現代アフリカの土地と権力
研究双書
No.631
ミクロ、マクロな政治権力が交錯するアフリカの土地は、今日劇的に変化している。その原因は何か。近年の土地制度改革を軸に、急速な農村変容のメカニズムを明らかにする。
CONTENTS
序章 アフリカにおける土地政策の新展開と農村変容 / 武内 進一
はじめに――土地改革の時代における急激な農村変容――
第1節 1990年代以降のアフリカにおける土地改革
第2節 土地改革の要因
第3節 アフリカ農村変容の今日的特徴
第4節 土地政策の影響を理解するための枠組み
第5節 各章の紹介
はじめに
第1節 プロヴィンスにおける慣習的土地保有
第2節 農業開発を目的とした大規模土地取得
第3節 動き始めた土地改革
おわりに
第2章 ザンビアの土地政策と慣習地におけるチーフの土地行政 / 大山 修一
はじめに
第1節 ザンビアの土地制度
第2節 ベンバ王国の社会組織と農業,土地
第3節 1995年土地法とチーフL領の慣習地
第4節 新しいチーフが進める土地行政の刷新
第5節 土地割当書の取得に対する村人の新たな動き
第6節 土地割当書の取得者と周辺住民との軋轢
第7節 チーフによる土地所有証明書の剥奪と慣習地への切り替え
おわりに
はじめに
第1節 EPRDF政権の農業・土地政策
第2節 アムハラ州における土地不足と土地制度の変遷
第3節 EPRDF政権下の土地法概観――国家による土地管理制度の確立――
第4節 村落レベルでの土地管理の実態
おわりに
第4章 南アフリカにおける慣習的土地保有権改革をめぐる争点と課題 / 佐藤 千鶴子
はじめに
第1節 民主化後の南アフリカにおける伝統的指導者の復権
第2節 土地保有権改革政策とCLaRA違憲訴訟
第3節 土地配分と管理をめぐる「生きた」慣習法――旧クワズールー農村の事例から――
おわりに
課題の設定
第1節 慣習的な土地権認定のレトリック
第2節 国土利用の構想
結語にかえて
第6章 モザンビークにおける土地法の運用と政治力学 / 網中 昭世
はじめに
第1節 土地資源の管理と再集権化
第2節 土地制度改革をめぐる国際的潮流とモザンビーク
第3節 ナンプラ州モナポ郡の今日的状況
むすびにかえて
はじめに
第1節 ケニアの土地政策と紛争:KANU政権(1960年代~2002年)
第2節 KANU政権の終焉と土地問題:NARC=キバキ政権(2002~2007年)
第3節 連立政権成立と新たな土地政策:キバキ=オディンガ政権(2008~2013年)
第4節 変容する「歴史的土地不正」への取り組み:ケニヤッタ=ルト政権(2013年~)
おわりに
はじめに
第1節 近年の土地改革
第2節 政権の性格
第3節 近年の農村変容の特徴
まとめと結論
終章 近年のアフリカにおける土地改革と農村変容をどうとらえるか / 武内 進一
はじめに
第1節 各章が明らかにしたこと
第2節 1990年代以降の土地法改革をどう評価するか
第3節 政策的含意と課題