経済諸会議の動向(1)

中国経済レポート

新領域研究センター 田中 修

2020年1月28日


はじめに

中央経済工作会議終了後、各官庁は全国会議を開催し、政策各論を議論している。本稿では、12月13~14日開催された全国発展・改革工作会議の概要を紹介したい。

習近平総書記が中央経済工作会議上で発表した重要講話は、現在の経済情勢と2020年の任務について一連の重大判断・重大手配を行ったことであった。これは、発展改革政策をしっかり行うために遵守すべきことである。発展改革系統組織は、思想・行動を習近平総書記重要講話精神と党中央の政策決定・手配に統一しなければならない。

① 情勢を正確に認識し、戦略の不動心を維持し、必勝の信念を増強しなければならない。

問題・リスク・試練が増大する可能性を見て取ると同時に、わが国がなお戦略的チャンスの時期にあり、多くの有利な条件と発展の優位性を備えていることを見て取り、発展の自信を確実に増強しなければならない。

② 主たる攻め口を明確にし、危機をうまくチャンスに変え、自身の事柄にしっかり取り組まなければならない。

「雇用・金融・対外貿易・外資・投資・予想」を安定させる政策をしっかり実施することに力を入れ、経済の質の高い発展を推進することに力を入れ、サプライサイド構造改革を深化させることに力を入れ、強大な国内市場の形成を促進することに力を入れ、3大堅塁攻略戦をしっかり戦い勝利することに力を入れなければならない。

③ 主要目標にしっかり狙いを定め、長期・短期を結びつけることを重視し、うまく重点を際立たせ、一般をも併せ考慮しなければならない。

外部の試練への対応と内部の難題打破を結びつけ、当面の問題と長期の矛盾の解決を結びつけ、有効な市場と有力な政府を結びつけ、力を尽くして行うことと力量を踏まえて行うことを結びつけなければならない。

2020年は、小康社会の全面実現と第13次5カ年計画の手仕舞いの年であり、第1の百年奮闘目標を実現し、第14次5カ年計画の良好なスタートを切るためにより好い基礎を打ち固めるためのカギとなる年である。

発展改革系統組織は、習近平「新時代の中国の特色ある社会主義」思想を導きとし、19回党大会・19期2中全会・3中全会・4中全会精神を真剣に貫徹し、中央経済工作会議の手配を真剣に実施しなければならない。安定の中で前進を求めるという政策の総基調を堅持し、新発展理念を堅持し、発展改革政策を着実にしっかり実施し、小康社会の全面実現と第13次5カ年計画の円満な手仕舞いのために、すべき努力を行わなければならない。

(1)「穏」(安定)の字を頭に置くことを堅持する。

経済の平穏な運営を促進し、マクロ・コントロールを刷新・整備し、政策の協同・協調を強化し、市場の予想を確実に安定させる。

(2)強大な国内市場の促進に力を入れる。

カギ・コアとなる技術の難関攻略を強化し、伝統産業の改造・グレードアップを加速し、壮大な新動力エネルギーの育成に力を入れ、供給サイドと需要サイドの間の最も良い結びつき方とキーポイントを正確に探し出し、重大プロジェクトの備蓄をしっかり実施し、有効な投資の拡大に努力し、消費の新たな成長スポットを積極的に育成・開拓する。

(3)改革・イノベーションを強化する。

発展の質・効率を一層高め、サプライサイド構造改革の重点任務を実施し、市場化・法治化・国際化したビジネス環境を作り上げ、重大な基礎的・カギとなる改革を推進し、投融資と価格の体制改革を深く推進する。

(4)都市・農村、地域の協調発展を統一的に企画・推進する。

壮大な発展の動力源を育成し、農村振興を着実に推進し、地域経済の協調・協同発展を促進し、新しいタイプの都市化建設を積極的に推進する。

(5)対外開放水準を一層高める。

国際協力・競争の新たな優位性を早急に育成し、「一帯一路」共同建設の質を高め、外資利用を一層拡大し、国外投資の健全で秩序立った発展を誘導し、対外貿易の質向上・安定促進を推進する。

(6)不足部分の補充・脆弱部分の補強プロジェクトの質向上を重視する。

民生の実務を確実にしっかり行い、あらゆる手を尽くして雇用を安定させ、脱貧困堅塁攻略戦に全面的に打ち勝ち、重点農産品の供給保障・価格安定をしっかり行い、汚染対策を確実・有効に推進し、公共サービス水準を引き続き高める。

(7)総体としての国家安全観を貫徹する。

いささかも緩めることなく重点分野のリスクを防止・解消する。

(8)第14次5カ年計画を科学的に編成する。

質の高い第14次5カ年計画(要綱草案)を検討・起草し、第13次5カ年計画の実施の総括評価を着実にしっかり行う。