調査研究

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中台関係のポリティカルエコノミー(2020_2_40_006)

概要

中国は1990年代以来、台湾統一に向けた戦略の一環として、「経済をもって政治を囲い込む戦略」――台湾の対中経済依存度を高めて台湾に対する政治的影響力を強め、統一に有利な環境を醸成しようとする戦略――を展開してきた。本研究では、主に台湾側の視点から、中国による経済利益の操作を通じた台湾に対する政治的影響力の行使のメカニズムとその実態、これに対する台湾社会の反応等を分析する。複数の事例分析を通じて、中国が、台湾の政治アクター、経済アクターとの間でパトロン・クライアント関係を形成し、これを通じて台湾に対する経済手段を通じた政治的影響力の行使を試みてきたこと、しかしその効果は市場メカニズムの作用や台湾社会からの反発により制約を受けてきたことを示す。

期間

2020年4月~2022年3月

研究会メンバー
[ 主査 ] 川上 桃子
研究成果
  • 和文書籍外部出版