タイにおける地方中核経済圏の形成 : 工業化の地方分散のために   

ASEAN等現地研究シリーズ

No.20

タイの地方中核経済圏の発展という概念を取り上げ、地域経済開発の試みを分析し、実証的な評価を加える。アジア経済研究所とタイのタマサート大学とが共同して行った現地研究の成果をまとめた。

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■ タイにおける地方中核経済圏の形成 : 工業化の地方分散のために
■ ワラコーン サーマコーセート、巻島 稔、谷口 興二  編
■ B5判
■ 163pp
■ 1994年
■ ISBN4-258-20020-4

CONTENTS

表紙・目次等

まえがき / ワラコーン・サーマコーセート、谷口 興二、巻島 稔

第1章 概観(地方中核経済圏という構想 / ワラコーン・サーマコーセート
はじめに
1. 地方中核経済圏という構想
2. なぜ地方中核経済圏なのか
3. 地域の「核」についてのタイの経験
 1.発展の歴史
 2.四つの地域の実証的事例
4. 提言
むすび

第2章 経済発展と地域開発—ミクロポリス的開発戦略の評価 / ナリス・チャヤスート
はじめに
1. ミクロポリス的開発戦略:よりバランスの取れた成長へ向けて
2. ミクロポリス的開発:構想上のいくつかの問題
むすび

第3章 工業地方分散化政策とリーディング・インダストリー / 巻島 稔
はじめに
1. 産業構造
2. 第1次~第6次国家経済社会開発計画の工業地方分散化政策
3. 第7次計画における工業開発のガイドラインと潜在的産業
むすび

第4章 所得分配と地方中核経済圏 / 谷口 興二
はじめに
1. 工業の地方導入による所得分布パターンの変動土地法中核経済圏の役割
 1.工業の地方分散化:日本の経験
 2.県(Changwat)別開発計画:タイの経験
 3.人口分布パターンの変動
 4.外国投資家の反応
2. 地方中核経済圏形成の地域の所得分配パターンに与える潜在的改善効果:シナリオ
 1.地域開発にかかわる最近の変化
 2.所得分配問題と模擬実験
むすび

第5章 地方中核経済圏—ランプーン県・北部工業団地のケース・スタディ / ルーチャイ・チュラーサイ
はじめに
 1.略史
 2.方法
1. 北タイの経済構造
 1.経済の構造
 2.地域総生産と経済成長
 3.一人当たり所得
 4.比較優位
2. 北部工業団地(NRIE)の概観
 1.立地と土地利用
 2.投資状況
3. 北部工業団地(NRIE)建設以前の変化
4. 北部工業団地(NRIE)がランプーン県の農村開発に与えた影響
 1.経済的影響
 2.社会的影響
 3.環境への影響
むすび

第6章 地方中核経済圏—チャチュンサオ県のケース・スタディ / テンオン・マンジャイトン
1. チャチュンサオ経済の輪郭
 1.物理的側面
 2.人口と就業
 3.チャチュンサオ県の経済
 4.インフラストラクチャー
2. チャチュンサオ県の工業化
 1.チャチュンサオ県の工業発展
 2.チャチュンサオ権の工業団地
 3.工業化の影響
 4.工業化期制と解決策
 5.チャチュンサオ県で高い可能性を持つ工業
むすび

第7章 地方中核経済圏—サラブリ県のケース・スタディ / スパット・スパチャラーサイ
はじめに
1. 地理的特徴
2. インフラストラクチャー
3. 経済的状況
4. 政府の役割
5. サラブリ県は開発の核になりうるか
むすび

第8章 地方中核経済圏—ナコーンラーチャシーマー県のケース・スタディ / アーラヤ・プリーチャーメータ
はじめに
1. 地域経済の動向
2. 東北タイにおける過去の開発経験
3. ナコーンラーチャシーマー県の開発状況
 1.ナコーンラーチャシーマー県の経済状況
 2.主要作物の生産
 3.工業と投資
 4.インフラストラクチャー
4. ナコーンラーチャシーマー県が地域の成長センターとなる潜在的可能性
 1.地域の都市成長センターを成功させる要因:ナコーンラーチャシーマー県のケース
 2.オールタナティブな地域開発政策とその含意
むすび