幅は4月より0.3ポイント拡大した。

前年同月比では、70大中都市のうち、一線都市の新築価格は4.7%上昇し、上昇幅は4月と同水準であった。二線都市の新築価格は12.1%上昇し、上昇幅は4月より0.2ポイント縮小した。三線都市の新築価格は11.3%上昇し、上昇幅は4月と同水準であった。」と指摘している。


(2)工業

5月の工業生産は前年同月比実質5.0%増となった。5月は前月比では、0.36%増となった3。主要製品別では、発電量0.2%増(4月は3.8%)、鋼材11.5%増(4月は11.5%)、セメント7.2%増(4月は3.4%)、自動車-21.5%(うち乗用車-23.8%、SUV車-25.6%、新エネルギ-車16.0%増)となっている。4月の自動車-15.8%(うち乗用車-18.8%、SUV車-21.7%、新エネルギ-車17.1%増)に比べ、自動車・乗用車のマイナス幅が拡大した。地域別では、東部3.4%増、中部7.1%増、西部4.5%増、東北-0.4%である。

(参考)(2017 年6.6%)18年8月6.1%→9月5.8%→10月5.9%→11月5.4%→12月5.7%(2018年6.2%)→19年1-2月期5.3%→3月8.5%→4月5.4%→5月5.0% 1-5月期の工業生産は前年同月比実質6.0%増となった。主要製品別では、発電量3.3%増、鋼材11.2%増、セメント7.1%増、自動車-14.1%(うち乗用車-16.3%、SUV車-19.1%、新エネルギ-車27.9%増)となっている。

1-5月期の一定規模以上の工業企業利潤総額は2兆3790.2億元、前年同期比2.3%減(1-4月期-3.4%)であった。うち国有株支配企業の利潤総額は7342.3億元、同9.7%減、株式制企業は1兆6993.1億元、同0.4%増、外資企業は5775.8億元、同8.3%減、私営企業は6072.7億元、同6.6%増である。5月の一定規模以上の工業企業利潤総額は5655.6億元、前年同期比1.1%増(4月-3.7%)であった。

1-5月期の一定規模以上の工業企業の本業営業収入100元当たりのコストは84.36元(1-4月期84.38元、前年同期比0.21元増)である。5月末の資産負債率は56.8%(4月末56.8%、前年同期比0.6ポイント減)であった。

なお、国家統計局工業司の朱虹統計師は、「5月は新製品の発売等の影響を受け、電子産業の利潤のマイナス幅が縮小し、市場の回復の影響を受けて一般設備・専用設備がマイナスからプラスに転じた。また石炭価格の反転上昇の影響を受けて、石炭採掘業がマイナスからプラスに転じた」としている。

(3)消費

5月の社会消費品小売総額は3兆2956億元、前年同月比8.6%増(実質6.4%増)である。5月は前月比では、0.74%増である4。都市は8.5%増、農村は9.0%増である。一定額以上の企業(単位)消費品小売額は1兆1694億元、同5.1%増であり、うち穀類・食用油・食品11.4%増、アパレル・靴・帽子類4.1%増、建築・内装-1.1%、家具6.1%増、自動車2.1%増、家電・音響機器類5.8%増となっている。自動車の伸びは、4月の-2.1%からプラスに転じた。

(参考)(2017年10.2%)18年8月9.0%→9月9.2%→10月8.6%→11月8.1%→12月8.2%(2018年9.0%)→19年1-2月期8.2%→3月8.7%→4月7.2%→5月8.6%

1-5月期の社会消費品小売総額は16兆1332億元、前年同月比8.1%増である。都市は8.0%増、農村は8.9%増である。一定額以上の企業(単位)消費品小売額は5兆7924億元、同3.9%増であり、うち穀類・食用油・食品10.5%増、アパレル・靴・帽子類2.6%増、建築・内装4.2%増、家具5.1%増、自動車-2.0%、家電・音響機器類6.4%増となっている。

1-5月期、一定額以上のレストランの収入は7.1%増であった。全国インタ-ネット商品・サ-ビス小売額は3兆8641億元で、前年同期比17.8%増となった。うち実物商品は3兆415億元、同21.7%増で、社会消費品小売総額の18.9%を占めている。

(4)投資
①都市固定資産投資

1-5月期の都市固定資産投資は21兆7555億元で、前年同期比5.6%増であった。5月は前月比では0.41%増である5。地域別では、東部4.3%増、中部9.3%増、西部5.7%増、東北-7.6%となっている。内資企業は5.8%増で、1-4月より0.4ポイント減、外資企業は2.8%増、同1.8ポイント減である。

インフラ投資(電力・熱・天然ガス・水生産供給以外)は前年同期比4.0%増(1-4月期は4.4%)である。うち、鉄道運輸は15.1%増(1-4月期は12.3%)、道路輸送は6.2%増(1-4月期は7%)、水利-1.8%(1-4月期は-4.9%)、公共施設-0.8%(1-4月期は-0.4%)、生態環境保護・環境対策41.5%増であった。

(参考)都市固定資産投資:(2017年7.2%)18年1-8月期5.3%→1-9月期5.4%→1-10月期5.7%→1-11月期5.9%→2018年5.9%→19年1-2月期6.1%→1-3月期6.3%→1-4月期6.1%→1-5月期5.6%   

インフラ投資: (2017年19.0%)18年1-9月期3.3%→1-10月期3.7%→1-11月期3.7%→2018年3.8%→19年1-2月期4.3%→1-3月期4.4%→1-4月期4.4%→1-5月期4.0%

②不動産開発投資

1-5月期の不動産開発投資は4兆6075億元で前年同期比11.2%増である。うち住宅は3兆3780億元、16.3%増で、不動産開発投資に占める比重は73.3%である。オフィスビルは2106億元、同-3.6%である。地域別では、東部9.7%増、中部9.2%増、西部18.5%増、東北7.1%増となっている。

(参考)(2017年7.0%)18年1-8月期10.1%→1-9月期9.9%→1-10月期9.7%→1-11月期9.7%→2018年9.5%→19年1-2月期11.6%→1-3月期11.8%→1-4月期11.9%→1-5月期11.2%  

1-5月期の分譲建物販売面積は5億5518万㎡で、前年同期比-1.6%(1-4月期は-0.3%)であった。うち、分譲住宅販売面積は-0.7%(1-4月期は-0.4%)、オフィスビルは-12.2%(1-4月期は-12.4%)である。地域別では、東部-5.5%、中部0.1%、西部3.8%増、東北-8.1%である。

(参考)分譲建物販売面積:(2017年7.7%)18年1-8月期4.0%→1-9月期2.9%→1-10月期2.2%→1-11月期1.4%→2018年1.3%→19年1-2月期-3.6%→1-3月期-0.9%→1-4月期-0.3%→1-5月期-1.6%

1-5月期の分譲建物販売額は5兆1773億元、前年同期比6.1%増(1-4月期は8.1%)であった。うち、分譲住宅販売額は8.9%増(1-4月期は10.6%)、オフィスビルは-12.3%(1-4月期は-11.7%)である。地域別では、東部4.6%増、中部6.2%増、西部10.8%増、東北2.3%増である。

(参考)分譲建物販売額:(2017年13.7%)18年1-8月期14.5%→1-9月期13.3%→1-10月期12.5%→1-11月期12.1%→2018年12.2%→19年1-2月期2.8%→1-3月期5.6%→1-4月期8.1%→1-5月期6.1%

5月末の分譲建物在庫面積は5億928万㎡、4月末比453万㎡減、前年同期比-9.1%で、うち分譲住宅在庫面積は413万㎡減であった。

1-5月期のディベロッパ-の資金源は6兆6689億元であり、前年同期比7.6%増(1-4月期は8.9%)であった。うち、国内貸出が1兆762億元、5.5%増、外資が30億元、38.8%増、自己資金が2兆276億元、4.1%増、手付金・前受金2兆2395億元、11.3%増、個人住宅ロ-ン1兆251億元、10.8%増である。

③民間固定資産投資

1-5月期の全国民間固定資産投資は13兆823億元であり、前年同期比5.3%増である6

(参考)(2018年8.7%)1-8月期8.7%→1-9月期8.7%→1-10月期8.8%→1-11月期8.7%→2018年8.7%→19年1-2月期7.5%→1-3月期6.4%→1-4月期5.5%→1-5月期5.3%

(5)対外経済
①輸出入

5月の輸出は2138.5億ドル、前年同月比1.1%増、輸入は1721.9億ドル、同-8.5%となった7。貿易黒字は416.6億ドルであった。

(参考)輸出:(2017年7.9%)18年8月9.6%→9月13.9%→10月14.3%→11月3.9%→12月-4.4%(2018年9.9%)→19年1月9.3%→2月-20.8%(1-2月期-4.6%)→3月13.8%増→4月-2.7%→5月1.1%

輸入:(2017年 15.9%)18年8月20.7%→9月14.3%→10月20.3%→11月2.9%→12月-7.6%(2018年 15.8%)→19年1月-1.3%→2月-4.9%(1-2月-2.9%)→3月-7.8%→4月4.0%→5月-8.5%

1-5月期の輸出は9583.4億ドル、前年同月比0.4%増、輸入は8278.7億ドル、同-3.7%となった。貿易黒字は1304.7億ドルであった。

1-5月期の輸出入総額が1兆7862.1億ドル、前年同期比-1.6%であったのに対し、対EU5.7%増、対米-14.5%8(4月は-15.7%)、対英11.2%増、対日-4.5%9(4月は-3.4%)、対アセアン3.5%増である。

1-5月期輸出の労働集約型製品のうち、アパレル類前年同期比-5.5%、紡績1.5%増、靴0.2%増、家具3.8%増、プラスチック製品12.3%増、鞄1.9%増、玩具23.1%増である。電器・機械は同-0.5%、ハイテク製品は-2.5%である。

②外資利用

1-5月期の外資利用実行額は3690.6億元(546.1億ドル)、前年同期比6.8%増(ドル換算3.7%増)であった10。5月の外資利用実行額は638.3億元(94.7億ドル)、前年同期比8.5%増(ドル換算4.6%増)であった。

(参考)(2017年7.9%)18年1-8月2.3%→1-9月2.9%→1-10月3.3%→1-11月-1.3%→2018年0.9%→19年1月4.8%→1-2月期5.5%→1-3月6.5%→1-4月6.4%→1-5月6.8%11

1-2月期の製造業は1128.9億元、前年同期比12.4%増、サ-ビス業は2501.1億元、同4.2%増であった。ハイテク産業は同47.2%増で、ウエイトは28.5%に達した。ハイテク製造業12は417億元、同23.2%増、ハイテクサ-ビス業13は633.1億元、同68.9%増であった。

1-2月期、国内地域別では、中部254.4億元、前年同期比5.2%増、西部285億元、同25.2%増、自由貿易試験区は同7.4%増、ウエイトは11.9%に達した。

1-5月期、国・地域別では、韓国88.1%、日本18.9%、米国7.5%増、英国9.2%増、ドイツ100.8%増、EU29.5%増である14

③外貨準備

5月末、外貨準備は3兆1010億ドルであった。4月末に比べ61億ドルの増加(4月は38億ドル減)である。増加は2カ月ぶりである。

④米国債保有

4月末の米国債保有高は、前月比75億ドル減の1兆1130億ドルで、2017年5月以来、約2年ぶりの低水準となった。日本は2位のままで、141億ドル減の1兆640億ドルである。

(6)金融

5月末のM2の残高は189.12兆元、伸びは前年同期比8.5%増と、4月末と同水準、前年同期より0.2ポイント加速した。M1は3.4%増で、4月末より0.5ポイント加速、前年同期より2.6ポイント減速した。5月の現金純回収は1167億元であった。

人民元貸出残高は144.31兆元で前年同期比13.4%増であり、伸び率は4月末より0.1ポイント減速し、前年同期より0.8ポイント加速した。5月の人民元貸出増は1.18兆元(4月は1.02兆元)で、前年同期より伸びが313億元増加している。うち住宅ロ-ンは6625億元増、企業等への中長期貸出は2524億元増であった。

人民元預金残高は185.3兆元で、前年同期比8.4%増であった。5月の人民元預金は1.22兆元増(4月は2606億元増)で、前年同期より伸びが871億元減少している。うち個人預金は2417億元増、企業預金は1181億元増であった。

(参考)M2 :2017年12月8.1%→18年8月8.2%→9月8.3%→10月8%→11月8%→12月8.1%→19年1月8.4%→2月8%→3月8.6%→4月8.5%→5月8.5%  

5月末の社会資金調達規模残高は211.06兆元であり、前年同期比10.6%増となった。うち、実体経済への人民元貸出残高15は143.04兆元、13.4%増、委託貸付残高は11.97兆元、-10.4%、信託貸付残高は7.88兆元、-6.7%、企業債券残高は21.16兆元、10.9%増、地方政府特別債券残高8.1兆元、41.1%増、株式残高は7.11兆元、3.5%増である。  

構成比では、実体経済への人民元貸出残高は67.8%(前年同期比1.7ポイント増)、委託貸付残高は5.7%(同-1.3ポイント)、信託貸付残高は3.7%(同-0.7ポイント)、企業債券残高は10%(同0.0ポイント)、地方政府特別債券残高は3.8%(同0.8ポイント増)、株式残高は3.4%(同-0.2ポイント)である。  

5月の社会資金調達規模(フロ-)は1.4兆元であり、前年同期比4466億元減となった。うち、実体経済への人民元貸出は1.19兆元増(伸びは前年同期比459億元増)、委託貸付は631億元減(同939億元減)、信託貸付は52億元減(同884億元減)、企業債券純資金調達476億元(同858億元増)、地方政府特別債券純資金調達1251億元(同239億元増)、株式による資金調達は259億元(同179億元減)である。

(7)財政

1-5月期の全国財政収入は8兆9919億元で、前年同期比3.8%増となった16。中央財政収入は4兆3397億元、同3.6%増、地方レベルの収入は4兆6522億元、同3.9%増である。税収は7兆8493億元、同2.2%増、税外収入は1兆1426億元、同16.1%増であった。

(参考)財政収入:(2017年7.4%)18年1-8月9.4%→1-9月8.7%→1-10月期7.4%→1-11月6.5%→(2018年6.2%)→19年1-2月7%→1-3月6.2%→1-4月5.3%→1-5月3.8%

1-5月期の全国財政支出は9兆3023億元、前年同期比12.5%増であった17。中央レベルの支出は1兆3439億元、同12.5%増、地方財政支出は7兆9584億元、同12.5%増である。

なお、1-5月期の地方政府基金収入は2兆3165億元、前年同期比-4%であり、うち国有地土地使用権譲渡収入は同-6%(4月は-7.6%)であった。

5月末の地方政府債務残高は19兆8953億元。うち、一般債務は11兆6710億元、特別債務は8兆2243億元である。なお、1-5月期に新たに増発した債券は1兆4596億元(うち一般債券5998億元、特別債券8598億元)。このほか借換・再融資債券4780億元である。

(8)雇用

5月の全国都市調査失業率は5.0%、うち、全国25-59歳の調査失業率は4.5%で、4月より0.2ポイント改善し、連続3カ月低下した。31大都市調査失業率は5.0%となった(年間目標は、いずれも5.0%以内)。

(参考)全国都市調査失業率:2018年8月5.0%→9月4.9%→10月4.9%→11月4.8%→12月4.9%→19年1月5.1%→2月5.3%→3月5.2%→4月5.0%→5月5.0%

31大都市調査失業率:2018年8月4.9%→9月4.7%→10月4.7%→11月4.7%→12月4.7%→19年2月5.0%→3月5.1%→4月5.0%→5月5.0%  

1-5月期の新規就業者増は597万人(年間目標1100万人以上の約54%)18であった。

(9)社会電力使用量

5月は前年同期比2.3%増である。うち、第1次産業は2.2%増、第2次産業は0.7%増、第3次産業は6.8%増、都市・農村住民生活用は6.8%増であった。

1-5月期は前年同期比4.9%増である。うち、第1次産業は5.2%増、第2次産業は2.7%増、第3次産業は9.6%増、都市・農村住民生活用は10.3%増であった。

(参考)(2017年6.6%)18年8月8.8%→9月8%→10月6.7%→11月6.3%→(2018年8.5%)→2月7.2%(1-2月期4.5%)→3月7.5%→4月5.8%→5月2.3%

(10)輸送

1-5月期の鉄道貨物輸送量は17.11億トン、前年同期比5.1%増であった。5月の鉄道貨物輸送量は3.62億トン、前年同期比6.8%増であった。

1-5月期の道路貨物輸送量は154.22億トン、同5.8%増であった。5月の道路貨物輸送量は36.68億トン、同5.6%増であった。

1-5月期の全社会貨物輸送量は199.91億トン、同6.0%増であった。5月の全社会貨物輸送量は46.48億トン、同5.6%増であった。

(参考)鉄道貨物:(2017年10.7%)18年1-8月7.7%→1-9月7.9%→1-10月8.2%→1-11月8.7%→(2018年9.1%)→19年1-2月3.3%→1-3月3.0%→1-4月4.6%→1-5月5.1%     

道路貨物:(2017年10.1%)18年1-8月7.4%→1-9月7.5%→1-10月7.7%→1-11月7.5%→(2018年7.4%)→19年1-2月4.1%→1-3月5.9%→1-4月5.8%→1-5月5.8%     

全社会貨物:(2017年9.3%)18年1-8月6.9%→1-9月7%→1-10月7.3%→1-11月7.2%→(2018年7.1%)→19年1-2月4.6%→1-3月6.1%→1-4月6.1%→1-5月6.0%

  1. 国家統計局によれば、2011年のウエイト付け改定で、居住価格のウエイトは20%前後になったとしている。
  2. コア消費者物価は2013年から公表が開始された。
  3. 2018年8月は0.50%増、9月は0.45%増、10月は0.44%増、11月は0.36%増、12月は0.51%増、19年1月は0.46%増、2月は0.46%増、3月は0.95%増、4月は0.37%増である。
  4. 2018年8月は0.77%増、9月は0.72%増、10月は0.76%増、11月は0.66%増、12月は0.69%増、19年1月は0.81%増、2月は0.44%増、3月は0.89%増、4月は0.46%増である。
  5. 2018年8月は0.44%増、9月は0.45%増、10月は0.46%増、11月は0.44%増、12月は0.41%増、19年1月は0.42%増、2月は0.43%増、3月は0.44%増、4月は0.42%増である。
  6. この統計は2012年から公表が開始された。
  7. 前月比では、輸出10.5%増、輸入-4.2%である。5月の春節要因調整後前年同月比は、輸出3.4%増、輸入-4.9%、前月比では輸出9.6%増、輸入-1.1%である。
  8. 輸出11月9.8%増→12月-3.3%→1月-2.4%→2月-28.6%→3月3.7%増→4月-13.1%→5月-4.2%、輸入11月-25.0%→12月-35.8%→1月-41.2%→2月-26.1%→3月-25.8%→4月-25.7%→5月-26.8%である。
  9. 1-5月期の輸出は574.3億ドル、-1.8%、輸入は676.2億ドル、-6.7%である。5月の輸出は119.3億ドル、0.5%増(4月は-16.3%)、輸入は131.8億ドル、-15.9%(4月は1.4%)である。
  10. 伸びは人民元ベ-スである。
  11. ドルベ-スでは、(2017年4%)18年1-8月6.1%→1-9月6.4%→1-10月6.5%→1-11月1.1%→2018年3%→19年1月4.8%→1-2月3.0%→1-3月3.7%→1-4月3.5%→1-5月3.7%である。
  12. 航空・宇宙関連機器及び装置製造業、電子・通信設備製造業、計算機・オフィス設備製造業などが含まれる。
  13. 情報サ-ビス、研究・設計サ-ビス、科学技術成果実用化サ-ビスなどが含まれる。
  14. 1-4月期、ドルベ-スでは、韓国29.8億ドル、シンガポ-ル20.4億ドル、日本13.8億ドル、米国12.3億ドル、英国8.9億ドル、ドイツ8.5億ドル、オランダ5.1億ドルである。
  15. 一定期間内に実体経済(非金融企業と世帯)が金融システムから得た人民元貸出であり、銀行からノンバンクへの資金移し替えは含まない。
  16. 主な収入の内訳は、国内増値税3兆319億元、前年同期比6.8%増、国内消費税7422億元、23.1%増、企業所得税2兆1061億元、9%増、個人所得税4778億元、-30.7%、輸入貨物増値税・消費税7123億元、-1.6%、関税1175億元、-6.2%である。輸出に係る増値税・消費税の還付は7748億元であり、25.8%増である。都市維持建設税は2265億元、4.1%増、車両購入税は1535億元、-1.7%、印紙税は1212億元、5.4%増(うち証券取引印紙税は690億元、14.7%増)、資源税は796億元、14.3%増、環境保護税は111億元、140%増である。不動産関連では、契約税2509億元、前年同期比4.5%増、土地増値税268.3億元、7.7%増、不動産税1335億元、2.2%増、耕地占用税520億元、-4.3%、都市土地使用税963億元、-11.8%であった。
  17. 主な支出は、教育1兆3471億元、前年同期比11.8%増、科学技術3115億元、29.3%増、文化・観光・スポ-ツ・メディア1241億元、7.5%増、社会保障・雇用1兆3842億元、4.5%増、衛生・健康7253億元、6.4%増、省エネ・環境保護2219億元、29.8%、都市・農村コミュニティ9156億元、20.3%増、農林・水産7243億元、14.1%増、交通・運輸5784億元、32.7%増、債務利払い3209億元、13.9%増である。
  18. 2018年は1361万人である。