ethiopiaKaruturi Global Limited カルトゥリ・グローバル社

アフリカ成長企業ファイルは2008年度~2009年度に実施した調査事業の成果です。

会社概要と沿革

Karuturi Global Limitedは、エチオピア、ケニヤ、インドで事業を展開する、世界最大のバラ切り花生産輸出業者である。1994年創業。250ヘクタールにおよぶ温室栽培農地で、毎年5億本のバラ茎を産出している。花卉栽培において強力な基盤を形成したのち、現在では幅広い事業を展開しており、世界的な総合農産品企業になっている。同社はエチオピアに広大な土地を取得して、穀類、換金作物、生鮮野菜などの農業品を栽培、輸出している。

Karuturiは2004年にエチオピアで事業をスタートさせた。100%子会社であるEthiopian Meadows Limitedを通じてアディスアベバに2つの農場をもつ;

Holeta: 100ha、可耕面積は60ha。首都アディスアベバから40km。
Wolisso: 385ha、可耕面積は200ha。アディスアベバから90km。

いずれも全て温室栽培。2006年に中東、オランダ、ロシア向け切花輸出を開始した。2009年度でエチオピアでは100haが完全利用されている。バラ用に新たに取得した385haのうち25haは2009年度中に、残りは2010年度中に操業体制に入る。

さらに同社はGambella州Etangに、ヤシ、サトウキビ、コメ農場を、Oromia州Bakoにトウモロコシと野菜農場をもつ。

国内の所在地

Ethiopian Meadows Plc: Kebele 03/05, House No.2112, Addis Ababa, Ethiopia: Tel: +251-116632437 / 38 / 39

Holleta Unit: Sadamo Kebele, Wolmera Woreda, West Shoa Zone, Oromia Regional State; Tel: +251-0112372500 / 01 / 09

Wolesso Unit: Maro Bariyo & Haile Mariam Kebele, Woliso District, Shouth west Shoa zone; Tel: +251-0113305754 / 55 / 56

製品・サービス

エチオピアにおける花卉栽培、穀物、サトウキビ、ヤシ油、生鮮野菜の生産。

従業員数

3,000名(エチオピア)。

財務情報

企業統計

これは、Karuturi Global Ltdとその100%保有子会社であるEthiopian Meadows Plc、Flower Express FZE、Karuturi Telecom Private Limitedの連結財務表であり、以下に基いて作成されている。

a) Institute of Chartered Accountants of Indiaが発行するConsolidated Financial StatementsのAccounting Standard (AS) 21に準じ、グループ内決済やグループ内取引を完全に除いた後、資産、負債、収入、支出の帳簿価格を項目ごとに加算して連結される。
b) 未統合の海外事業を行う海外子会社の場合、収入は年平均為替レートを使って連結する。資産と負債は年末の為替レートで換算する。連結の際発生する為替差は、外国為替変動準備金として処理する。
c) 子会社取得時の純資産と投資額の差は、営業権、或いは資本準備金として処理する。
d) 連結財務表は、類似の取引やその他の用途のため、統一的な会計方式を用いて作成し、各社の財務表においても同じ方式を用いる。

収入と収益率の分割

Karuturiの生産拠点

ドバイ拠点のKaruturi Overseas Ltd (KOL)がエチオピアにおけるKaruturi Global Ltdの事業を統合する。エチオピアにおけるバラ栽培面積は70haで、約9,200万本のバラ茎が生産されている。2007-08年度においてKOLは、売上高10億7,000万ルピ、純利益4億1,000万ルピと報告している。

市場シェア

Ethiopian Meadows Plcはエチオピア最大の花卉生産企業である。2007年におけるエチオピアのSher Agenciesの買収後、Sher Karuturiが世界最大のバラ生産企業になった

事業目的

農業部門における総合グローバル企業にKaruturiを成長させる。そのために、エチオピアを中心とするアフリカの、膨大な農業事業機会を開発する。

ビジネスモデル

「環境に配慮した室内プランテーション、栽培、流通を含む統合的な生産モデルによって、わが社は世界で最も低コストのバラ切り花生産者となった。わが社の製品はオランダ、ドイツ、イギリス、イタリア、シンガポール、香港、台湾、バーレーン、マスカット、ドバイ、オーストラリア、日本、ニュージーランド、ブルネイ、北米といった価値の高いマーケットに輸出され、僅かではあるがインドでも販売されている。

わが社の経営戦略の鍵は、低コスト生産拠点への相乗効果を生み出すような進出と拡大、バリューチェーンの統合にあり、これによって、世界市場で先陣を取る農産品企業になった。わが社には、多様な市場で高まり続ける農産品需要に応えていける能力がある。これまで、経済的な価格で土地や労働資源を探し出して確保してきたことで、株主価値を向上させてきた。

わが社は、エンド・ツー・エンドの農業専門企業に発展することを目指している。このため、自社の生産・加工設備に見合ったかたちで花卉、園芸、農業のポートフォリオを積極的に拡大してきた。同時にわが社は、独自の流通網を介して自社製品を市場に直接送ることも目指している。わが社は投資家から1億USドルを調達しようと計画している。この増資は主に、アフリカにおける花卉栽培計画とエチオピアにおける農業事業に使う予定である。

株主・所有権益

政府との関係・社会貢献

エチオピア政府は、資本流入と技術において民間と外国の参入を推進するため、花卉、園芸、農業全般の開発を促進する政策を整備した:

  • 花卉産業への金融支援
  • 工場、機械、設備といった資本財投資について、輸入税およびその他の税金を全額免除
  • エチオピアの製品とサービス輸出について、輸出税の全額免除
  • 投資分野、輸出量、投資立地に応じ、承認済みの製造投資、農工業投資、農業関連投資について、5年間の所得税免除
  • EUがエチオピアから輸入するバラについて、輸入税免除
  • 外国投資家について、利益、配当、外国借入の元本返済と利子、技術移転料の自由送金
  • 外国投資家による資産整理時の販売額、株式や所有権の部分委譲、債務返済や国際的な支払いのための資金について、送金を認める。

製品開発

2009年にKaruturiは、Bakoに所有する11,700haの土地でトウモロコシ、コメ、野菜の生産を開始した。同社は2014-15年までに、エチオピアにおいて750,000エーカの耕作地を取得する計画である。2009年にはまたGambelaに300,000haの土地を取得した。