新5カ年計画要綱の準備(3)

中国経済レポート

新領域研究センター 田中 修

2021年1月22日


はじめに

12月23日、李克強総理は国務院第14次5カ年計画(要綱草案)編成工作領導小組会議を主催し、再度国家発展・改革委員会から要綱草案の編成情況報告を聴取し、重要講話を行った。本稿では、李克強総理の重要講話の概要を紹介する。

各方面の共同努力を経て、要綱草案の編成は既に重要な進展を得ており、引き続き衆知を集めて有益な意見を広く吸収し、深く検討・論証し、更に磨きをかけなければならない。

習近平「新時代の中国の特色ある社会主思想」を導きとし、党19期5中全会精神を貫徹し、全会「建議」に基づき、要綱草案を入念に編成し、「新発展段階に立脚し、新発展理念を貫徹し、新たな発展の枠組を構築し、質の高い発展を推進する」要求を貫徹し、人民を中心とする発展思想を堅持し、計画要綱に実際の政策に対する展望性のある指導的役割を確実に発揮させ、実践と歴史の検証をしっかり経させなければならない。

要綱草案の編成は当面と長期を併せ考慮しなければならない。

5中全会「建議」は、第14次5カ年計画期間の発展について重点的に手配を行い、2035年の長期目標をも提起した。

2020年の中央経済工作会議は、21年・22年さらには第14次5カ年計画期間全体を統一的に考慮して、21年の経済政策について重点的に手配を行った。

要綱草案の編成は、将来5年間の発展を全般的に考慮し、2035年の長期目標とリンクさせるだけでなく、21・22年の「経済回復・正常な成長を促進し、発展の基礎を打ち固める」という特殊な情況に対して、統一的に計画・手配しなければならない。

要綱草案の編成は、実際に即して正確な方法を見出すことを堅持し、ルールを遵守しなければならない。

第14次5カ年計画の発展目標を科学的に確定し、人心を鼓舞するだけでなく、余地を留保し、全社会のコンセンサスを形成しなければならない。

わが国の経済のベースは既に相当大きく、将来5年間、合理的な速度により平穏な成長を累積すれば、素晴らしい成果となる。

産業の発展を促進し、インフラを強化し、民生プロジェクトを実施する等の任務・措置を提起する際は、すべて重点を際立たせ、力を尽くして成果を出すだけでなく、力量を慮って実行し、盲目的に大風呂敷を広げず、提起したものがすべて実現できることを確保しなければならない。

要綱草案と各特別計画・地方計画のリンクを強化し、各関係部門は、自分の分野の実際と結びつけて、必要に基づくとともに、可能性も考慮して、目標・任務をしっかり把握しなければならない。同時に、各地方が地方計画を科学的に編成するよう誘導し、地域の協調発展を促進する。

要綱草案の編成は、改革開放の深化を体現し、中国が改革開放を断固推進するという決意を示さなければならない。

資源配分における市場の決定的役割を十分発揮させ、政府の役割を好く発揮させなければならない。要綱草案は、改革の思考・方法を際立たせて運用しなければならない。

雇用を増やし、イノベーションを推進し、富を創造し、持続可能な発展を促進する際は、いずれも改革の深化を通じて、市場主体の活力と社会の創造力を更に大きく奮い立たせなければならない。

重点民生プロジェクトを実施し、有効な投資を拡大する際は、体制メカニズムの刷新を通じて、政府資金の呼び水作用を好く発揮させ、社会(民間)資本の共同参加を誘導しなければならない。

対外開放の拡大の上に、更に多くの制度型開放の新措置を打ち出し、対外貿易・外資の環境を改善し、国際交流・協力を強化して、ウインウインの発展を促進しなければならない。

改革開放40年余りの発展の成果は、人民全体が新事業の困難を乗り越えた結果であり、習近平同志を核心とする党中央の堅固な指導の下、引き続きしっかり着実に、弛まず奮闘しなければならない。

2021年は、第14次5カ年計画のスタートの年で、十分要の年であり、経済の安定・回復の態勢を強固にすることに力を入れ、経済を合理的区間に維持し、第14次5カ年計画期間の発展の良好なスタートを実現しなければならない。