民主化時代のインドネシア -政治経済変動と制度改革-
民主化時代に足を踏み入れたインドネシアはどこへ向かうのか。スハルト政権崩壊後の政治経済変動を多角的に描き出し、歴史的視点からの分析と今後の展望を試みる。
■ 民主化時代のインドネシア -政治経済変動と制度改革-
■ 佐藤 百合 編
■ 5,170円(本体価格 4,700円)
■ A5判
■ 432pp
■ 2002年3月
■ 品切れ
CONTENTS
まえがき / 佐藤 百合
第1章 インドネシア史における「改革の時代」 / 佐藤百合
はじめに
第1節 五つの時代区分、三つの視点、三つのアプローチ
第2節 政治体制、経済体制、国家-社会関係の歴史的変遷
第3節 スハルト体制変容期に何が起きていたか
第4節 「改革の時代」に何が起きているか
第5節 「改革の時代」の歴史的位置づけと今後の行方
はじめに
第1節 1945年憲法の制定
第2節 1945年憲法と権威主義体制
第3節 民主化と1945年憲法
第4節 1945年憲法の変容と「議会優位型大統領制」における政治
おわりに
〔資料〕 1945年インドネシア共和国憲法全文
第3章 ポスト・スハルト時代の政党政治—変化と連続性— / リザル・スクマ(川村晃一訳)
はじめに
第1節 インドネシアにおける政党政治——政党の興亡
第2節 複数政党政治の復活——変化と連続性
第3節 ポスト・スハルト体制期における政党政治の力学—イデオロギー闘争かプラグマティズムか・・・
第4節 イスラム政党の統一を形成するうえでの問題—政党政治と民主化移行における課題
おわりに
第4章 支配から参加へ—民主化適応の国軍政治— / 本名純
はじめに
第1節 国軍の政治介入——史的発展
第2節 軍内対立と民主化対応
第3節 スハルト政権下の国軍政治
第4節 ハビビ政権下の国軍政治
第5節 アブドゥルラフマン・ワヒド政権下の国軍政治
第6節 展望と課題
第5章 地方分権化と国民国家形成 / 松井和久
はじめに
第1節 地方行政の歴史的展開
第2節 せめぎ合う中央と地方——資源をめぐる適正利益配分問題
第3節 地方分権化の現状と問題点
第4節 学習機会としての地方分権化
はじめに
第1節 インドネシアの経済政策——なぜ「経済所有構造への介入政策」か
第2節 経済所有構造への介入政策の歴史的展開
第3節 ポスト・スハルト時代における経済再建政策と所有再編
第4節 所有再編の現状と政策課題をどう捉えるか
第7章 工業化の軌跡 / 石田正美
はじめに
第1節 分析の視点と工業化の指標および統計データ
第2節 全産業における製造業の位置づけ
第3節 力強い輸入代替工業化と広範な輸出指向工業化(1971~85年)
第4節 輸出指向と選別的な輸入代替の時代(1985~90年)
第5節 輸出指向化の減速・後退と輸入代替化の復活(1990~95年)
第6節 経済危機を通じた産業構造変化(1995年~99年)
第7節 まとめと今後の展望
第8章 金融部門の形成と構造変化 / 武田美紀
はじめに
第1節 金融部門に関する政策の変遷
第2節 金融市場の反応
第3節 商業銀行の財務指標分析
おわりに