開発援助とバングラデシュ  

経済協力シリーズ

No.183

「援助研究」の対象をバングラデシュ一国に絞ることで、地域固有要因と援助プロジェクトとの相互作用を、より深く理解することに焦点をあてた。

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■ 開発援助とバングラデシュ
佐藤 寛  編
■ 4,950円(本体価格 4,500円)
■ A5判
■ 372pp
■ 1998年3月
■ 品切れ

CONTENTS

はじめに / 佐藤寛

第 I 部 バングラデシュにとっての援助

はじめに
第1節 出発点:バングラデシュにとってなぜ援助が必要だったのか
第2節 経過:なぜ援助依存から脱却できないのか=援助は何をもたらしたのか
むすびにかえて——将来:援助からの独立闘争

はじめに
第1節 独立以来の対バングラデシュ開発協力
第2節 DACの開発ビジョン
第3節 DAC目標とバングラデシュへの協力
第4節 日本の開発協力とその課題

はじめに
第1節 NGOの登場
第2節 NGO開発戦略の流れ
第3節 数字で見る現在のNGOの傾向
第4節 政府との関係
第5節 多くの課題

はじめに
第1節 円借款の実績とその供与の背景
第2節 円借款の新しい対象分野
第3節 今後の円借款の方向
おわりに

第 II 部 援助と社会の相互作用——バングラデシュにおける援助プロジェクトの現場から

はじめに:バングラデシュの洪水災害
第1節 洪水制御対策と援助
第2節 FAPにみる洪水対策援助
おわりに

はじめに
第1節 ダカの都市拡大と洪水への対策案
第2節 ダカの洪水対策と日本政府の援助
第3節 コッランプル地区雨水排水対策事業後の成果と問題点
第4節 コッランプル地区の開発動向と「地域開発」のあり方
むすびにかえて

はじめに
第1節 バングラデシュの開発と技術協力
第2節 開発援助における組織制度づくり
第3節 バングラデシュ農業大学院計画の概要
第4節 組織制度づくり協力の分析の枠組み
第5節 事例分析
第6節 まとめの考察と援助へのインプリケーション
おわりに

はじめに——農村開発に対する問題意識
第1節 在地のリーダーシップと村意識
第2節 インフラの整備の効果
あとがき

第9章 住民参加型結核プログラムにおける保証金制度の役割——バングラデシュ農村における一NGOの事例 / 尾崎敬子

はじめに
第1節 BRACの結核治療プログラムの概要
第2節 調査の目的と方法
第3節 保証金支払いに関する結果
第4節 保証金の治療に与える影響
第5節 考察:BRACの成功の要因と構図

第 III 部 援助にとってのバングラデシュ

第1節 二つの農村開発政策
第2節 マイクロ・クレジット
第3節 小規模農村インフラ
結語

はじめに
第1節 なぜバングラデシュは援助されるのか
第2節 なぜバングラデシュは発展しないのか
第3節 援助研究にとってのバングラデシュ(I)—「伝説」の創生
第4節 援助研究にとってのバングラデシュ(II)—スポイルの回避
第5節 援助研究にとってのバングラデシュ(III)—ジェラシーの回避
第6節 援助研究と地域研究
第7節 モデルプロジェクトと情報の共有

補章 バングラデシュにおける青年海外協力隊の限界と可能性 / 下村奈保子

はじめに
1. JOCVの派遣実績
2. 隊員がかかえる問題
3. 隊員活動とベンガル社会
4. 政府機関のシステムの特性
5. 手工芸プロジェクトの活動実例
6. 協力隊の特性——NGOODAの間で
おわりに