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調査研究

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東南アジアにおける海洋プラスチック問題と対策(2022_2_40_020)

概要

2015年ごろから、プラスチックによる海洋汚染が地球環境問題の一つとして認識されてきた。特に、人口が多く、所得が上昇しプラスチックの消費が増加する一方、廃棄物の収集・処分が十分にできていない、東南アジア諸国は、主たる発生源とみなされている。国ごとの海洋へのプラスチックの流出量を推計したMeijer et al.(2021)によると、フィリピン1位、マレーシア3位、インドネシア4位、ミャンマー5位、ベトナム8位、タイ10位と流出量の多い上位10か国中、6か国が東南アジア諸国が占めている。東南アジア諸国全体の流出量は世界全体の59%を占めていると推計されている。 流出している海洋プラスチックは、廃棄物収集の対象とみなされている家庭や工場からの廃棄物だけではなく、洗濯時に排水に含まれる合成繊維、自動車タイヤの破片、流出した漁具など多岐にわたっている。また、インドネシアやベトナムの調査では、農村からの流出量が多いと推定されており、農村にまで廃棄物の収集対象地域を拡大していく必要がある。各国で、プラスチックの海洋への流出を防止するために、使い捨てプラスチックの使用の抑制、川や海岸でのプラスチック・ごみの回収などの取り組みを強化してきている。地方政府も、レジ袋等の使い捨てプラスチックの使用を禁止したり、廃棄物を広域で収集・処理する取り組みが一部の地域で始まっている。本研究会では、アジア諸国、特に東南アジア諸国を対象に、海洋プラスチックの流出量が多いと考えられている背景、対策の内容、その実施状況を明らかに、さまざまな対策の効果や課題について分析する。 また、海洋プラスチックに関する新たな環境条約作りに向けた交渉が、ドイツ、エクアドル、ガーナ、ベトナムの提案で2021年から始まっている。多くの国際環境条約は、先進国が主たる排出源であり、先進国に対して義務を負わせる求める形となっているが、海洋プラスチック問題は、途上国からの排出が多く、途上国での取り組みをどう進めることができるかが課題となっている。海洋プラスチック問題に国際ルール的ルール形成に関して、地域の海洋汚染防止条約や途上国が主たる排出源となっている水銀汚染に関する水俣条約を参考にしながら論じる。

期間

2022年4月~2024年3月

研究代表者

小島 道一

研究成果

和文外部出版単行書, 政策担当者へのブリーフィング, セミナー・講演会