ugandaMtn Uganda MTNウガンダ

アフリカ成長企業ファイルは2008年度~2009年度に実施した調査事業の成果です。

会社概要と沿革

創業1994年のMTN Group Limited(MTNグループ)は多国籍電気通信グループで、主にアフリカと中東21ヵ国にて事業を展開している。2008年12月末時点でのMTNの利用者は9070万人を超える。

1998年10月21日、MTNウガンダはウガンダ国内で商用サービスの提供を始めた。事業許可を取得し契約を交わしてからわずか6ヵ月後であった。その後MTNはウガンダでも有数の電気通信事業者となり、350万人以上の利用者がいる。インフラ整備(電力、交通網など)が不十分ながらもMTNは都市部の人口90%以上をカバーし、150以上の町や村、その近隣においてもサービスを提供している。

国内の所在地

MTN Uganda, 22 Hannington Road, Kampala; Telephone Numbers: +256 (0) 312 212 333, +256 (0) 312 212013, +256 (0) 312 212008, +256 (0) 312 212334

製品・サービス

MTNウガンダは固定電話と携帯電話サービスを提供する。24ヵ月未満で2500台の公衆電話機を設置し、更なる設置を求める声は高まっている。公衆電話も無線通信技術を活用しており、国内通話と国際通話の両方が可能。MTN社はグラミン財団(Grameen Foundation)と共同で「village Phone」を設置し、手頃な電気通信サービスを農村地域で提供する。

今日までMTNウガンダは、52の県庁所在地および150以上の町においてキソロ県(ルワンダとの国境に面する)からブシア県、ケニアとの国境沿いにあるマラバからスーダンやコンゴとの国境沿いにあるアルア県やコボコ県から、ルワンダとの国境に近いカバレ県からキソロ県まで国内全土をサービス圏内とする。

エリクソン社がMTNウガンダに対して、すべての技術インフラを提供している。バックアップが完備された3台の大容量交換機により、年間を通してスムーズな通信網の運営が保証されている。また、同じ技術はMTNがその利用者に提供する留守番電話、SMS、データ通信などといった付加価値サービスのすべてをサポートしている。MTNウガンダは、ハイテク機器をウガンダ国内すべての基地局にも設置している。

MTNウガンダは、ウガンダ国内では最大規模のカスタマーサービスセンターを有し、対応言語数も最多で受付時間も長く設定されている。MTN社はカスタマーサービスの窓口をShoprite Ben Liwanuka通りのLugogo Mal、中央郵便局、Crested Towers、Kikuubo支店、Jinja、Mbararaに開設した。MTNウガンダは、利用者がプリペイドの場合は123番、ポストペイドの場合は121番で問い合せをすると現地語と国際語あわせて19以上の言語で対応する。

従業員数

300名(ウガンダ国内)。

財務情報

収益:1025億ランド、2007年12月期との比較で40%増。
ウガンダにおける収益のグループへの貢献:352万ランド。

市場シェア

MTNウガンダのマーケットシェアは52%。

事業目的

「新興国市場において主導的な電気通信事業者となる」

ビジネスモデル

MTNの戦略は、吸収合併と多様化、事業規模と知的能力の活用、集中と業務改善の3本の柱からなる。MTNの試算によると、参入可能な携帯電話市場の規模は、現在の2億2000万から向こう5年間で3億8100万に拡大する。MTNはすべての市場において高い競争力を維持しており、将来、飛躍的に成長する機会を活用できる有利な状態にある。

吸収合併と多様化:昨会計年度、MTNはその事業規模と事業内容を活用しながら継続的に事業成長と収益の多様化を継続するための様々な機会を査定した。比較的ギアリングのレベルが低いため、買収に必要な資金調達能力に関しては自信を持って買収の可能性を考慮することが出来る。

既存の事業規模と知的能力の活用:MTNは強力なグローバルブランドを構築し、新興国市場においては携帯電話事業者として指導的な立場にあると認知されている。MTNのブランドは重要な差別化要因であり、より大きな成長と効率化を達成する戦略のために活用する。

集中と業務改善:必然的なデータの重要性について、業界では以前にも増して受け入れられているが、それはインフラにも重大な影響を与える。MTNは、携帯電話事業者が有意義なインターネットベースの接続を提供するようになる、来るべき時代に備えて準備を加速させた。21すべての市場においてネットワーク・インフラを次世代のインターネット・プロトコル(IP)ベースのパケット交換ネットワークへ移行させるための作業も始めた。EDGEや3Gといったネットワーク技術を活用する新世代無線機器の設置により、データ・アクセスを増大させ、通話品質を改善する。

株主・所有権益

MTNグループは、以下のウガンダ企業の実効支配株式を取得した。
ウガンダ国内で公衆電話サービスを展開するMTN Publicom Limited:100%、
ウガンダ国内のネットワーク・オペレータであるMTN Uganda Limited:95%。

政府との関係・社会貢献

事業許可に基づいてMTNウガンダは、900MHz帯および1800MHz帯を活用した第二世代デジタル移動無線通信電話サービスをウガンダ国内において提供するための建設、維持管理、運用を行う。事業許可期間は20年。最初の5年間で89,000回線を供給するのが必須条件。MTNウガンダは、ウガンダ市場において電気通信サービスを提供するに際し無線通信によるアプローチを採用、結果的に利便性が高く素早いサービスが提供できることとなった。MTNグループは初期認可料として5800万米ドルを支払っており、また、年間周波数使用料としてネットワーク事業の収益の1%が農村地域通信開発基金(the Rural Communications Development Fund)へ拠出されている。

ウガンダ通信委員会(the Uganda Communications Commission: UCC)は電気通信、放送、郵便事業を管轄する監督機関である。UCCは議会とICT省に対して責任を負う。また、事業許可証を発行する権限がある。UCCは、事業者の年間総収益に対する課徴金を資金とする。

事業者間の接続料は法律による規定はないが、商業的に交渉されている。固定電話事業者はその携帯電話部門への内部補助を行なわず、固定電話料金は上限規制に従うものとなっている。携帯電話機は輸入品で10%の税が課せられており、携帯電話の使用には30%の税金がかかる。

各事業者は、特定地域内での通話料金低額制度や秒単位の課金など、幅広いプロダクトと顧客向けオプションを提供。ピーク、オフ・ピーク、割引通話の設定がある。2008年のウガンダ国内における同社間通話と他社間通話の1分あたりの平均コストは、それぞれ309.89ウガンダ・シリング(0.15米ドル)と 379.8ウガンダ・シリング(0.19米ドル)であった。

製品開発

2009年にMTNはMobile Money Transfer(MMT=モバイル送金)をウガンダにおいて成功裏に開始し、アフリカ及び中東でも順次開始予定であると発表。「MTN MobileMoney(MTNモバイルマネー)」という名称のこのプロダクトは、便利で安全で手頃な形でMTN加入者に送金、通話料金の購入、各種料金の支払を携帯電話で可能にする。MTN社はMMTサービスをMTNウガンダおよび同グループの西・中央アフリカ(WECA)地域の事業者(カメルーン、ガーナ、コートジボワール、ナイジェリア)を通じて2008年10月から開始準備を行ってきた。

MTNウガンダの設備投資額は2008年には3倍増となり、ベーストランシーバー基地局104局を設置し、総基地局数が573局となった。