ポスト・エドサ期のフィリピン
アジアにおける民主化のさきがけであったフィリピン。その民主化後の約20年はどう評価されるだろうか。民主主義の定着と自由主義的経済改革の相互関係を軸に読み解く。
CONTENTS
序論 / 川中豪
第1節 研究の背景と目的
第2節 本書の構成
はじめに
第1節 民主主義の定着と自由主義的経済改革
1.民主主義の定着と自由主義的経済改革
2.定着と改革の並行
3.定着と改革に影響を与える要因
第2節 ポスト・エドサ期のフィリピン
1.フィリピンにおける民主主義の定着と自由主義的経済改革
2.政権ごとの進展状況
3.定着と改革の関係を規定する要因
むすび
第2章 民営化—「小さな政府」のコスト- / 鈴木有理佳
はじめに
第1節 経緯と進捗状況
1.開始時の環境
2.売却対象と進捗状況
第2節 進展した要因
1.政府所有資産および企業
2.公益事業
第3節 民営化の特徴-公益事業を中心に-
1.政府保証
2.料金設定
3.司法と議会
おわりに
はじめに
第1節 ポスト・エドサ期のフィリピン金融・銀行業
第2節 金融・銀行政策形成に影響を及ぼすアクター
第3節 マルコス政権下での金融危機
第4節 アキノ政権期の金融・銀行業-危機からの回復-
第5節 ラモス政権期の金融・銀行業-改革と成長-
第6節 エストラーダ・アロヨ政権期の金融・銀行業 -通貨危機後の長引く停滞-
1.通貨危機直後の影響とその対応
2.エストラーダ政権
3.第一次アロヨ政権
結びにかえて-金融・銀行業の安定化と問題点-
第4章 司法の役割-民主主義と経済改革のはざまで- / 知花いづみ
はじめに
第1節 ポスト・エドサ期の司法の特徴
1.ポスト・エドサ期における主な変化
2.代表的な判例と司法審査
第2節 積極的な司法を生み出す要因
1.制度的要因
2.法曹家の思想的潮流
おわりに
第5章 未完の社会改革-民主化と自由化の対抗 / 太田和宏
はじめに
第1節 労使関係
1.民主化直後の制度設計
2.労働政策
3.雇用構造
4.労働運動
5.小括
第2節 農地改革
1.制度設計過程
2.包括的農地改革法
3.農地分配
4.農村部の貧困解消
5.小括
第3節 貧困対策
1.アキノ,ラモス期の貧困政策
2.エストラーダ,アロヨ期の貧困政策
3.社会改革アジェンダ
4.貧困状況の変化
5.小括
むすび