経済諸会議の動向(4)

中国経済レポート

新領域研究センター 田中 修

2020年1月31日


はじめに

中央経済工作会議終了後、各官庁は全国会議を開催し、政策各論を議論している。本稿では、12月20~21日開催された中央農村工作会議の概要を紹介したい。

会議では、『「三農」分野の重点政策にしっかり取り組み、期限どおりの小康社会の全面実現を確保することに関する党中央・国務院意見』を討論し、胡春華副総理が出席し、かつ講話を行った。

2019年に入り、農業・農村は引き続き平穏な発展という良好な態勢を維持し、精確な脱貧困の成果は顕著であり、食糧生産は史上最高となり、農村の民生は一層改善され、農村改革は引き続き深化され、農村社会は調和・安定を維持した。

2020年は、小康社会の全面実現の手仕舞いの年であり、2020年の「三農」政策をしっかり行うことの特殊重要性を深刻に認識し、小康社会の全面実現目標に的を絞り、措置を強化し、実施にしっかり取り組み、脱貧困堅塁攻略の任務を断固として期限どおりに完成し、全面小康の「三農」分野での脆弱部分を断固して補強し、「三農」のバラスト作用を確実に好く発揮させなければならない。

脱貧困堅塁攻略戦に打ち勝つことは、小康社会の全面実現の重点中の重点であり、張り切って勢いに乗り、パワーを集中して残った脱貧困任務を全面完成しなければならない。脱貧困堅塁攻略の成果を強固にして貧困への逆戻りを防止し、貧困に戻った人口と新たに発生した貧困人口に対する支援を遅滞なくしっかり行わなければならない。

現行の脱貧困基準を堅持し、「衣食を愁うことなく、義務教育・基本医療・住宅の安全を保障する」ことの安定的実現を確保しなければならない。脱貧困堅塁攻略政策の総体的安定を維持し、これに続く貧困減少政策を早急に検討し推進しなければならない。

小康社会の全面実現の最も際立った脆弱部分は、「三農」にある。農村インフラ建設を強化し、農村水供給保障水準を高め、農村居住環境対策を着実にしっかり実施し、農村教育の質を高め、農村末端医療衛生サービスを強化し、農村社会保障を強化し、農村公共文化サービスを改善し、農村生態環境の際立った問題をガバナンスしなければならない。

農民の所得増加は、全面小康の基本要求である。農民を豊かにする農村産業を発展させ、各種人材の帰郷し、農村に赴いての起業・イノベーションを積極的に奨励し、出稼ぎ農民の雇用を安定させ、出稼ぎ農民への賃金未払い対策を強化し、多くのルートで農民の継続的な所得増加を促進しなければならない。

農産品の有効な供給保障は、常に「三農」政策の最重要事であり、食糧生産に力を入れしっかり取り組み、食糧安全の省長責任制の考課を強化し、食糧生産量が大きい県への奨励・支援を強化し、農業補助政策を一層整備し、農民の食糧作付けの基本収益を保障し、食糧作付け面積をしっかり安定させ、食糧生産量を安定させなければならない。

養豚生産を早急に回復させ、省の総責任負担と副食品供給の市長責任制を全面実施し、養豚を支援する各政策措置を実施しなければならない。

現代農業の施設建設を強化し、ハイレベルの農地建設を早急に推進し、農産品の倉庫備蓄・コールドチェーン物流施設の建設プロジェクトを始動し、水利建設を強化しなければならない。

「三農」政策に対する党の全面指導を強化し、農業・農村の優先発展を堅持し、五級書記が農村振興の責任に取り組むことを強化し、農村末端党組織の戦闘・堡塁の役割を好く発揮させなければならない。

「三農」への投入を強化し、農村産業を発展させる用地政策を整備し、人材と科学技術の支えを強化しなければならない。

農村重点改革任務にしっかり取り組み、土地請負関係の長期安定を堅持し、農村集団財産権制度の改革テストを全面的に推進しなければならない。

農村の末端ガバナンスを強化し、社会のガバナンスとサービスの重心を末端への下方移動を推進し、農村の矛盾・紛糾を積極的に調査・処理・解消し、農村社会の調和・安定を擁護しなければならない。

農村の実際から出発することを堅持し、土地の事情に応じて政策を打ち出し、農民の希望を尊重し、力を尽くして結果を出し、力量に応じて行い、当面の急務の事案を一件一件しっかり解決しなければならない。