研究活動のご紹介

調査研究

研究会一覧2025年度

経済ショック下におけるフォーマルな金融市場とインフォーマルな金銭貸借―バングラデシュ農村における実証実験―

概要

途上国の農村では、自然災害などの経済ショックが起きた時にインフォーマルな金銭貸借を通してリスクシェアリングを行われてきた。地主や、親戚、知人と行うインフォーマルな金銭貸借は、公的な金融アクセスが得られない途上国農村において重要なリスク対処方法である。一方で、インフォーマルな金銭貸借はフォーマルなマイクロクレジットよりも金利が高く、貧しい農家にとって気軽に利用できる制度ではない。

昨今、フォーマルなマイクロクレジット制度がインフォーマルな金銭貸借を減らすことができるか実証研究が続けられてきたが、一意に定まる結論には至っていない。

本研究ではバングラデシュで行われたランダム化比較試験のデータを利用して、マイクロクレジットの進出がインフォーマルな金銭の貸借の増減に影響を及ぼしたのか検証する。

さらに、経済ショックが起きた時でもリスクシェアリング機能としてのマイクロクレジットが、インフォーマルな金銭貸借を押し退けることができるのかを明らかにする。

最後に、ジェンダーや栽培作物の違いによるマイクロクレジット参入の効果の異質性を明らかにすることで、効果的なマイクロクレジット政策に繋げることができる。

期間

2024年4月~2026年3月

研究会メンバー
役割 メンバー
[ 主査 ] 松浦 正典
[ 委員 ] Das Narayan(BRAC Institute of Governance and Development Senior Research Fellow)
[ 委員 ] Saiful Islam Abu Hayat Md.(Bangladesh Agricultural University Professor)

※所属は研究会発足時のものです。

予定する研究成果
  • 査読付外国語学術誌投稿