ビオレンシアの政治社会史  若き国コロンビアの“悪魔払い”

アジアを見る眼

No.113

南米のコロンビアは「世界屈指の危険な国」「暴力が横行する国」「麻薬、誘拐、殺人の国」などマイナスのイメージにつきまとわれている。しかし、一度訪れる人ならだれでも好きになる国だという。なぜ汚名を着せられてしまったのか。大使として三年間を当地で暮らした筆者は、政治史、社会史の両面からコロンビアの真実の姿を説き明かしその謎を解いていく。コロンビアに関する通説を徹底的に批判し、南米で最も進んだ民主主義国であることを紹介する。

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■ ビオレンシアの政治社会史 若き国コロンビアの“悪魔払い”
■ 寺澤辰麿  著
■ 1,650円(本体価格 1,500円)
■ 新書判
■ 299pp
■ 2011年11月
■ ISBN978-4-258-05113-7

CONTENTS

1 人口、民族、地勢、歴史など
2 地理的条件、人口の動態と社会経済構造

1 ビオレンシアの意味
2 ビオレンシアの分類

1 二大政党制の起源と特徴
2 政治的ビオレンシアの原因はなにか?
3 政治的ビオレンシアの個別要因
4 コロンビアの政治史の特質

1 極左ゲリラの出現
2 その他のゲリラ組織
3 パラミリタリーの出現
4 コロンビアの麻薬生産と密売組織の出現
5 FARCの勢力盛衰と麻薬
6 コカインの生産構造とコカイン対策
7 ゲリラ戦争、麻薬戦争の勝算はあるか

1 一般犯罪の原因に関する通説的見解
2 19世紀以前の一般犯罪の状況
3 20世紀以降の一般犯罪の状況
4 犯罪要因の理論的分析
5 貧困と満足度
6 一般犯罪に関する通説的見解の誤謬