国務院全体会議

中国経済レポート

新領域研究センター 田中 修

2021年1月26日


はじめに

1月20日、李克強総理は国務院全体会議を主催し、「政府活動報告」「第14次5カ年計画と2035年長期目標」要綱(草案)を討論し、各省・中央国家機関関係部門への「意見徴求稿」を決定した。本稿では、会議における李克強総理の発言の概要を紹介する。

国務院が全人代に活動を報告し、人民の監督を受けることは、憲法が規定する重要な職責であり、政府機能の不断の向上を促進することにとって極めて重要である。

「報告」と「要綱(草案)」をしっかり起草するには、各界の意見を広範に聴取し、大衆に策を問い、人民に要望を問い、コンセンサスを凝集し、自信を増強し、発展を推進する強大な合成力を形成しなければならない。

過去一年は、極めて特殊で、極めて平凡ならざる一年であり、新型コロナ肺炎疫病、世界経済の衰退等、多重のめったにない深刻な衝撃に対して、習近平同志を核心とする党中央の堅固な指導の下、全国上下が心を合わせ、難関を克服して奮闘前進し、疫病防御で重大な戦略的成果を得て、「6つの安定」(雇用・金融・対外貿易・外資・投資・予想を安定させる)、「6つの保障」(庶民の雇用、基本民生、市場主体、食糧・エネルギーの安全、産業チェーン・サプライチェーンの安定、末端の運営を保障)の成果が顕著であった。経済は巨大な圧力に耐え抜き、基盤をしっかり安定させ、年間のプラス成長を実現し、総量は100兆元を上回る新たな段階に上がり、改革開放は新たな歩みを踏み出し、小康社会の全面建設は偉大な歴史的成果を得、脱貧困堅塁攻略の決戦は決定的勝利を得て、第13次5カ年計画は円満に手仕舞いした。この成績は容易なことではなく、これを成し遂げることは非常に困難であった。

第14次5カ年計画期間は、社会主義現代化国家を全面建設する新たな征途を開く最初の5年である。

習近平「新時代の中国の特色ある社会主義」思想を導きとし、党19期5中全会精神を真剣に貫徹し、新発展段階を把握し、新発展理念を貫徹し、新たな発展の枠組を構築し、自身の事柄にしっかり取り組むことに立脚しなければならない。政府と市場の関係をうまく処理し、中央・地方と各方面の積極性を更に好く発揮させ、改革開放に依拠して発展の難題を打破し、重大戦略措置の実施を着実に推進し、「経済構造の最適化・グレードアップの促進、人民の生活の質改善、質の高い発展の推進」で重大な進展を得なければならない。

2021年は、わが国の現代化建設プロセスにおいて特殊な重要性をもつ一年であり、政府活動をしっかり行うことは極めて重要である。

現在わが国の発展は、なお巨大な試練・不確定性に直面しており、中央経済工作会議精神をしっかり実施し、いささかも弛むことなく常態化した疫病防御を科学的・精確にしっかり行い、引き続き「6つの安定」政策を着実にしっかり実施し、「6つの保障」任務を全面実施しなければならない。マクロ政策の連続性・安定性・持続可能性を維持し、経済回復に必要な支援の程度を維持し、科学技術イノベーションを強化し、改革開放を強化し、企業の元気を強め、自信を奮い立たせ、発展のレベルを高めることを促進しなければならない。経済運営を合理的区間に維持し、人民大衆が関心をもつ実際問題の解決に力を入れ、リスクを防止・解消し、安全に発展する能力を高め、第14次5カ年計画の良好なスタート・歩み出しを確保しなければならない。

今回の意見徴求は大衆・企業の難点と関心のあるホットイシューを反映させ、政府活動・政策措置を更に実際に合致させ、政策決定プロセスの科学化・民主化を更に的確に、更に好く体現し、市場主体の活力と社会の創造力を更に奮い立たせなければならない。

各地方・各部門は、責任感・緊迫感を一層強め、党中央・国務院の政策決定・手配を真剣に貫徹実施し、各政策を前に推し進め、早く成果が現れるよう努力しなければならない。