調査研究

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独裁体制改革の可能性と限界―メキシコとソ連の比較政治学(2021_1_40_002)

概要

近年、中国やロシアといった独裁体制(権威主義体制)のグローバルな伸長が論じられると同時に、民主主義の後退が憂慮されている。しかし、権威主義化が恐怖をもって語られる一方で、独裁体制において当の独裁者が実施する政治制度改革に着目した比較政治学の研究は、これまで存在しなかった。そこで申請者は、本研究課題を通じて、日本では未だに浸透しているとは言えない独裁体制に関する欧米の研究を批判的に紹介しつつ、あわせて、世界の著名な政党独裁体制であるメキシコとソ連を対象に、その政治制度改革の軌跡を中心とした政治史を記述する理論を提示し、独裁体制内部の政治力学がいかなるものであるかを示す。ここでメキシコとソ連を比較分析の対象とするのは、メキシコとソ連という大きく異なる独裁体制の間に、類似のパターンが存在する限りにおいて、メキシコとソ連のマクロな差異を無視できるからである。

期間

2021年4月~2022年3月

研究代表者

豊田 紳

研究成果

和文外部出版単行書