nigeriaJulius Berger Nigeria, Ltd ジュリウスベルガー・ナイジェリア

アフリカ成長企業ファイルは2008年度~2009年度に実施した調査事業の成果です。

会社概要と沿革

Bilfinger Berger AGはドイツ第二のゼネコンである。同社の起源は1890年にさかのぼり、当初は重建設会社であったが、現在では土木工学、ビル建設、産業建設、建設・運営・BOT方式プロジェクト、工業系事業、不動産事業、環境事業を手がける国際的なマルチサービスグループに成長した。1990年代初めに東西ドイツが再統一された後、ドイツの産業は回復基調を示した。その後、景気が一気に悪化したため、Bilfinger Bergerは事業の多様化と国際化に重点を移さざるを得なくなった。

同社は1975年にGrün and Bilfinger A.G.がJulius Berger-Bauboag A.G.と合併して設立された。2001年に正式名称をBilfinger Berger AG.とした。

Grün and Bilfingerは1892年に設立され、1906年に法人化された。Berger-Bauboagも1969年の合併により誕生した。BauboagはBerlinische Bodengesellschaftという名称の建設企業として1890年に設立された。同社は数千棟のアパートをはじめ、多数の銀行、商店、ショッピングセンターを建設した。Julius Bergerも1890年に創業し、1892年にJulius Berger-Civil Engineersとして法人化された。

1913年までに両社とも開発途上国に事業進出を果たした。Grün and Bilfingerは1912年にタンガニーカ(ドイツ領東アフリカ)とカメルーンで掘削作業を開始し、Julius Bergerは翌年、東南アフリカ、コスタリカ、コロンビアで道路プロジェクトのための調査を開始した。その後1975年に合併するまで、両社はアフリカ、東南アジア、西南アジア、中央アメリカ、南アメリカでの道路、鉄道、橋、ダムの開発に大きなシェアを占めるに至った。

子会社であるジュリウスベルガー・ナイジェリア(Julius Berger Nigeria, Ltd.)はラゴスにあり、1970年以来ナイジェリアの国内交通インフラの近代化事業に従事してきた。また同社は、ナイジェリアの新しい首都アブジャの設計と建設に関与している。Julius Berger AGが1965年8月にナイジェリアで初めて請け負った契約はラゴスのEko橋の建設であった。1970年にJulius Berger Nigeria Ltdは法人化され、1991年にはJulius Berger Nigeria Plcとしてナイジェリア株式市場に上場した。

Bilfinger Bergerは、関連会社のジュリウスベルガー・ナイジェリアにエンジニアリング・サービスを提供しており、専門家を派遣して、技術的商業的な専門知識の提供を通して同社の発展をサポートしている。

国内の所在地

Berger Junction, Utako District, Abuja F.C.T, Nigeria; Phone: (09) 611 0000, (09) 523 30 67 69; Fax: (09) 611-40 41, (09) 611-40 43, (09) 611-44 44

製品・サービス

ジュリウスベルガー・ナイジェリアは、主に首都アブジャとAkwa Ibom州でインフラプロジェクトを請け負っている。現在、アブジャの都市高速道路の拡張工事を行っている。政府区域では高速道路10路線と多数の交差点の拡張工事に携わっている。

安全面の問題により、同社はニジェールデルタ地域から撤退し、事業はその他の連邦州に移転された。

従業員数

15,581名。

財務情報

Bilfinger Berger AG

Julius Berger
(100万ナイジェリアナイラ) 2005年1月 2006年1月 2007年12月31日
プレス発表
2008年12月31日
プレス発表
収入 29,487.2 39,842.6 79,073.0 114,028.0
総収入 29,487.2 39,842.6 79,073.0 114,028.0
売上原価 26,266.1 34,950.9 -- 108,787.0
粗利益 3,221.1 4,891.7 79,073.0 5,241.0
販売費、一般経費、経理費の総額 2,904.2 4,271.6 -- --
その他の営業経費 -- -- 75,921.0 --
その他の営業経費の総額 2,904.2 4,271.6 75,921.0 --
営業利益 317.0 620.1 3,152.0 5,241.0
為替利益(為替損失) -163.0 217.4 -- --
その他の営業外所得(営業外費用) -- -- -- -1.0
異常項目を除くEBT 153.9 837.5 3,152.0 5,240.0
資産売却益(損失) 539.7 278.7 -- --
異常項目を含むEBT 693.6 1,116.1 3,152.0 5,240.0
法人所得税費用 306.2 489.3 1,384.0 2,732.0
継続的事業活動からの収益 387.4 626.9 1,768.0 2,508.0
純利益 387.4 626.9 1,768.0 2,508.0
異常項目を含む1株当たり純利益 387.4 626.9 1,768.0 2,508.0
異常項目を含まない1株当たり純利益 387.4 626.9 1,768.0 2,508.0

市場シェア

ジュリウスベルガー・ナイジェリアはナイジェリア最大の建築、建設、土木の請負企業である。また、ナイジェリア連邦政府から最大規模の土木工事を請け負っている。

事業目的

「我々の主な目標は、顧客に選ばれるパートナー企業になり、国内市場と国際市場の両方で優れたサービスを提供することである。」

ビジネスモデル

民間資金のコンセッションプロジェクトを獲得し、国際的に拡大して建設プロジェクトに統合的なソリューションを提供することに重点を置いている。

「わが社の長期的な企業戦略は、国内市場と国際市場でのポジションを強化しつづけることである。土木工事部門の収益を大幅に増加させることを目標に掲げている。将来的には、戦略的に極めて重要な中核領域のプロジェクトか、または収益予測が非常に高くリスクプロフィールがコントロール可能なプロジェクトだけに限定する。

リスク管理の増強と組織の効率化により、財務的成功のための適正な条件を整えた。また、建設・産業事業部の収益性を改善したいと願っている。リスクを軽減してドイツで適切なマージンを確保するため、組織の合理化を進め、事業の焦点を定め直した。わが社は企業力の観点から競争を行い、単なる価格競争には加わらない。このため、公共セクターのクライアントとのPPPおよび民間セクターのクライアントとの提携モデルに焦点を定める。

将来的にはサービス事業部門に成功の機会が見込まれる。長期的な包括協定に基づく保守修理サービスは、新しい投資が原動力となる建設事業と比べて、景気動向の影響を受けにくい。買収に関しては、今後も最高レベルの基準を適用する。コンセッション事業部のポートフォリオも拡大しなければならない。この分野に対するグループ全体の投資を4億ユーロまで増加させる目標を維持する。市場の経済危機により、新たなプロジェクトに投資することがますます困難になっている。しかし、わが社は良好なリスクプロフィールのプロジェクトのみを追究しているため、コンセッション事業の拡大の見通しは明るい。

弊社の営利事業は分権的に構成されている。個々のサブグループが独立したプロフィットセンターとして機能している。管理と監視機能は、取締役会、明確に定義されたタスクを持つ強力なグループ本社、グループ全体を対象としたリスク管理システムによって、緊密に管理されている。戦略的目標を達成するには、能力と意欲の高い人材が欠かせない。持続的成長と買収、増加する従業員数、広範な製品群を支えるため、人事部は、従業員の募集、人材の育成と保持など常に新たな課題に直面しているが、現在まで成功裡に進展している。」

株主・所有権益

同社の49%は、ドイツのBilfinger Berger AGと、ナイジェリアの2つの州政府が所有している。
The company is 49% owned by Bilfinger Berger AG of Germany and two Nigerian state governments.

政府との関係・社会貢献

2009年にナイジェリア税関(NSC)は、禁制品を輸入したとして、ジュリウスベルガーをラゴスの連邦高等裁判所に訴えた。この訴訟は検事当局とNSCが起こしたものである。訴状によると、同社は税関・物品税管理法(CEMA)に違反して、2004年に布袋とラミネート袋を積載した20フィートのコンテナを輸入した。

また2009年に、政府はジュリウスベルガーに対し、ニジェールデルタ地域での主要な道路プロジェクトの完成が不履行であったという理由で約4,200万ドルの支払いを命じた。ジュリウスベルガーは社員2名が誘拐された後、昨7月に治安の悪化するニジェールデルタ地域から撤退した。その後、同地域を東西に走る道路の再建築を開始したが、契約は打ち切られ、現在は地元の土木会社Setraco社がその仕事を請け負っている。ジュリウスベルガーの広報によると、中止されたプロジェクトについて政府との協議が続けられているという。

地元筋によると、同社は政府と極めて密接な関係を保っているため、契約を獲得する上で非常に有利であるが、ナイジェリアのビジネスの実情を考えると、非倫理的行為が行われている疑いがある。

製品開発

ジュリウスベルガー・ナイジェリアの現在の契約のほとんどは、石油・ガス産業と公共部門の顧客から請け負っている。例えば、シェブロン社の大規模なガス液化プラントの大部分を建設しているほか、ナイジェリア液化ナショナルガスの主要プロジェクトにおいて広範な補助作業を進めている。