algeriaBNP Paribas BNP

アフリカ成長企業ファイルは2008年度~2009年度に実施した調査事業の成果です。

会社概要と沿革

パリバ銀行は銀行業務およびその他金融業務における欧州のリーディングカンパニーであり、スタンダード・アンド・プアーズの格付けによれば、世界六大銀行の一角を占めている。海外拠点数は85カ国以上と、その規模は世界有数である。フランス最大の会社であり、世界の銀行業界では第5位、ユーロ圏銀行業界では第1位の規模である(フォーブス2008年のグローバル2000)。また、同行は2008年のグローバルバンクに選ばれた(バンカーズ・マガジン)。ブランドファイナンス誌2009年2月号では、価値ある国際銀行ブランドで第7位、グローバルファイナンス誌の2009年2月号によれば、世界で最も安全な銀行ランキングでは第8位である。

パリバ銀行はBanque Nationale de Paris (BNP) とParibasの合併で2000年5月23日に誕生した。Paribasは当初Compagnie Financiere de Paris et des Pays-Bas(パリ・オランダ金融会社)であったが、1998年にCompagnie Bancaireを買収してのちはParibasに改名した。

一方のBNPはBanque Nationale pour le Commerce et l'Industrie (1932年設立) と Comptoir National d'Escompte de la Ville de Paris (1948年設立)が1966年に合併して創立され、1993年に民営化された。

1820年代初頭、Louis-Raphael Bischoffsheimがアムステルダムで銀行業を始め、彼の兄弟 Jonathan Raphaelが1827年にアントワープに支店を開設して、1836年にブリュッセルに定住した。

Louis-Raphael Bischoffsheimはフランクフルトの銀行家Hayum-Salomon Goldschmidtの娘と結婚し、1846年パリにBischoffsheim-Goldschmidt bankを創立した。1860年にはロンドンにも同銀を開設した。1869年、彼はロンドンの銀行とBanque deCredit et de Depot des Pays-Basを合併した。彼はこの銀行を他の欧州の金融業者と共同でアムステルダムにも設置した。また1869年には、AdrienDelahante, Edmond Joubert and Henri Cernuschiを含む銀行家と投資家等のグループがBanque de Parisを開設した。その本部はオペラ座に近いAntin通り3番地に置かれた。

The Banque de Paris et des Pays-Basは1872年、19世紀中期に始まった銀行産業の統合の趨勢の一環で創設された。新金融機関はBanque de Paris とBanque de Credit et de Depot des Pays-Basの合併で誕生した。

1982年フランスでは5大産業企業、登録銀行39行、金融会社2社スエズとパリバを国有化する法律が議会を通過した。それと同時に、同銀行はCompagnie Financiere de Paribas, Banque Paribasの新名称を採用した。同銀行はその後4年間国有となった。1986年に会長兼CEOに指名されたMichel Francois-Poncetは、1986年7月2日に議会を通過した法律により銀行国有化に成功した。パリバの略名をもつ新グループは1998年5月12日に正式にスタートした。同日に開催された年次株主総会でCompagnie Financiere de Paribas がCompagnie deNavigation Mixteの他Banque Paribas and Compagnie Bancaireとの合併が承認された。

2009年には、Fortis 銀行の75%株式の取得について77.65%の株主が承認し、BNP パリバはFortis銀行を取得した。BNPパリバはFortis銀行の過半数株取得により、ベルギーとルクセンブルグでの業務を併合してユーロ圏最大の預金保有者の地位を確立した。

2002年にアルジェリア子会社としてBNP Paribas El Djazairが設置された。

国内の所在地

8 Rue de Cirta Bir Mourad Rais, 16405 Hydra Algiers 16035
Telephone: +213 (0) 21 60 39 42
Facsimile: +213 (0) 21 60 39 29

製品・サービス

BNPパリバの主要業務部門は、リーテールバンキング、投資銀行業務(IB)と資産管理とサービス(AMS)の三部門であり、相互補完関係にある。

パリバ銀行のリーテールバンキング部門はグループ全体のリーテール銀行を包括する(フランス以外の4,000銀行を含めると6,000支店を数える)。その中核的業務は個人顧客に対するローン業務と企業の設備金融業務を専門とする業務である。投資銀行業務(IB)はグループの成長推進機関のひとつであり、スペシャリティファイナンスやストラクチャードファイナンス、アドバイザリー業務、コーポレートファイナンス、株式等金融商品取引業務も行う。なかでも次の三分野に注力する。(1)派生金融商品、株式資本市場、(2)債務資本市場(3)M&Aファイナンス・輸出資金・プロジェクトファイナンス・インフラ、コモディティ商品金融。

金融サービス業務は六つの相互補足業務からなる(プライベートバンキング、資産管理、オンライン預金・取引、証券業務、不動産業務、保険)。金融サービス業務は約60カ国に拠点を有し、今後の成長と顧客サービスの柱である。

また、アルジェリアBNPパリバ銀行は銀行業務、消費者金融、保険業、パーソナルローン業務を提供している。

従業員数

BNPパリバは2008年末現在で従業員17万3,188人を雇用している。アルジェリアでは300人が雇用されている。

財務情報

2009年第2四半期、1,604百万ユーロの純利益を計上した(前年同期比6.6%増、2009年第1四半期比3.0%増)。連結売上高は9,993百万ユーロ(前年同期比32.9%増)。営業費の伸び率が19.9%に抑えられた結果、営業利益は4,175百万ユーロとなった(前年同期比56.7%増)。リスク料の上昇にも拘わらず、営業利益の減少は8.6%に抑えられた。税引き前利益は2,170百万ユーロに達し、前年同期比4.6%増であった。

2009年上半期のグループの総収益は前年同期比30.6%増の194億7,000万ユーロであった。グループ全体の純利益は31億6,200万ユーロに達した(前年同期比9.3%減)。普通株1株当たりの半期純利益は2.9ユーロであった。一株当たりの年間換算利益は前年同期の15.8%に比し、11.8%に低下した。

市場シェア

アルジェリアBNPパリバ銀行は14州に49支店網を有する。同行の目標は2010~2011年までに100支店まで増加することである。

事業目的

革新的企業として、BNPパリバ銀行により築かれた優位的地位を強化すること。

ビジネスモデル

BNPパリバ銀行は多様な顧客志向ビジネスモデルを有しており、その強さは顧客フランチャイズにある。ビジネスモデルにおけるリーテールバンキングの比重は極めて高く、顧客サービス、リスク管理、資本と流動性の管理、コスト原則へのプライオリティーも高い。

2009年リーテールバンキングでは、その成長を加速させ、新規顧客のニーズに適応する商品を提供し、リスク資産を減らして営業活動を合理化するために全リーテールバンキングを統括する上部組織を創設する計画である。

投資ソリューションズ(Asset Management & Services (AMS)の新名称)が顧客に統合ソリューションズを提供し、生産性の向上を追求することを重視する統合戦略を実現していくことになる。

2009年度のパリバ銀行のコスト管理の原理は次のことに基礎をおくものである。コストの基準を2009年度の環境に適合させる。米国のプラットフォームを新興国に適用する。コスト基準(変動補償は除く)を年5%引き下げる。企業買収の選択範囲を限定する。ボラティリティの高い資産や配当へのエクスポージャーを大幅に減らす。社債のポートフォリオの割合を大幅に減らす。その結果、基準値のリスクエクスポージャーも低下する。更に、高リスク資産を減少させる。

株主・所有権益

アルジェリアBNPパリバ銀行は株式会社である。その登記資本金は200万ディナール。その全株式をBNP Paribasグループが所有する。

政府との関係・社会貢献

2006年にアルジェリア中銀の信用・通貨委員会は、アルジェリアにおける外国銀行並びに金融機関の子会社のみならず、銀行や金融機関設置についての新条件を発表した。同中銀の声明によると、この措置はアルジェリア経済のニーズに応える銀行制度設立のためである。

アルジェリア国内法によると、銀行は、合弁企業を設置する場合、設立時に資本金を全額払い込み、少なくとも100億ディナールの現金を準備しなければならない。金融機関の場合、資本金は全額払い込みで、現金を35億ディナール準備する必要がある。外国に本部を置く銀行や金融機関は支店をアルジェリアに設置しなければならない。これらの支店がアルジェリアで銀行業を実施するには上記の中銀の委員会の承認を受けなければならない。更に、銀行や金融機関をアルジェリア法で設立する場合、最低限の資本を準備する必要がある。

この資本金の準備(払込)はアルジェリアの法律に基づいて設立される銀行や金融機関の場合にも適用される。既に営業中の銀行や金融機関はこの規則が公表された日から12ヵ月以内に必要条件を満たさなければならない。なお、アルジェリア法では、銀行が自行の子会社に融資することを禁止している。

上記の信用・通貨委員会(CMC)はPopular Credit of Algeria (CPA) 及びアルジェリアBNP Paribas銀行がアルジェリア国内でそれぞれ293億ディナール、35億ディナールの資本を調達することを許可した。上記のアルジェリア中銀の声明によれば、このような資本調達は国内の銀行の状況を改善するのに資本調達が必要であること証明しているという。アルジェリアのBNP パリバ銀行は2008年に10億ディナールの資金を調達した。BNP Paribas SAもこのことを保証した。

その他に、アルジェリアのBNP パリバ銀行に対し、国際貿易金融申請の取り扱いで処理上の過失が生じたことを理由に訴訟問題が発生した。この訴訟でアルジェリア当局が損失を被ったわけではないが、同行はアルジェリア法廷に外為法違反7件の訴因で提訴された。下級裁判所はアルジェリアのBNP パリバ銀行に約2億ユーロの罰金を支払うよう命じた。その後、銀行側も提訴し、前記7件の判決の中、3件の判決は逆転した。この逆転判決には1億5,000万ユーロの罰金判決が含まれていた。他の2判決で裁判所は5,000万ユーロの罰金を是認した。

製品開発

アルジェリアのBNP パリバ銀行は2008年、健康保険を補足するプランを導入した。

全従業員は比較的低価格で高品質な相互保険プランに加入することが可能である。アルジェリアのBNP パリバ銀行はこの分野で先駆的役割を果たしており、保険料の75%を負担する。残り25%は社会保険計画と従業員が所得に比例して共同負担する 。

BNPパリバ銀行は2008年アルジェリアで13支店を開設し、22のATMをアルジェリアのBNP パリバ銀行のために設置した。また、パリバ銀行は2008年Ace Managerの導入を公表した。これは同銀にとって実際のシナリオに基づくバンキング・アドベンチャー・ゲームである。これはアルジェリアを含め26カ国で実現した。ビジネススクールや大学の大学生をターゲットにしたこのイニシアチブはBNPパリバのブランド認識を高める戦略の一貫である。これはまた全世界で多くの若者を雇用する企業の一つである同社が、若者に対するグループのアピールを強める効果もある。

2006年にアルジェリアのBNP パリバ銀行は、収益拡大のため、消費者金融を行う他のパリバ銀の子会社Cetelemの営業活動を統合した。