交錯する台湾社会
台湾社会はますます複雑になっている。そのまとまりは強まるのか、それとも弱まるのか。エスニシティ、アイデンティティ、市民社会・社会運動からアプローチする。
				 
							
								■ 交錯する台湾社会
								■  沼崎一郎 ・  佐藤幸人           編
								■ 5,060円(本体価格 4,600円)
								■ A5判
								■ 374pp
								■ 2012年3月
								■ ISBN978-4-258-04600-3
                                                                																							
CONTENTS
- 序章 台湾社会へのアプローチ / 沼崎一郎・佐藤幸人
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                はじめに
 第1節 経済と政治の変動
 第2節 本書の問題意識
 第3節 成果の概要
- 第1章 社会の多元化と多層化——1990年以後のエスニシティと社会階層—— / 沼崎一郎
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                はじめに
 第1節 1990年以前の二元的・二層的構造
 第2節 エスニシティの多元化と多層化
 第3節 社会階層の多元化と多層化
 おわりに
- 第2章 台湾の女性労働・高齢者労働——日韓との比較を通じて—— / 瀬地山角
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                はじめに
 第1節 女性労働のパターン
 第2節 高齢者の就業パターン
 第3節 台湾社会と少子高齢化
 むすび
- 第3章 現代台湾社会をめぐる「求心力・遠心力」と原住民——ブヌンの事例を中心とした初歩的検討—— / 石垣直
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                はじめに
 第1節 歴代政権による原住民政策史と原住民側の対応
 第2節 省議会議員選挙・国政選挙における原住民の投票行動
 第3節 馬英九政権発足後の動き
 第4節 事例——人々の語り——
 第5節 考察——「求心力・遠心力」と原住民——
 おわりに
- 第4章 台湾の本土化後にみる外省人意識 / 上水流久彦
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                はじめに
 第1節 台湾の中国化と本土化
 第2節 外省人にとっての本土化
 第3節 大陸との接触にみる外省人認識の変容
 第4節 眷村にみる台湾のなかの外省人
 第5節 韓国華僑の台湾認識から考える外省人アイデンティティ
 まとめ
- 第5章 多文化主義言説における新移民問題 / 田上智宜
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                はじめに
 第1節 新移民の歴史と現況
 第2節 台湾多文化主義言説の系譜
 第3節 族群多文化主義とその批判
 第4節 2000年以降の多文化主義言説における新移民問題
 おわりに
- 第6章 台北故宮と「中華」との距離——「建院70周年」と「建院80周年」との間の連続性と非連続性—— / 松金公正
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                はじめに
 第1節 台北故宮の法的位置と沿革
 第2節 「復院」当初の台北故宮に求められた役割
 第3節 「建院70周年」と「建院80周年」
 第4節 国民党の政権復帰と故宮
 おわりに
- 第7章 台湾系企業および台湾人企業家・経営幹部からみた台湾と中国の関係 / 佐藤幸人
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                はじめに
 第1節 分析のアプローチと調査の進め方
 第2節 台湾系企業の中国における活動と台湾との関係
 第3節 台湾人企業家および経営幹部の台湾と中国に対する見方
 むすび
- 第8章 「開発と環境」をめぐる台湾社会の変動と市民参加——公害・環境紛争と環境影響評価制度を中心に—— / 寺尾忠能
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                はじめに
 第1節 民主化の進展と環境保護運動
 第2節 「自力救済」による紛争解決の問題
 第3節 環境影響評価制度の形成過程
 第4節 環境影響評価制度の概要
 第5節 中部科学工業園区の環境影響評価
 まとめ——「開発と環境」をめぐる台湾社会の変動と市民参加——
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                第9章 社会運動,民主主義の再定着,国家統合
 ——市民社会と現代台湾における市民的ナショナリズムの再構築(2008~2010年)—— / 呉叡人(若畑省二訳)
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                はじめに——「台湾における遠心力と求心力の問題」とは何を指すのか——
 第1節 問題意識と論証
 第2節 論証(1) 市民社会と民主主義の定着——政権に対する牽制と有権者の政党支持変化の動態的過程——
 第3節 論証(2) 市民社会と政治的正統性の再建
 ——社会運動,進歩的パトリオティズム,および台湾の市民的ナショナリズムの再構築——
 むすび——自由と共同体の弁証——
 
                 
            