援助と住民組織化  

経済協力シリーズ

No.205

途上国の自立的発展には不可欠とされる住民組織。これを外部者が計画的に組織化することの意義と問題点を事例に基づきつつ多面的に検討する。

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■ 援助と住民組織化
佐藤 寛  編
■ 3,080円(本体価格 2,800円)
■ A5判
■ 274pp
■ 2004年3月
■ 品切れ

CONTENTS

はじめに / 佐藤 寛

問題の所在

第1節 本書の考察対象

1.住民組織の定義

2.組織化の契機

3.目的の共有度

第2節 なぜ「組織化」が必要なのか

1.一般的な組織化の機能

2.受け皿のための組織化

第3節 受け皿組織の機能

1.受け皿組織の効率機能

2.エンパワーメントのための組織化

3.受け皿組織の前衛機能

4.参加の「場」としての受け皿組織

5.ドナーの広報活動のための組織

第4節 外部者の働きかけ

1.ターゲットグループの範囲

2.ソーシャル・プレパレーション(根回し)と組織化

3.ソーシャル・プレパレーションのない組織化

4.再現可能性(Replicability)

5.「モデル村落」の意味

第5節 住民組織化の限界

1.組織化と排除性

2.外部者が働きかけた組織は脆弱である

3.外部者の役割「狂言回し」か「触媒」か

はじめに

1.治安の悪化とコミュニティー

2.政府の認識

3.女性の労働市場参加と身体の安全

第1節 英領期の住民組織化とコミュニティ—エリートによる農村への接近

1.協同信用組合運動

2.農村復興運動

第2節 パキスタン期—コミュニティー開発アプローチの時代

1.V-AID(1953~61年)

2.コミラ・モデル

第3節 独立後—コミュニティー・アプローチからターゲット・アプローチへ

1.政府によるコミラ・モデル=;総合農村開発計画の普及

2.NGOの住民組織化

第4節 ターゲット・アプローチによる住民組織とコミュニティーの断絶

第5節 むすびにかえて—開発、住民、コミュニティーの一体性を求めて

はじめに

第1節 住民組織の類型と組織化プロセス

第2節 ネパールにおける住民組織の変遷と開発援助

1.Dhukor(Dhikur)

2.Guthi

3.Parma

第3節 NGOによる住民組織化の事例

1.森林管理プロジェクト

2.カマイヤ支援プロジェクト

3.コミュニティー活動支援プロジェクト

おわりに

はじめに

第1節 サンパウロの都市貧困層の住宅事情と住宅政策

1.サンパウロの都市貧困層の住宅事情

2.サンパウロの都市貧困層向け住宅政策

第2節 都市貧困層向け住宅政策「自主管理ムチラン」

1.労働者党のエルンジーナ市長(1989~92年)

2.自主管理ムチランの仕組み

3.自主管理ムチランの実施プロセス

4.数量的実施結果—潜在住宅需要との比較

第3節 サンパウロの住民組織と「自主管理ムチラン」—住宅運重力連盟

第4節 「自主管理ムチラン」で組織化されたのは誰か

おわりに—ブラジルの都市社会の変化と住民組織

はじめに

1.社会開発援助における住民組織化の重要性

2.途上国の保健医療プログラムと住民組織化

3.フィリピン・イエメンでの住民組織化

第1節 フィリピンの事例

1.医薬品ニーズとユーザーフィー

2.コミュニティー薬局プログラム

3.NGOおよび保健省によるコミュニティー薬局の比較

4.薬局の種プログラムが効果を挙げた理由

5.住民組織化によるプログラムの成果

6.フィリピンの事例から—既存組織の活用と相互の歩み寄り

第2節 イエメンの事例

1.住民保健委員会

2.住民組織化プロセスの3類型

3.事例—参加誘導型事例における住民組織化

4.組織化の直面する問題

5.円滑な組織化—うまみの認識とそれを促すコミュニケーション

まとめ

はじめに

第1節 統括組織の概念整理

1.統括組織の分析視角

2.統括組織の基本的概念

第2節 戦後日本農村の生活改善運動における実態分析—岩手県沢内村長瀬野地区を事例にして

1.対象地域の概要

2.統括組織の形成過程

3.統括組織の取り組み方法

4.統括組織の役割と限界

第3節 開発援助の現場における統括組織の実態分析—1990年代初頭のコスタリカ国先住民保護区を事例にして

1.対象地域の概要

2.開発援助の受け入れ体制における統括組織の位置づけ

3.統括組織の役割を阻害した諸要因

4.未熟な統括組織が農村開発に及ぼす影響

第4節 農村開発における統括組織の役割

1.統括組織の形成要件

2.統括組織の役割

おわりに

はじめに

第1節 村落開発援助における受益者組織への二つの期待

第2節 生活改善運動における生改グループづくり

1.生改グループの概念

2.女性グループの社会性醸成から地域の発展へ

3.学習する援助者—生改とグループ員の相乗効果の関係

4.リーダーシップの諸特徴にみる生活改善実行グループの実態

第3節 残された問題と可能性

1.国援助事業の現状における価値基盤のカイゼン

2.有志による目的グループと最貧困層へのアクセス

3.民主性は普遍的価値か

結論—根づきの組織化を目指して

はじめに

第1節 途上国農村開発における住民組織化

1.農村開発の台頭と住民組織化

2.農村開発の再燃と住民組織化

第2節 戦後日本の農村生活改善運動

1.農村生活改善運動における行政施策

2.生活改善普及事業

3.食生活改善および蚊とはえのいない生活

第3節 愛媛県O集落の「むら改造30年計画」

第4節 戦後日本の生活改善運動にみる住民組織化の諸類型

1.同志結合型組織化

2.地域網羅型組織化

3.集落網羅型組織化

第5節 考察

むすび