4月の主要経済指標

中国経済レポート

新領域研究センター 田中 修

2019年5月30日


(1)物価
①消費者物価

 4月の消費者物価は前年同月比2.5%上昇し、上昇率は3月より0.2ポイント加速した。都市は2.5%、農村は2.6%の上昇である。食品価格は6.1%上昇し(3月は4.1%)、非食品価格は1.7%上昇(3月は1.8%)している。衣類は1.8%上昇、居住価格は2.0%上昇した1。1-4月期では、前年同期比2.0%の上昇である。

(参考)(2017年1.6%)18年7月2.1%→8月2.3%→9月2.5%→10月2.5%→11月2.2%→12月1.9%(2018年2.1%)→19年1月1.7%→2月1.5%→3月2.3%→4月2.5% 前月比では、3月より0.1%上昇(3月は-0.4%)した。食品価格は0.1%下落(3月は-0.9%)した。食品・タバコ・酒価格は3月と同水準、物価への影響は約0ポイント、うち生鮮野菜は4.5%下落(3月は-2.6%)し、物価への影響は約-0.13ポイント、鶏肉類価格は0.4%上昇した。鶏卵価格が3.3%上昇、物価への影響は約0.02ポイント、水産品価格は0.5%上昇、物価への影響は約0.01ポイント、畜肉類価格は0.9%上昇、物価への影響は約0.04ポイント、(豚肉価格は1.6%上昇、物価への影響は約0.04ポイント)であった。果物価格は2.6%上昇し、物価への影響は約0.05ポイントであった。非食品価格は0.1%上昇(3月は-0.2%)し、衣類は0.0%(3月は0.6%)、居住価格は0.0%(3月は0.1%)であった。

食品・エネルギ-を除いた消費者物価(コア消費者物価)は、4月が前年同月比1.7%の上昇(3月は1.8%)、前月比では0.1%の上昇(3月は-0.3%)である2。1-4月期は1.8%の上昇である。  

なお、国家統計局は、4月の前年同月比上昇率2.5%のうち食品・タバコ・酒価格は4.7%上昇し、物価への影響は約1.40ポイントとなり、このうち畜肉類価格は10.1%上昇、物価への影響は約0.42ポイント(豚肉価格は14.4%上昇、物価への影響は約0.31ポイント)、鶏肉価格は5.0%上昇、物価への影響は約0.06ポイントである。このほか生鮮野菜価格が17.4%上昇、物価への影響は約0.43ポイント、鶏卵価格が2.6%上昇、物価への影響は約0.01ポイント、果物価格は11.9%上昇、物価への影響は約0.22ポイント、水産品価格は1.4%下落、物価への影響は約-0.03ポイント、食糧価格は0.4%上昇し、物価への影響は約0.01ポイントであった。

また4月の2.5%上昇のうち、前年の価格上昇の本年への影響は約1.3ポイント、新たなインフレ要因は約1.2ポイントである。

なお、国家統計局都市司の董雅秀処長は、前月比が-0.4%から0.1%の上昇に転じたのは、1)鶏卵価格が連続2カ月下落から上昇に転じ、一部の果物の需給が逼迫し、果物価格が上昇し、アフリカ豚コレラ等の要因が影響し、豚肉価格が引き続き上昇し、この3つでCPIを約0.11ポイント押し下げた、2)春季の気温が適切で、果物の供給が増え、価格が下落し、CPIを約0.13ポイント押し下げた、3)旅行者が増え、航空券・観光スポット入場券・旅行社手数料が上昇し、CPIを約0.07ポイント押し上げた、4)石油製品価格調整等の要因の影響を受け、され、ガソリン価格が0.4%下落、ディ-ゼル油価格が0.3%下落した、点を挙げている。

また、4月の前年同月比消費者物価上昇幅が、3月より0.2ポイント拡大した特徴として、1)生鮮野菜価格水準が高止まりした、2)豚肉価格の上昇幅が拡大した、3)昨年秋季の北方の果物収穫が不足し、今年在庫が不足しており、果物価格が上昇した、4)医療保健、教育・文化・娯楽、居住価格が上昇し、CPIを約0.93ポイント押し上げた、としている。

②工業生産者出荷価格

 4月の工業生産者出荷価格は前年同月比0.9%上昇した。前月比では3月より0.3%上昇(3月は0.1%)した。1-4月期は、前年同期比0.3%上昇である。

(参考)(2017年6.3%)18年7月4.6%→8月4.1%→9月3.6%→10月3.3%→11月2.7%→12月0.9%(2018年3.5%)→19年1月0.1%→2月0.1%→3月0.4%→4月0.9%  

4月の工業生産者購入価格は、前年同月比0.4%上昇(3月は0.2%)した。前月比では3月より0.1%下落(3月は0.0%)であった。1-4月期は、前年同期比0.2%上昇である。  

また4月の0.9%上昇のうち、前年の価格上昇の本年への影響は約1.1ポイント、新たなインフレ要因は約-0.2ポイントである。

なお、国家統計局都市司の董雅秀処長は、前月比では上昇幅が0.2ポイント拡大したが、その特徴は、1)鉄金属精錬・圧延加工業、農副食品加工業価格の上昇幅が拡大し、2)石油・天然ガス採掘業、石油・石炭その他燃料加工業価格の上昇幅が縮小し、3)化学原料・化学製品製造業、非金属鉱物製造業価格が下落から上昇に転じ、4)天然ガス生産・供給業、石炭採掘・洗浄業価格の下落幅が拡大した、とする。

また、前年同月比では、上昇幅が3月より0.5ポイント拡大したが、その特徴は、1)石油・天然ガス採掘業、石油・石炭その他燃料加工業、非金属鉱物製造業、石炭採掘・洗浄業価格の上昇幅が拡大し、2)鉄金属精錬・圧延加工業、フィルム・プラスチック製品業価格が下落から上昇に転じ、3)化学原料・化学製品製造業、非鉄金属冶金・圧延加工業価格の下落幅が縮小した、とする。

③住宅価格

4月の全国70大中都市の新築分譲住宅販売価格は前月比2都市が低下(3月は4)し、同水準は1(3月は1)であった。上昇は67である(3月は65)。

前年同月比では、価格が下落したのは0都市(3月は0)であった。同水準は0(3月は0)、上昇は70(3月は70)である。

国家統計局都市司の劉建偉高級統計師は、「4月は、各地方が、引き続き都市に応じた施策、都市政府が主体的責任をもつ長期有効なメカニズムを一層実施し、不動産市場は基本的に平穏な態勢を継続した。

前月比では、70大中都市のうち、4の一線都市の新築分譲住宅価格は0.6%上昇し、上昇幅は3月より0.4ポイント拡大した。うち北京は0.5%上昇、上海は0.3%上昇、広州は1.1%上昇し、深圳は0.4%下落した。31の二線都市の新築価格は0.8%上昇し、上昇幅は3月より0.2ポイント拡大した。35の三線都市の新築価格は0.5%上昇し、上昇幅は3月より0.2ポイント縮小した。

前年同月比では、70大中都市のうち、一線都市の新築価格は4.7%上昇し、上昇幅は前年同月比0.5ポイント拡大した。二線都市の新築価格は12.3%上昇し、上昇幅は前年同月比0.1ポイント拡大した。三線都市の新築価格は11.3%上昇し、上昇幅は前年同月比0.1ポイント縮小した」と指摘している。


(2)工業

4月の工業生産は前年同月比実質5.4%増となった。4月は前月比では、0.37%増となった3。主要製品別では、発電量3.8%増(3月は5.4%)、鋼材11.5%増(3月は11.4%)、セメント3.4%増(3月は22.2%)、自動車-15.8%(うち乗用車-18.8%、SUV車-21.7%、新エネルギ-車17.1%増)となっている。3月の自動車-2.6%(うち乗用車-3.4%、SUV車-8.3%、新エネルギ-車41.6%増)に比べ、自動車・乗用車のマイナス幅が再び拡大した。地域別では、東部2.5%増、中部7.7%増、西部4.0%増、東北-0.1%である。

(参考)(2017 年6.6%)18年7月6.0%→8月6.1%→9月5.8%→10月5.9%→11月5.4%→12月5.7%(2018年6.2%)→19年1-2月期5.3%→3月8.5%→4月5.4% 1-4月期の工業生産は前年同月比実質6.2%増となった。主要製品別では、発電量4.1%増、鋼材11.1%増、セメント7.3%増、自動車-11.8%(うち乗用車-13.4%、SUV車-17.6%、新エネルギ-車41.1%増)となっている。  

1-4月期の一定規模以上の工業企業利潤総額は1億8129.4億元、前年同期比3.4%減(1-2月期-3.3%)であった。うち国有株支配企業の利潤総額は5704.3億元、同9.7%減、株式制企業は1兆2873.3億元、同1.0%減、外資企業は4455.2億元、同8.3%減、私営企業は4597.1億元、同4.1%増である。4月の一定規模以上の工業企業利潤総額は5153.9億元、前年同期比3.7%減(3月13.9%)であった。

1-4月期の一定規模以上の工業企業の本業営業収入100元当たりのコストは84.38元(1-2月期84.39元、前年同期比0.22元増)である。4月末の資産負債率は56.8%(3月末57.0%、前年同期比0.5ポイント減)であった。

なお、国家統計局工業司の朱虹統計師は、「1-4月は鉄鋼・石油加工・石油採掘・化学工業等の主要業種の利潤がある程度好転した。7割の業種の利潤が前年同期比で増加した。利潤増加が最も多かったのは、煙草製品業、酒・飲料・精製茶製造業、電気機械・器材製造業、非金属鉱物製品業、電力・熱力生産・供給業である。このほか、4月1日からの増値税の税率引下げが、一部の工業製品需要を3月に前倒しで解放することになり、加えて同期のベースがかなり高いことから4月の利潤が下がった」としている。

(3)消費

4月の社会消費品小売総額は3兆586億元、前年同月比7.2%増(実質5.1%増)である。4月は前月比では、0.47%増である4。都市は7.1%増、農村は7.8%増である。一定額以上の企業(単位)消費品小売額は1兆1120億元、同2.0%増であり、うち穀類・食用油・食品9.3%増、アパレル・靴・帽子類-1.1%、建築・内装-0.3%、家具4.2%増、自動車-2.1%、家電・音響機器類3.2%増となっている。自動車の伸びは、3月の-4.4%からマイナス幅が縮小した。

(参考)(2017年10.2%)18年7月8.8%→8月9.0%→9月9.2%→10月8.6%→11月8.1%→12月8.2%(2018年9.0%)→19年1-2月期8.2%→3月8.7%→4月7.2%  1-4月期の社会消費品小売総額は12兆8376億元、前年同月比8.0%増である。都市は7.9%増、農村は8.9%増である。一定額以上の企業(単位)消費品小売額は4兆6212億元、同3.5%増であり、うち穀類・食用油・食品10.3%増、アパレル・靴・帽子類2.2%増、建築・内装5.8%増、家具4.8%増、自動車-3.1%、家電・音響機器類6.6%増となっている。

1-4月期、一定額以上のレストランの収入は7.1%増であった。全国インタ-ネット商品・サ-ビス小売額は3兆439億元で、前年同期比17.8%増となった。うち実物商品は2兆3933億元、同22.2%増で、社会消費品小売総額の18.6%を占めている。

(4)投資
①都市固定資産投資

1-4月期の都市固定資産投資は15兆5747億元で、前年同期比6.1%増であった。4月は前月比では0.45%増である5。地域別では、東部4.2%増、中部9.4%増、西部6.4%増、東北-6.6%となっている。内資企業は6.2%増で、1-3月より0.2ポイント減、外資企業は4.6%増、同4.1ポイント減である。

インフラ投資(電力・熱・天然ガス・水生産供給以外)は前年同期比4.4%増(3月は4.4%)である。うち、鉄道運輸は12.3%増(12月は11.0%)、道路輸送は7%増(3月は10.5%)、水利-4.9%(3月は5.5%)、公共施設-0.4%(3月は-0.6%)、生態環境保護・環境対策37.6%増であった。

(参考)都市固定資産投資:(2017年7.2%)18年1-7月期5.5%→1-8月期5.3%→1-9月期5.4%→1-10月期5.7%→1-11月期5.9%→2018年5.9%→19年1-2月期6.1%→1-3月期6.3%→1-4月期6.1%   

インフラ投資:(2017年19.0%)18年1-6月期7.3%→1-9月期3.3%→1-10月期3.7%→1-11月期3.7%→2018年3.8%→19年1-2月期4.3%→1-3月期4.4%→1-4月期4.4%

②不動産開発投資

1-4月期の不動産開発投資は3兆4217億元で前年同期比11.9%増である。うち住宅は2兆4925億元、16.8%増で、不動産開発投資に占める比重は72.8%である。オフィスビルは1607億元、同-2.4%である。地域別では、東部10.8%増、中部8.7%増、西部18.4%増、東北10.6%増となっている。

(参考)(2017年7.0%)18年1-7月期10.2%→1-8月期10.1%→1-9月期9.9%→1-10月期9.7%→1-11月期9.7%→2018年9.5%→19年1-2月期11.6%→1-3月期11.8%→1-4月期11.9%  

1-4月期の分譲建物販売面積は4億2085万㎡で、前年同期比-0.3%(3月は-0.9%)であった。うち、分譲住宅販売面積は0.4%増(3月は-0.6%)、オフィスビルは-12.4%(3月は-11.1%)である。地域別では、東部-4.3%、中部2.4%、西部3.8%増、東北-4.2%である。

(参考)分譲建物販売面積:(2017年7.7%)18年1-7月期4.2%→1-8月期4.0%→1-9月期2.9%→1-10月期2.2%→1-11月期1.4%→2018年1.3%→19年1-2月期-3.6%→1-3月期-0.9%→1-4月期-0.3%

1-4月期の分譲建物販売額は3兆9141億元、前年同期比8.1%増(3月は5.6%)であった。うち、分譲住宅販売額は10.6%増(3月は7.5%)、オフィスビルは-11.7%(3月は-13.0%)である。地域別では、東部6.0%増、中部10.4%増、西部11.8%増、東北3.3%増である。

(参考)分譲建物販売額:(2017年13.7%)18年1-7月期14.4%→1-8月期14.5%→1-9月期13.3%→1-10月期12.5%→1-11月期12.1%→2018年12.2%→19年1-2月期2.8%→1-3月期5.6%→1-4月期8.1%

4月末の分譲建物在庫面積は5億1380万㎡、3月末比266万㎡減、前年同期比-9.4%で、うち分譲住宅在庫面積は357万㎡増であった。

1-4月期のディベロッパ-の資金源は5兆2466億元であり、前年同期比8.9%増(3月は5.9%)であった。うち、国内貸出が8955億元、3.7%増、外資が34億元、103.7%増、自己資金が1兆5687億元、5.3%増、手付金・前受金1兆7249億元、15.1%増、個人住宅ロ-ン8031億元、12.4%増である。

③民間固定資産投資

 1-4月期の全国民間固定資産投資は9兆3103億元であり、前年同期比5.5%増である6

(参考)(2018年8.7%)1-7期8.8%→1-8月期8.7%→1-9月期8.7%→1-10月期8.8%→1-11月期8.7%→2018年8.7%→19年1-2月期7.5%→1-3月期6.4%→1-4月期5.5%

(5)対外経済
①輸出入

4月の輸出は1934.9億ドル、前年同月比-2.7%、輸入は1796.5億ドル、同4.0%増となった7。貿易黒字は138.4億ドルであった。

(参考)輸出:(2017年7.9%)18年7月11.6%→8月9.6%→9月13.9%→10月14.3%→11月3.9%→12月-4.4%(2018年9.9%)→19年1月9.3%→2月-20.7%(1-2月期-4.6%)→3月13.8%増→4月-2.7% 輸入:(2017年 15.9%)18年7月27.0%→8月20.7%→9月14.3%→10月20.3%→11月2.9%→12月-7.6%(2018年 15.8%)→19年1月-1.4%→2月-5.0%(1-2月-3.0%)→3月-7.9%→4月4.0%

1-4月期の輸出は7446.1億ドル、前年同月比0.2%増、輸入は6552.1億ドル、同-2.5%となった。貿易黒字は894.0億ドルであった。

1-4月期の輸出入総額が1兆3998.2億ドル、前年同期比-1.1%であったのに対し、対EU5.9%増、対米-15.7%増8(3月は-15.4%)、対英12.1%増、対日-3.4%9(3月は-2.1%)、対アセアン3.4%増である。

1-4月期輸出の労働集約型製品のうち、アパレル類前年同期比-7.6%、紡績0.8%増、靴-1.6%、家具3.7%増、プラスチック製品11.6%増、鞄1.1%増、玩具24.2%増である。電器・機械は同-0.8%、ハイテク製品は-3.3%である。

②外資利用

1-4月期の外資利用実行額は3052.4億元(451.4億ドル)、前年同期比6.4%増(ドル換算3.5%増)であった10。4月の外資利用実行額は629.5億元(93.4億ドル)、前年同期比6.3%増(ドル換算2.8%増)であった。

(参考)(2017年7.9%)18年1-7月2.3%→1-8月2.3%→1-9月2.9%→1-10月3.3%→1-11月-1.3%→2018年0.9%→19年1月4.8%→1-2月期5.5%→1-3月6.5%→1-4月6.4%11

1-2月期の製造業は943.8億元、前年同期比11.4%増、サ-ビス業は2051億元、同4.1%増であった。ハイテク産業は同43.1%増で、ウエイトは28.1%に達した。ハイテク製造業12は334.1億元、同12.3%増、ハイテクサ-ビス業13は524.8億元、同73.4%増であった。

1-2月期、国内地域別では、中部220.7億元、前年同期比4.5%増、西部211.6億元、同9.6%増、自由貿易試験区は同11.8%増、ウエイトは11.9%に達した。

1-4月期、国・地域別では、韓国114.1%、日本3%、米国24.3%増、ドイツ101.1%増、EU17.7%増である14

③外貨準備

 4月末、外貨準備は3兆949億ドルであった。3月末に比べ38億ドルの減少(3月は86億ドル増)である。減少は6カ月ぶりである。

④米国債保有

 3月末の米国債保有高は、前月比104億ドル減の1兆1205億ドルで、22カ月連続1位となった。日本は2位のままで、57億ドル増の1兆781億ドルである。

(6)金融

4月末のM2の残高は188.47兆元、伸びは前年同期比8.5%増と、3月末より0.1ポイント減速、前年同期より0.2ポイント加速した。M1は2.9%増で、3月末より1.7ポイント減速、前年同期より4.3ポイント減速した。4月の現金純回収は976億元であった。

人民元貸出残高は143.12兆元で前年同期比13.5%増であり、伸び率は3月末より0.2ポイント減速し、前年同期より0.8ポイント加速した。4月の人民元貸出増は1.02兆元(3月は1.69兆元)で、前年同期より伸びが1615億元減少している。うち住宅ロ-ンは5258億元増、企業等への中長期貸出は2823億元増であった。

人民元預金残高は184.08兆元で、前年同期比8.5%増であった。4月の人民元預金は2606億元増(3月は1.72兆元増)で、前年同期より伸びが2746億元減少している。うち個人預金は6248億元減、企業預金は1738億元減であった。

(参考)M2 :2017年12月8.1%→18年7月8.5%→8月8.2%→9月8.3%→10月8%→11月8%→12月8.1%→19年1月8.4%→2月8%→3月8.6%→4月8.5%  

4月末の社会資金調達規模残高は209.68兆元であり、前年同期比10.4%増となった。うち、実体経済への人民元貸出残高15は141.85兆元、13.5%増、委託貸付残高は12.03兆元、-10.9%、信託貸付残高は7.89兆元、-7.7%、企業債券残高は21.12兆元、10.5%増、地方政府特別債券残高7.97兆元、41.4%増、株式残高は7.09兆元、3.8%増である。  

構成比では、実体経済への人民元貸出残高は67.7%(前年同期比1.9ポイント増)、委託貸付残高は5.7%(同-1.4ポイント)、信託貸付残高は3.8%(同-0.7ポイント)、企業債券残高は10.1%(同0.0ポイント)、地方政府特別債券残高は3.8%(同0.8ポイント増)、株式残高は3.4%(同-0.2ポイント)である。  

4月の社会資金調達規模(フロ-)は1.36兆元であり、前年同期比4080億元減となった。うち、実体経済への人民元貸出は8733億元増(伸びは前年同期比2254億元減)、委託貸付は1199億元減(同282億元減)、信託貸付は129億元増(同230億元減)、企業債券純資金調達3574億元(同391億元減)、地方政府特別債券純資金調達1679億元(同871億元増)、株式による資金調達は262億元(同271億元減)である。

(7)財政

1-4月期の全国財政収入は7兆2651億元で、前年同期比5.3%増となった16。中央財政収入は3兆4667億元、同4.3%増、地方レベルの収入は3兆7984億元、同6.1%増である。税収は6兆3692億元、同4.6%増、税外収入は8959億元、同10.3%増であった。

(参考)財政収入:(2017年7.4%)18年1-7月10%→1-8月9.4%→1-9月8.7%→1-10月期7.4%→1-11月6.5%→(2018年6.2%)→19年1-2月7%→12月6.2%→1-4月5.3%

1-4月期の全国財政支出は7兆5667億元、前年同期比15.2%増であった17。中央レベルの支出は1兆300億元、同14.9%増、地方財政支出は6兆5367億元、同15.2%増である。

なお、1-4月期の地方政府基金収入は1兆8302億元、前年同期比-5.4%であり、うち国有地土地使用権譲渡収入は同-7.6%(3月は9.5%)であった。

4月末の地方政府債務残高は19兆6794億元。うち、一般債務は11兆5742億元、特別債務は8兆1052億元である。なお、1-4月期に新たに増発した債券は1兆2940億元(うち一般債券5643億元、特別債券7297億元)。このほか借換・再融資債券3393億元である。

(8)雇用

4月の全国都市調査失業率は5.0%、31大都市調査失業率は5.0%となった(年間目標は、いずれも5.5%以内)。なお、全国25-59歳の調査失業率は4.7%で、3月より0.1ポイント改善した。

(参考)全国都市調査失業率:2018年 7月5.1%→8月5.0%→9月4.9%→10月4.9%→11月4.8%→12月4.9%→19年1月5.1%→2月5.3%→3月5.2%→4月5.0%

31大都市調査失業率:2018年 7月5.0%→8月4.9%→9月4.7%→10月4.7%→11月4.7%→12月4.7%→19年2月5.0%→3月5.1%→4月5.0%  

1-4月期の新規就業者増は459万人(年間目標1100万人以上の約42%)18であった。

(9)社会電力使用量

4月は前年同期比5.8%増である。うち、第1次産業は4.2%増、第2次産業は4.0%増、第3次産業は10.5%増、都市・農村住民生活用は10.5%増であった。

1-4月期は前年同期比5.6%増である。うち、第1次産業は6.1%増、第2次産業は3.2%増、第3次産業は10.3%増、都市・農村住民生活用は10.9%増であった。

(参考)(2017年6.6%)18年7月6.8%→8月8.8%→9月8%→10月6.7%→11月6.3%→(2018年8.5%)→2月7.2%(1-2月期4.5%)→3月7.5%→4月5.8%

(10)輸送

1-4月期の鉄道貨物輸送量は13.49億トン、前年同期比4.6%増であった。4月の鉄道貨物輸送量は3.36億トン、前年同期比10.0%増であった。

1-4月期の道路貨物輸送量は117.54億トン、同5.8%増であった。4月の道路貨物輸送量は35.60億トン、同5.6%増であった。

1-4月期の全社会貨物輸送量は153.43億トン、同6.1%増であった。4月の全社会貨物輸送量は44.95億トン、同6.1%増であった。

(参考)鉄道貨物:(2017年10.7%)18年1-7月7.9%→1-8月7.7%→1-9月7.9%→1-10月8.2%→1-11月8.7%→(2018年9.1%)→19年1-2月3.3%→1-3月3.0%→1-4月4.6%     

道路貨物:(2017年10.1%)18年1-7月7.5%→1-8月7.4%→1-9月7.5%→1-10月7.7%→1-11月7.5%→(2018年7.4%)→19年1-2月4.1%→1-3月5.9%→1-4月5.8%     

全社会貨物:(2017年9.3%)18年1-7月6.8%→1-8月6.9%→1-9月7%→1-10月7.3%→1-11月7.2%→(2018年7.1%)→19年1-2月4.6%→1-3月6.1%→1-4月6.1%

  1. 国家統計局によれば、2011年のウエイト付け改定で、居住価格のウエイトは20%前後になったとしている。
  2. コア消費者物価は2013年から公表が開始された。
  3. 2018年7月は0.42%増、8月は0.51%増、9月は0.49%増、10月は0.47%増、11月は0.40%増、12月は0.51%増、19年1月は0.46%増、2月は0.46%増、3月は0.97%増である。
  4. 2018年7月は0.65%増、8月は0.64%増、9月は0.62%増、10月は0.63%増、11月は0.61%増、12月は0.68%増、19年1月は0.78%増、2月は0.46%増、3月は0.79%増である。
  5. 2018年7月は0.44%増、8月は0.44%増、9月は0.45%増、10月は0.47%増、11月は0.46%増、12月は0.43%増、19年1月は0.46%増、2月は0.45%増、3月は0.47%増である。
  6. この統計は2012年から公表が開始された。
  7. 前月比では、輸出-2.3%、輸入8.5%増である。4月の春節要因調整後前年同月比は、輸出-8.3%、輸入-4.3%、前月比では輸出-0.6%、輸入5.4%増である。
  8. 輸出11月9.8%増→12月-3.3%→1月-2.4%→2月-28.6%→3月3.7%増→4月-13.1%、輸入11月-25.0%→12月-35.8%→1月-41.2%→2月-26.1%→3月-25.8%→4月-25.7%である。
  9. 1-4月期の輸出は455.0億ドル、-2.5%、輸入は544.4億ドル、-4.1%である。4月の輸出は102.7億ドル、-16.3%(3月は9.6%)、輸入は155.4億ドル、1.4%増(3月は-14.1%)である。
  10. 伸びは人民元ベ-スである。
  11. ドルベ-スでは、(2017年4%)18年1-7月5.5%→1-8月6.1%→1-9月6.4%→1-10月6.5%→1-11月1.1%→2018年3%→19年1月4.8%→1-2月3.0%→1-3月3.7%→1-4月3.5%である。
  12. 航空・宇宙関連機器及び装置製造業、電子・通信設備製造業、計算機・オフィス設備製造業などが含まれる。
  13. 情報サ-ビス、研究・設計サ-ビス、科学技術成果実用化サ-ビスなどが含まれる。
  14. 1-4月期、ドルベ-スでは、韓国29.8億ドル、シンガポ-ル20.4億ドル、日本13.8億ドル、米国12.3億ドル、英国8.9億ドル、ドイツ8.5億ドル、オランダ5.1億ドルである。
  15. 一定期間内に実体経済(非金融企業と世帯)が金融システムから得た人民元貸出であり、銀行からノンバンクへの資金移し替えは含まない。
  16. 主な収入の内訳は、国内増値税2兆6377億元、前年同期比12.4%増、国内消費税6256億元、22.8%増、企業所得税1兆4979億元、9%増、個人所得税3963億元、-30.9%、輸入貨物増値税・消費税5840億元、1.2%増、関税929億元、-6.6%である。輸出に係る増値税・消費税の還付は6343億元であり、25.6%増である。都市維持建設税は1955億元、8.3%増、車両購入税は1241億元、-1.1%、印紙税は979億元、0.5%増(うち証券取引印紙税は541億元、4.6%増)、資源税は668億元、18.3%増、環境保護税は109億元、150%増である。地方税では、契約税1984億元、前年同期比5.3%増、土地増値税2081億元、9.6%増、不動産税1073億元、2.5%増、耕地占用税427億元、-2.3%、都市土地使用税824億元、-11.3%であった。
  17. 主な支出は、教育1兆906億元、前年同期比14%増、科学技術2509億元、38.5%増、文化・観光・スポ-ツ・メディア988億元、10.3%増、社会保障・雇用1兆1896億元、7.7%増、衛生・健康5988億元、9.9%増、省エネ・環境保護1670億元、26.6%、都市・農村コミュニティ7457億元、23.3%増、農林・水産5743億元、16.4%増、交通・運輸4897億元、33.1%増、債務利払い2548億元、21.9%増である。
  18. 2018年は1361万人である。