アジアの国際労働移動
オイルショック以降に生じたアジアからの労働移動は現在では定着したかに見える。本書は出稼ぎの過程で生じる諸問題について、送り出す側、受入れ側の実態と分析、今後の展望も添えてまとめたもの。
■ アジアの国際労働移動
■ 矢内原 勝 ・ 山形 辰史 編
■ A5判
■ 312pp
■ 1992年12月
■ 品切れ
CONTENTS
まえがき / 矢内 原勝 ・ 山形 辰史
序章 国際労働移動の実態とその分析 / 矢内原 勝
はじめに
第1節 特定商品生産拠点への労働移動
第2節 移動の要因と実態の変化
第3節 国際経済理論による分析
第4節 日本の政策
第1部 労働者送り出しの実態と政策
第1章 中国 / 石井 知章
はじめに
第1節 労働力輸出の歴史
第2節 労働力輸出の形態とこれまでの実績
第3節 労働力輸出の実際とその問題点
第4節 今後の労働力輸出戦略
おわりに
第2章 フィリピン / 山形 辰史
第1節 国際人口移動の歴史とその背景
第2節 第1次石油ショック以降の国際労働移動
第3節 海外出稼ぎの制度的側面
第3章 タイ / 山形 辰史
第1節 海外出稼ぎ前史
第2節 中東への出稼ぎ
第3節 海外出稼ぎ管理政策
第4章 パキスタンの海外労働移動概観 / 深町 宏樹
第1節 基本的政策
第2節 出稼ぎ労働者数と職種
第3節 海外出稼ぎ労働のパキスタン経済に対する影響
第4節 その他のインパクト
第5節 現状と若干の展望
第5章 バングラデシュの労働力移動 / 長田 満江
はじめに
第1節 バングラデシュの国際労働力移動の現状
第2節 国際労働力移動の背景
第3節 国際労働力移動のインパクト
第4節 国際労働力移動に対する政策
第6章 スリランカ / 中村 尚司
第1節 多民族社会で暮らす人々の多様な文化
第2節 非市場的な生業と価格で評する産業
第3節 独立後の経済政策とIMF・世界銀行主導の構造調整
第4節 出稼ぎ労働者の増加
第5節 海外出稼ぎと社会問題
第7章 中東 / 畑中 美樹
第1節 労働移動の全般的特徴
第2節 エジプト
第3節 イエメン
第2部 労働者受け入れの実態と政策
第8章 香港 / 山越 徳
第1節 香港の外国人労働力3区分
第2節 香港の外国人労働力への対応と政策
第3節 1989、90年の外国人労働力導入政策
第9章 台湾 / 劉 文甫
はじめに
第1節 労働力不足の実態と原因
第2節 不法外国人労働者の流入
第3節 外国人労働者の導入と管理
第4節 大陸籍労働者問題
第5節 外国人労働者問題に対する取締まり
第6節 外国人労働者導入の産業に対する影響
第10章 シンガポール / 山越 徳
第1節 経済発展と雇用
第2節 シンガポール経済と外国人労働力
第3節 シンガポールの外国人労働力
第4節 雇用主側からみた外国人労働力雇い入れの状況
第11章 中東 / 畑中 美樹
第1節 移動労働者受け入れの歴史とその背景
第2節 移動労働者の推移
第3節 出身地・国からみた移動労働者の特徴
第4節 労働法の基本的特徴
第5節 労働力の自国民化の現状
第12章 日本 / 高宅 茂
第1節 受入れの制度 -在留資格制度
第2節 受入れの範囲
第3節 いわゆる単純労働者の受入れの問題
第4節 受入れの状況
第5節 不法就労問題
終章 国際労働移動とアジア諸国の経済発展 / 山形 辰史
第1節 国際労働移動と送り出し国経済
第2節 国際労働移動と受け入れ国経済
第3節 まとめ
1. 送り出し国
韓国/インドネシア/マレーシア/ベトナム/インド/イラン
2. 受け入れ国
日本/韓国/ブルネイ/