guineaWest African Diamonds Plc (WAD) ウェスト アフリカン ダイヤモンド

アフリカ成長企業ファイルは2008年度~2009年度に実施した調査事業の成果です。

会社概要と沿革

WADはイギリスで創業された。WADは、シエラレオネとギニアにおけるダイヤモンド探査事業を行う企業である。2007年に設立された同社は、BotswanaのAK6ダイヤモンド鉱山を開発しているAfrican Diamond(AIM上場)から分岐した会社である。同社は2006年10月、African DiamondからWest African Business社を買収した。

BombokoプロジェクトでのWADの沖積ダイヤモンド鉱山は、2009年6月発足した。Bombokoは、ギニアで唯一のダイヤモンド鉱山であるAredorに隣接しており、9つの沖積層ライセンスから成る。広範囲なサンプリングによって、主に宝石品質の28cpht等級で750,000ctsの資源賦存が特定されている。2008年11月に同社は、大規模なサンプリングの結果、鉱区内で3.8カラットから9.2カラットにおよぶ4つの大型ダイヤモンドを採掘したと発表した。3,500tpmの採掘が推定され、これは35,000tpmにまで急速に拡大されるであろう。当初のダイヤモンド生産は、カラット当たり116米ドル価の品質で433カラットであった。16カラットのものは、カラット当たり1,000米ドルを超える値段で売られた。

かつてBomboko地区では、長年にわたり多くの企業が採掘にあたっていた。最初にダイヤモンドを採掘したのはSoguinex社で、同社は、ガーナのAkwatiaダイヤモンド鉱区をもつAfrican Selection Trustの子会社である。1950年代初頭には、フランスの会社BergerがBombokoに進出、Bassanで少規模鉱脈を発見して、およそ2,750カラットを採掘した。

WADは、Droujba区におよそ53km 2 の有望地域採掘権を持っている。ここには、ダイヤモンドを含んだキンバーライトが賦存し、ギニア南東部Bounoudou地区周辺のダイヤモンド二次鉱脈を伴っている。探査結果はキンバーライトの管状鉱脈1,500,000トン(1,500,000cts)、キンバーライト岩脈330,000トン(260,000cts)、沖積層鉱床400 00ctsだった。

Bounoudou地区におけるダイヤモンド鉱山は1950年代初頭に確立された。Bounoudou村に近い高品質な浅沖積鉱脈は、あっという間に、ギニア産ダイヤモンドのなかで最も多産な採掘地になった。しかしながら、1960年代初頭に国営化されたことで生産は激減、二度と回復しなかった。

1960年代初頭のソ連援助団は、Diani渓谷上流域で大規模かつ詳細なダイヤモンド探査を行い、キンバーライトを発見した。そのなかにはBounoudouキンバーライト地帯で彼らがDroujba(友情)と名付けた管状鉱脈がある。さらには近隣のGourbarakoとAvili地区でキンバーライト岩脈も発見された。

これまでの試掘と地質調査によると、Droujba鉱脈には、ラテライト鉱石崩積土の5-10m下におよそ0.85ヘクタールの不整合露頭が存在するらしい。一部では、6ヘクタール規模の管状鉱脈ともいわれている。キンバーライト管状鉱脈の地質形態に関しては不確実なことが多く、2009年から2010年にかけてさらに調査が進み、明らかにされるだろう。

Droujbaのキンバーライト鉱脈とこれに付随するKatcha岩脈に関しては、南アフリカの地球物理学者によって2007年に最新の調査が実施されている。この調査は、Droujba鉱脈の形状と規模が、当初考えられていたよりもかなり大きいらしいことを明らかにした。
A suite of the most up to date ground geophysical surveys was conducted over the Droujba kimberlite pipe and satellite Katcha dykes during late 2007 by a specialist geophysical contractor from South Africa. The key outcome of the survey confirms that the shape and size of the Droujba pipe appears to be larger than initially thought.

国内の所在地

BombokoはBomboko水系に位置する。BonbokoniとFangamadouはMeli川の氾濫原に位置する。Droujbaはギニア南東部のBounoudou地方に位置する。

製品・サービス

WAD はダイヤモンドの探査と生産を業務とする。

従業員数

159人。

財務情報

2009年4月30日までの連結損益計算書

市場シェア

ギニアの公式ダイヤモンド埋蔵量は2500万カラット以上と推定される。しばらくの間ギニアの唯一のダイヤモンド鉱山だったAredorダイヤモンド鉱山の埋蔵量は430000カラットであったが、2005年に生産を停止している。Aredorの85パーセントを所有するTrivalence Miningは、3年間生産がなかったため、2008年にライセンスを取り消された。Bombokoは750,000ctsの潜在的資源をもつ。Stellar Diamondsが保有するMandalaとOuriaの採掘許可は、それぞれ536,000カラットと144,000カラットのダイヤモンド埋蔵量をもつ。WADはStellar Diamondsに対して逆買収をしかけている。

事業目的

会社の収益を増大させ、株主にとっての価値を拡大するため、ギニア事業を拡大発展させる。

ビジネスモデル

「WADの将来戦略は、わが社の権益を継続して開発しながら、合併と買収によって成長することである。わが社は保有資金を以下に投入する:
シエラレオネとギニアの現行事業に経営資源と資金を集中的に投入する;African Diamondsに対するおよそ40万ポンド債務を返済する;シエラレオネの大規模な金・ダイヤモンド尾鉱資源の開発;シエラレオネの既存鉱山に隣接した高品質ダイヤモンド岩脈の開発;ギニアBomboko川平野に保有するダイヤモンド沖積鉱床の開発;権益鉱区での探鉱推進;西アフリカやその他地域においてダイヤモンドをはじめとする鉱物を見つけ出して獲得する。

株主・所有権益

主要株主:
3%以上の株所有者 金額 所有 %
Strand Nominees Ltd 10,080,086 11.20
FAO Marlies Smith 8,700,000 9.70
K.B. (C.T.) Nominees Ltd 8,200,000 9.10
African Diamonds plc 5,000,000 5.60
Nutraco Nominees Ltd 3,323,428 3.70

Bomboko およびDroujbaは、WADの完全所有。

政府との関係・社会貢献

ギニアにおける最近の政情不安について懸念しており、その動向を注視している。供給ラインの妨害とながびいた雨季により、若干の遅れが出ているが、WADはギニアでの開発事業を継続している。

WADの準産業鉱山許可は2005年1月ギニア鉱業省の承認を得、2008年に更新された。

鉱業権の保有者は地表占有料金を定額および可変額で支払い、ロイヤリティと所得税、その他の税を納入する:

定額地表占有料金(ギニアフラン)
詳細 定額料金 地表占有料金(1km 2 /年額)
調査許可 Free Free
探査許可
初回 2.000.000 500
初回更新 2.000.000 1.000
二回目更新 3.000.000 2.000
譲渡 3.000.000
延長 2.500
採掘許可
初回 10.000.000 15.000
初回更新 15.000.000 30.000
二回目更新 15.000.000 40.000
譲渡 15.000.000
延長 50.00
鉱業許可
初回 15.000.000 200.000
更新 20.000.000 200.000
譲渡 20.000.000
延長 300.000
ロイヤリティ
ダイヤモンド・宝石
未カット 5-10% Sale value
カット済 2% Sale value

製品開発

2009年10月、WADがStellar Diamonds社を買収するために、African AuraのStellar Diamondsの逆買収が発表された。両社のボードはAIMに再度上場する計画である。買収に関する詳細は2009年後半に発表される。

African Aura Miningは、2009年4月のMano River Resources IncとAfrican Aura Resources Ltdの合併によってできた会社であり、Mano Riverがグループの75パーセントを保有する。それに先立つ2007年6月、Mano River ResourcesとSearchGold ResourcesはStellar Diamonds Ltd.を設立して、Mano Riverが持っていたギニア、リベリア、シエラレオネの権益100%と、SearchGoldが持っていたGuinean Diamond Corporation Ltd.株の50%を引き継がせた。Bouro/Mandala の沖積鉱床プロジェクトはGuinean Diamond Corporation Ltd.が保有していたものである。Stellarはまた南アフリカのDe Beersグループと、同社のギニア地域データベースへのアクセスを取得することで合意した。