民族主義とイスラーム —宗教とナショナリズムの相克と調和—
世界各地で民族に基づく紛争が頻発しているが、中東政治にイスラームという要素はかかせない。中東に広がる宗教復興は一種のナショナリズムなのか。理論と実証両面から探る。
■ 民族主義とイスラーム —宗教とナショナリズムの相克と調和—
■ 酒井啓子 編
■ 2,970円(本体価格 2,700円)
■ A5判
■ 234pp
■ 2001年3月
■ 品切れ
CONTENTS
まえがき / 酒井 啓子
第1章 宗教とナショナリズム概論 / 酒井 啓子
はじめに
第1節 共同体組織論理としての宗教とナショナリズム:その相反性と相互利用性
第2節 現代欧米研究者のナショナリズム分析における宗教の位置づけ
第2章 中東・アラブ世界における民族主義と宗教 / 酒井 啓子
第1節 アラブ民族主義概観
第2節 アラブ民族主義における世俗主義・イスラーム認識
第3節 アラブ民族主義者の「反省」?
第4節 結語
第3章 イスラーム世界における政-教関係の二つの次元 / 池内 恵
はじめに
第1節 政教関係の分析枠組み
第2節 国家社会関係としての政教関係
第3節 規範理念と現実政治の関係としての政教関係
むすびに
第4章 トルコ共和国成立期の「国民」(millet)概念 / 粕谷 元
はじめに
第1節 いかなる国家の「国民」か
第2節 議会内の議論および規約,声明などにみられる「国民」概念
第3節 クルド人の独立戦争参加の実態
第4節 議論および言説の変化(多民族国家論から単一民族国家論へ)
おわりに
第5章 イラク・アラブ民族主義思想における宗派主義とそれへの批判 / 酒井 啓子
はじめに——イラクにおけるフセイン独裁政権の起源をめぐる議論
第1節 シュウビーヤ論をめぐって
第2節 ハサン・アラウィのイラク民族主義批判
結語にかえて
第6章 「バアスの精神的父」ザキー・アル=アルスーズィー / 青山 弘之
はじめに
第1節 アルスーズィーの生涯
第2節 アルスーズィーのバアス主義
第3節 バアス主義の政治イデオロギーへの発展:アルスーズィーからアフラクへ
第4節 政治の手段としてのバアス主義
結び
関連出版物
研究双書No.427「国家・部族・アイデンティティー-アラブ社会の国民形成」
トピックリポートNo.45「テロと戦争のもたらしたもの」
トピックリポート No.29「イラク・フセイン体制の現状-経済制裁部分解除開始から一年」
- DPS No. 1 “Social Protests and Nation-Building in the Middle East and Central Asia”