都市の誕生  —太平洋島嶼諸国の都市化と社会変容—

石器時代の只中に突如出現した都市。太平洋に展開される都市をめぐる憧憬と悲惨、光と闇、物質と精神の相克の中から生まれてくる新たな文明の形を通して、都市の根源に迫る

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■ 都市の誕生 —太平洋島嶼諸国の都市化と社会変容—
■ 熊谷圭知・ 塩田光喜  編
■ 4,400円(本体価格 4,000円)
■ A5判
■ 356pp
■ 2000年12月
■ 品切れ

CONTENTS

はじめに
私のパプアニューギニア都市との出会い
第1節 太平洋島嶼国の都市は、「都市」なのか?—第三世界都市論再考—
第2節 太平洋島嶼国における植民地化と都市化の特質
第3節 太平洋島嶼国の国家形成と、グローバル化にともなう都市の位置性の変容
第4節 太平洋島嶼国の都市化研究の視点—メラネシアの場合—
第5節 本書の構成とその視座
参考文献

はじめに
第1節 植民地都市としてのポートモレスビー
第2節 ポートモレスビーの都市空間の構造とその変化
第3節 ポートモレスビーの「インフォーマル・セクター」
第4節 セトゥルメントの実態と都市移住者の生活様式
第5節 都市空間をめぐる権力と住民の「闘争」
むすびにかえて:パプアニューギニアにおける都市-農村関係と研究者の「位置性」
参考文献

はじめに
本章の企図とその背景
第1節 ニューギニア高地への白人の到来
第2節 インボング族における石器時代の終焉と「近代化」
第3節 インボング族エリートの誕生
第4節 サイモン・アペの興亡
第5節 ウィンディ兄弟の勃興
第6節 インボング・ビジネスマンの世代交代とその特質
第7節 都市におけるバイブル・チャーチとインボング族
第8節 ウィワ・コロウィ総督の「膝折り作戦」
結論:都市文化形成におけるビジネスと福音
補遺:都市化の比較文化史(ヨーロッパ中世都市との比較において)
参考文献

はじめに:問題の所在
第1節 タウンに展開するマアシナ・ルール運動
第2節 パリアウ運動と新たな生活世界の希求
おわりに
参考文献

はじめに
第1節 トンゴア島民
第2節 ポートヴィラ
第3節 病因論の実際
第4節 邪術の偏在する都市
第5節 経済的側面と邪術
第6節 他者性と邪術
第7節 未知性と邪術
第8節 邪術の存亡に関する語りの現在性
おわりに
参考文献

はじめに
第1節 メゾ・レベル分析
第2節 州都コロニアの発達と島嶼間関係の変容
第3節 州都コロニアへの人口移動
結語
参考文献

はじめに
第1節 フィジー諸島の都市形成
第2節 スヴァの都市化とフィジー系都市住民社会の形成
第3節 都市住宅政策の展開と住環境の変化
第4節 都市住民社会の変容
まとめにかえて:伝統的相互扶助社会終焉の萌芽
参考文献

はじめに
第1節 ニュージーランドの人口構成と都市化
第2節 都市の形成オークランドの場合
第3節 都市に生きるマオリ
第4節 都市の諸相都市マオリのアイデンティティ
おわりに
参考文献

はじめに
第1節 太平洋島嶼社会の都市研究
第2節 ラパハ:ヌクアロファに先行する原初国家の中心
第3節 ヌクアロファの起源
第4節 ポートタウン=ヌクアロファの形成と発展
おわりに
参考文献