シンガポールにおける後継首相の決定プロセスと今後の展望

調査研究報告書

久末 亮一

2019年3月発行

表紙  (200KB)

シンガポールは1965年の独立以降、人民行動党(PAP)の圧倒的優勢による政治的安定を基礎に社会・経済の発展を実現して、世界でも有数の富裕な国家となった。言い換えれば、PAP体制による政治的安定は国家の基本であり、その持続を保障する指導体制の円滑な世代交代も、周到に準備・実行されてきた。本稿では、過去の首相交代・政権継承の経緯と背景を分析した上で、2018年に決定した現在のリー・シェンロン首相の後継者決定プロセスを、新しい「第四世代」指導層の台頭と共に描き、今後のシンガポール政治の方向性を展望する。