はじめに

国家発展・改革委員会は2月17日記者会見を開き、「浙江省の質の高い発展・共同富裕モデル区建設」の推進状況を紹介した。本稿では、その概要を紹介する。

1．国家発展・改革委員会の基本情況説明

2021年5月20日、党中央・国務院は「浙江省の質の高い発展・共同富裕モデル区建設に関する意見」を発出した。

これは、習近平同志を核心とする党中央が人民全体の共同富裕推進を更に重要と位置づけて行った重大な政策決定であり、人民を中心とする発展思想を十分体現しており、わが国の発展がアンバランス・不十分という問題を解決することへの党中央・国務院の確固とした決意を体現してもいる。

第18回党大会以降、習近平総書記は共同富裕の着実な推進について一連の重要講話を発表し、一連の重要手配を行い、人民全体の共同富裕を段階的に実現するために正確な方向を明確に示し、根本的な拠り所を提供した。

習近平「新時代の中国の特色のある社会主義」思想とりわけ共同富裕の重要論述の導きの下、党は全国人民を団結・牽引して、共同富裕の目標に向けて弛まず努力し、地域の協調発展を推進し、有力な措置を採用して民生を保障・改善し、脱貧困堅塁攻略戦に打ち勝ち、小康社会を全面実現し、共同富裕の促進のために良好な条件を創造した。

現在、我々は既に共同富裕を着実に推進する歴史段階に達した。

現在、わが国の発展がアンバランス・不十分という問題は、依然際立っており、人民全体の共同富裕促進は、長期の非常に困難な歴史的任務であり、各地方の共同富裕促進の基礎と条件はすべて同じではなく、条件が相対的にかなり好い地方を選んでモデルを先行させる必要があり、浙江は富裕程度が高く、バランス性が強く、条件が備わっている。

党中央・国務院は浙江の質の高い発展と共同富裕モデル区建設を支援する重大戦略手配を行ったが、その目的は「先に富んだ者が後の者を富ませ、共同富裕を着実に推進する」という目標体系・活動体系・政策体系・評価体系を徐々に確立し、新時代の社会主義の矛盾を打開する有効な方途を模索し、全国での共同富裕推進のために省域の模範例を提供することにある。

浙江の質の高い発展と共同富裕モデル区建設を支援することは、党中央・国務院が我々に与えた重大政治任務であり、我々の面前に置かれた広範な人民大衆の願望に順応した歴史的答案でもある。

「意見」が9月に出されて以降、我々は浙江省と一緒に共同推進モデル区の建設を着実に展開してきた。国家発展・改革委員会の観点から述べれば、我々は3件の事柄に重点的に取り組んだ。

①統一的な指導を強化する。

中央が統一し、省が総責任を負い、市・県が実施に取り組むという実施メカニズムの整備を不断に推進し、政策の専門チームをまず設立し、「意見」の提起した任務・措置を協調して推進し、浙江省と密接に意思疎通・連携し、モデル区建設についての督促・指導を確実に強化した。

②特定分野の政策打出しを推進する。

浙江モデル区建設の「1＋N」を組み合わせた政策体系構築を計画し、浙江省と協力して中央と国家機関関係部門と積極的にリンクさせ、所管分野の改革テストを優先し、モデル模索の任務を浙江に賦与し、責任の分業を明確にして、関係分野の政策文件の打出しを推進した。

③成功経験を総括して普及させる。

浙江モデル区建設の好い経験・方法を真剣に整理して、体制メカニズムの新成果を早急に抽出し、適時党中央・国務院にモデル建設の進展情況を報告し、全国のその他の省に手本・参考を提供し、モデルの牽引作用を更にしっかり発揮させた。

浙江省党委員会・政府は主体責任を確実に担い、省の実情と発展の実際に立脚し、新しいタイプの政策体系と推進メカニズムを構築し、全方位・多層レベルで「意見」実施移行を推進し、一部政策は既にライトスポットを形成し、一定の成果を収めている。

2．浙江省発展改革委員会によるこれまでの推進情況の紹介

2021年5月、党中央・国務院は、浙江の質の高い発展と共同富裕モデル区建設を支援する重大戦略を政策決定・手配した後、国家発展・改革委員会の指導・支援の下、浙江は共同富裕モデル区建設の着実な推進を、新時代の中国の特色ある社会主義制度の優越性を示す重要な窓口の生き生きとした実践とし、断固責任を担い、断固任務を達成し、浙江が先行し模索・努力して全国の共同富裕推進のために道を探った。

2021年、わが省の1人当たりGDPは11.3万元に達し、都市住民所得は21年間、農村住民所得は37年間、全国省・区の第一位である。

共同富裕モデル区のこれまでの段階の推進情況に関して、私は「5つのキーワード」を用いて皆さんに紹介する。

（1）使命を担う

習近平総書記の共同富裕に関する重要論述精神を共同富裕モデル区建設の根本的な拠り所とすることを堅持する。

浙江省党委員会は、共同富裕モデル区建設を全省上下の最重要政策とし、前後2回全体会議を開催し、2回理論学習中心グループ学習会を開催し、何度も省委員会常務委員会会議を開催して、習近平総書記の共同富裕に関する重要講話・重要文章・重要指示を専門的に学習・貫徹し、共同富裕の時代的意義、核心要求、本質要求、目標・任務、実現方途を深刻に理解した。

2月7日は旧暦の新年仕事始めの日であり、省委員会は「質の高い発展と共同富裕モデル区建設推進大会」を開催し、全省上下は勇んで使命を担い、変革を作り上げ、断固習近平総書記が示した道に沿って奮闘前進し、共同富裕・素晴らしい社会の建設を着実に推進することを強調した。

（2）全体計画

共同富裕建設の骨組みを構築する。

「浙江の質の高い発展と共同富裕モデル区建設支援に関する党中央・国務院の意見」を全面的に貫徹実施し、我々は第一段階で「浙江の質の高い発展と共同富裕モデル区建設実施プラン（2021－25年）」を打ち出し、4大戦略的位置づけに焦点を絞り、「4つの率先・3つの美」発展目標と「7つの先行モデル」の実施方策を明確にし、56の指標の2022年まで、25年までの2つの段階的目標を明確にした。

各政策の実施にしっかり取り組むため、我々は共同富裕実績評価弁法を制定し、共同富裕モデル区建設作業の進展を動態的にモニタリング・評価した。

現在までに、省レベル部門は重点分野に焦点を絞り、既に64の特別政策意見を打ち出し、「共通性＋個性」の政策道具箱を形成している。

総じて見れば、浙江は既に、共同富裕モデル区建設の目標体系・活動体系・政策体系・評価体系を初歩的に構築・形成した。

（3）変革によりリードする

組織変革を通じて、社会の変革をリードする。

共同富裕モデル区建設推進を実体化するため、省党委員会社会建設委員会を組織し、省委員会派遣機関とし、省発展改革委員会と共同で事務局を設けた。

会議の推進、リスト化管理、改革の模索とテストの普及、民情の通達等4つのメカニズムを確立し、共同富裕モデル区建設の統一・協調、全体的な推進に全力でしっかり取り組んだ。たとえば、会議推進メカニズムの方面で、我々は既に1回の領導小組会議と6回の政策推進例会を開催し、PDCAサイクルを行い、共同富裕モデル区建設「1＋7＋N」重点政策体系と「1＋5＋N」重大改革体系を形成し、デジタル化改革駆動により制度を再構築し、破竹の勢いを全面的に形成した。

（4）改革・イノベーション

重点分野の改革により、共同富裕モデル区建設を牽引・帯同する。

共同富裕の「改革の高地」を作り上げることをめぐり、前後して重大改革リスト1.0版と2.0版を整理・形成した。

リスト1.0版は50項目の向上を勝ち取ることを主とした改革事項で、45項目が既に達成あるいは実質的な進展を得ている。たとえば、国家教育部は、浙江が技工教育募集生を高等職業院校の募集生・学籍登録に編入することを支援している。

リスト2.0版は、37項目の自主イノベーションの改革事項を提起し、現在逐一政策プランを制定し、早急に推進しているところである。たとえば、所得分配制度改革試験区の建設をめぐり、わが省は「中所得層拡大」「低所得層引上げ」アクションプランを打ち出し、我々は8大実施方策と9種類の階層集団の奨励計画を提起した。

同時に、我々はテスト地点の中でテストに取り組むことを堅持し、末端のイノベーション・ブレークスルーを奨励するため、第1弾の6大分野28共同富裕テスト地点を確定し、商業ベース補完医療保険、フレキシブルな就労者への総合保障等の、点から面を牽引する改革経験を形成した。

（5）上下連動

国家レベルの政策保障と改革授権を全力で勝ち取る。

国家部・委は、浙江共同富裕モデル区建設を全力で支援しており、現在までに、財政部・民生部等20の国家部・委（単位）が特別政策、協力・協議、テスト報告への返答等の形式を通じて共同富裕モデル区建設を支援している。

国家発展・改革委員会は、さらに所得分配、公共サービス、都市・農村融合、産業発展等の分野をめぐり多くの特別支援政策を続々と打ち出している。

国家開発銀行・中国農業銀行・中国銀行・国家電力網等13社の中央企業（金融機関）はアクションプランを打ち出し、あるいは浙江と戦略協力の枠組協議を締結し、中国建築等の7社の中央企業は文成県等の7つの山間地区26県と「一対一」協力関係を創設・確立している。

国家の各レベルでの支援は、浙江共同富裕モデル区建設に更に強力な動力を注入している。

今後、わが省は党中央・国務院の政策決定・手配と国家発展・改革委員会の具体的要求に基づき、更に堅実で効率の高い実際行動によって共同富裕モデル区建設を推進し、全国のために先行モデル経験を提供することに力を入れる。