中央アジア : 市場化の現段階と課題  

ウズベキスタンの市場経済化の分析に重点を置きつつも、カザフスタンやキルギスに関する論考も含め、中央アジア全体の経済の移行を分析する。96年刊「中央アジアの市場経済化」の続編。

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■ 中央アジア : 市場化の現段階と課題
■ 清水 学  編
■ A5判
■ 299pp
■ 1998年3月
■ 品切れ

CONTENTS

はしがき / 清水 学

はじめに
第1節 ウズベキスタンの市場経済化の概要
 1.経済改革プログラムの実施状況
 2.改革の特徴
第2節 通貨の導入と為替レート
 1.独自通貨スムの導入と為替レートの推移
 2.複数為替レート体系の現状
第3節 複数為替レート発生の背景と問題点
 1.背景
 2.複数為替レートが提起する問題点
第4節 改革の教訓とその政策的インプリケーション
おわりに

はじめに
第1節 工業部門管理機構の再編過程
第2節 体制転換期の政府 —企業間関係 事例研究
第3節 企業行動に関する実証分析
結語

はじめに
第1節 中央アジア5カ国の農業概況
 1.旧分業システムからの脱却と食糧自給
 2.各国農業を取り巻く諸条件
第2節 ウズベキスタンにおける農業民営化の現状と問題点
 1.民営化の進行状況
 2.農業形態別の現状
 3.経営主体別の農業生産の動向
第3節 小麦策への転換の問題点
 1.食糧自給政策
 2.持続的な農業
 3.比較生産性および収益性
 4.今後の方向性
第4節 農産物の加工・流通および資材供給の現状
 1.農産物の加工・流通
 2.農業用資材の供給
第5節 農業生産のサイクルと資金供給
 1.綿および小麦生産への資金供給
 2.被統制作目への資金供給
 3.資金供給システムの評価と問題点
まとめ

第1節 カザフスタン農業の民営化と生産性
 1.カザフスタン農業の生産性
 2.経営形態と土地生産性
第2節 小麦農場の生産効率
 1.アクモラの小麦生産農場
 2.規模の経済と独立自営農の効率性
第3節 生産要素の配分効率の検討
 1.モデル
 2.データと推定結果
むすび

はじめに
第1節 経済統合問題をめぐるCIS諸国間の動向(1991~97年)
 1.旧ソ連諸国間関係の弱体化
 2.関係の見直し
 3.中央アジア諸国の統合への動き
 4.ロシアの対CIS外交の強化
 5.「関税同盟」および「ロシア・ベラルーシ連合」の創設
第2節 ナザルバエフ大統領の外交戦略
 1.ナザルバエフ大統領の「ユーラシア連合」構想
 2.カザフスタンにおける対ロシア関係の重要性
 3.「多段階の統合」への転換
第3節 CIS経済統合実現の諸問題
 1.無理な目標設定
 2.ロシア主導への反発
 3.複雑な構造
 4.「単一経済圏」がかかえる問題
おわりに

はじめに
第1節 カスピ海の石油・ガス開発
 1.ザカフカース石油前史
 2.アゼルバイジャンとカスピ海油田
 3.カザフスタンの石油
 4.トルクメニスタンのガス開発
 5.ウズベキスタンのガス
第2節 エネルギー資源生産における現実の諸問題
 1.生産・輸出の停滞
第3節 各種パイプライン構想と政治的経済的背景
 1.ロシア・ルート依存からの脱却
 2.パイプラインとイラン問題
 3.イランを避けるルート
第4節 新たな地域統合に向けて
おわりに

第1節 ロシア帝国、ソヴェト連邦期の中央アジアのロシア人
 1.ロシア人による中央アジア征服と革命
 2.ソヴェト期中央アジアにおけるロシア人
 3.ソ連およびロシア共和国におけるロシア人
第2節 連邦解体後の中央アジアのロシア人
 1.概観
 2.カザフスタンとキルギスタン
 3.ウズベキスタンとその他の2カ国

第8章 社会主義政治・経済体制からの脱却 -エジプトとハンガリーの比較試論 / 鹿島 正裕

はじめに
第1節 1960年代後半の社会主義体制
 1.政治体制
 2.経済体制
第2節 1990年代の脱社会主義化
 1.政治体制
 2.経済体制
むすび

はじめに
第1節 財政危機と延期された経済改革
第2節 公共部門の形成と拡大
 1.官僚機構の拡大
 2.公共部門の形成とそのテクノクラート的性格
 3.コーポラティズム的な利益集団の編成
 4.公共部門の拡大と福祉国家の追求
 5.公共部門のかかえた諸問題
第3節 公共部門の再編と利益連合
 1.公共部門の再編に関わる法的な変化
 2.持続する官僚機構と公共部門の拡大
 3.公共部門の経営者層と官僚エリート
 4.労働組合
 5.民営化と実業家(経営者)
むすびにかえて