柏原 千英
写真は紫御殿(ムラサキゴテン、学名・Tradescantia pallida)の花です。メキシコ原産ですが、マニラ首都圏では道路の中央分離帯などによく植えられています。全体が濃い赤紫色で目を惹きますが、成長しすぎると自身を支えられなくなって、グニャリと地を這ったりボキッと折れてしまう…個人的には、とても「フィリピン的」な植物だと思います。
研究歴
入所した翌年にアジア経済・金融危機(1997-1998年)が発生したこともあり、国際機関の金融危機への支援体制と対象国の対応に関する研究を契機に、フィリピンにおける金融部門の再生、その後の直接・間接市場改革の進展/停滞、銀行部門の財務や再編等に関する研究を続けてきました。
他方で、近年まで目覚ましい経済発展を経験していないフィリピンの要因と課題を探るべく、国内の産業構成や就労・労働市場、2000年代後半以降に急成長したアウトソーシング産業(ICT-BPM)、首都圏とのその他地域間での著しい金融アクセス格差の縮小などにも関心を広げています。
現在取り組んでいるテーマ
2040年に高位中所得国入りを目指すフィリピンでは、さまざまな国内格差の解消と産業の高度化が不可欠だと認識されており、2010年代から包摂的成長を実現するための政策が実施されています。国内人材を育成・高度化する諸政策や制度とその効果、テクノロジーを軸に急速に変化するビジネス・金融環境への適応や戦略の存否等に関する研究に取り組んでいます。