アジア国際分業再編と外国直接投資の役割
経済協力シリーズ
No.190
「通貨・金融危機」後のアジア国際分業構造を検討し、地場中小企業と外資系企業のリンケージ創出の課題を考察する。
■ アジア国際分業再編と外国直接投資の役割
■ 丸屋 豊二郎 編
■ 2,860円(本体価格 2,600円)
■ A5判
■ 225pp
■ 2000年3月
■ 品切れ
CONTENTS
はじめに / 丸屋豊二郎
第1節 マレーシアの工業化と外資
第2節 ベンダー育成プログラム(VDP)
第3節 ペナン技能開発センター(PSDC)
第4節 結語
第2章 外資系企業の部品現地調達と現地中小企業の下請受注インドネシアとフィリピンの事例 / 本台進
はじめに
第1節 インドネシアとフィリピンにおける日系企業の中間投入財調達
第2節 外資系企業の現地調達に影響する要因
第3節 在来型企業の新規販売ルート開拓とそのコスト
第4節 ジャワ農村機械加工集積における下請受注の展開
おわりに
はじめに──問題の所在
第1節 直接投資の流入と発展途上国
1.「スピルオーバー効果」
2.直接投資と「国際分業」
3.「国際分業」のなかの発展途上国
第2節 台湾・フィリピンの事例
1.台湾の事例
2.1990年代末におけるフィリピン経済の困難
第3節 結語─アジアの「国際分業」の変容とフィリピン経済の課題
第4章 インドネシアの自動車産業
第4章 通貨・金融危機と自由化の狭間で / 石川幸一
はじめに
第1節 インドネシアの自動車産業と通貨・金融危機の影響
1.自動車産業の概況
2.通貨・金融危機の自動車産業への影響と日系各社の対応策
第2節 部品国産化政策と国内調達の現状
1.国産化政策の推移
2.国産化の現状
第3節 新自動車政策とその含意
1.新自動車政策の背景と内容
2.新自動車政策の含意
第4節 貿易自由化とインドネシアの自動車産業
まとめ─経済協力の方向
第5章 多国籍企業の国際分業体制とAFTA 日系電子・電機産業の動向を中心に / 洞口治夫
はじめに
第1節 地域連携の経済理論モデル
1.地域連携の分類
2.古典的研究
3.応用一般均衡モデル
4.戦略的貿易政策のモデル
5.内生的成長モデル
第2節 多国籍企業の国際分業体制
1.AICO申請の特徴と動向──タイ
2.日系多国籍企業のAICOに対する認識
3.生産拠点の集約化
おわりに
1.政策の有効性
2.地域連携とWTO体制─パレート優越的な貿易体制の構築
第6章 中国華南の産業集積とアジア国際分業の再編 / 丸屋豊二郎
はじめに
第1節 中国華南の工業化と産業集積
1.「移植」された工業化
2.珠江デルタに電子・電機産業の一大集積
3.集積の発生・拡大メカニズム
第2節 変化する産業集積の内部構造
1.香港と広東の分業システ
2.外資系企業と地場企業の企業間リンケージ
3.高まる現地調達化と外資系ベンダーの活用
4.広東のボトルネックと民族系企業の台頭
第3節 グローバル・ロジステックスとアジア国際分業再編
1.グローバル・ロジステックスの展開
2.崩れる東アジアの雁行形態型国際分業
おわりに
はじめに
第1節 台湾における海外直接投資の特徴─1990年代を中心に
第2節 電子・電機産業における台湾系企業の国際分業
第3節 国際分業体制下の台湾の役割
おわりに─台湾系企業の今後の問題点
はじめに
第1節 日本合繊長繊維織物業の発展と構造
1.日本合繊長繊維織物業の発展課程
2.日本合繊長繊維織物業の生産・流通構造とその特徴
第2節 1980年代後半の日本合繊織物業の競争力低下と構造調整
1.韓国・台湾の急速な追上げ
2.円高への対応:内需中心への転換と系列関係の強化
第3節 インドネシア合繊長繊維織物業の発展と構造
1.インドネシア合繊長繊維織物業の発展課程
2.インドネシア・バンドン合繊長繊維織物業の構造
第4節 市場変化と生産・流通構造の課題
1.1990年代の市場変化──中国市場の拡大・縮小
2.日本──原糸メーカーの脱北陸化と新たな市場への対応
3.インドネシア──いっそうの発展への障害物
おわりに