調査研究

研究会一覧2024年度

ベトナムとタイにおけるスマート製造業開発

概要

本研究は、ベトナムの製造企業の能力について、タイ企業をベンチマークにしながら分析を試みるものである。ベトナムは、工業化を通じて2045年までに先進国になることを国家目標としている。同国は、タイを含むASEAN先発工業国との域内競争に直面して、製造業の育成に苦労してきた。ただし、1億人規模の人口、ハイテク製品製造の集積、ワーカーのスキルレベルとエンジニアリング教育の質が高さ、高い企業家精神などを有することから、製造拠点としての発展可能性は高いという見方もある。実際、タイはベトナムによるキャッチアップを警戒する一方、ベトナムに生産拠点を設けるタイ企業もある。その潜在力を開花させる上でカギとなるのは、デジタル技術の活用と産業人材養成と考えられる。本研究では、ベトナム製造企業について、今後の能力構築と成長を大きく左右するデジタル技術の活用と人材養成に着目して、タイ企業との比較も行いながら分析を試みる。1年目は、ホーチミン市および近郊のベトナム地場企業、タイ企業、日系企業に対してヒアリングを行い、ベトナム人によるデジタル技術の導入状況について情報収集を行った。あわせて、企業アンケート調査を実施する計画である。2年目は、アンケート調査から得られたデータを分析しながら、データから得られる知見と現実との整合性を確認するためにヒアリング調査を継続して行う計画である。在タイの外部委員によるタイでのヒアリング調査から、脱炭素がデジタル技術活用の一要因になっていることから、こうした取り組みが進んでいる日本での調査も実施する予定である。

期間

2023年4月~2025年3月

研究会メンバー
役割 メンバー
[ 主査 ] 植木 靖
[ 委員 ] Jeenanunta Chawalit(タマサート大学 Associate Professor/Deputy Director for Academic Affairs)
[ 委員 ] Intalar Nuchjarin(タマサート大学 Assistant Professor/Deputy Director of Academic Affairs)
[ 委員 ] Le Lan(タマサート大学)

※所属は研究会発足時のものです。

予定する研究成果
  • 査読付外国語学術誌投稿