swazilandRoyal Swaziland Sugar Corporation Limited(RSSC) ロイヤル・スワジランド・シュガー・コーポレーション

アフリカ成長企業ファイルは2008年度~2009年度に実施した調査事業の成果です。

会社概要と沿革

RSSCはスワジランド国内でもっとも大きな企業の一つである。1992年にはスワジランド証券取引所に上場し、数百人の株主がいる。RSSCは総計約15,607ヘクタールの潅漑されたサトウキビ農地 (二つの国有地をリース) と、さらに第三者から5,011ヘクターの運営も受託して、毎シーズン約230万トンのサトウキビを同グループの2つの製糖工場へ出荷している。

これらの製糖工場では現在サトウキビを一時間に700トン複合処理機で粉砕し、1シーズンで約430,000トンの砂糖 (96 o Pol) を生産している。RSSCでは砂糖精製工場も運営しており、Mhlume工場では150,000トンの精糖を生産している。Simunye工場に隣接して3,200万リットル収容のエタノール工場も所有している。Mhlumeエステイトおよび工場は1958年に設立され、CDC Group plcおよびTibiyo Taka Ngwane (RSSCの筆頭株主) によって共同所有されている。

RSSCはスワジランドの農業の発展に大きな役割を果たしており、現在2,500以上の農家がサトウキビ生産に携わっており、小規模農家もその2つの工場に供給している。約11,356ヘクターの土地から、120万トンのサトウキビを生産し、Mhlume 工場へは、総サトウキビ量の52%、SIMunye 工場には25%を供給する。Swaziland Water and Agricultural Development Enterprise (Proprietary) Limited (SWADE)の支援により、2008年3月までには3,095ヘクタール以上のサトウキビがコマティ川流域の小規模農家によって開拓された。

RSSCはエステイト内のさまざまな町や村で、従業員およびその扶養家族の住宅とすべての関連インフラを供給し、運営している。そのグループ会社の直接従業員とは別に、20,000人以上もの人がその土地で生活している。

国内の所在地

Simunye Sugar Estate, Simunye, Swaziland;
Telephone: +(268) 313-4000
Facsimile: +(268) 383-8171

製品・サービス

農業および製造業(砂糖とエタノールに分離する生産ラインの保有)

20,000ヘクターを超える2つの土地でサトウキビを潅漑栽培し、各シーズンに200万トン以上のさとうきびを2つの砂糖工場に出荷している。

従業員数

3,000 人

財務情報

RSSCの2008年度の税引後利益は1億4,130万E(スワジランド・エマランゲニ)これは前年同期比39.1%の増加であった。砂糖生産量は434,911トンであった昨年に比べて441,164トンに増加した。エタノール生産量は昨年の910万リットルから165.9%増の2420万リットルとなった。現地通貨がUSドルやユーロに対し低下したため収益が16億Eに増加し、SACU (南部アフリカ関税同盟) における地域価格も世界市場での価格も上昇した。

市場シェア

RSSCは国内の砂糖の3分の2を生産している。

事業目的

「RSSCは全ての利害関係者のため、砂糖、エタノールおよびそれに関連した製品において世界規模で突出した収益性、低コストの生産・販売を行う。2011年までには株主資本利益率を8.5%から15%にすることを目標とする。」

ビジネスモデル

RSSCおよびスワジランド製糖業は、世界の5大低コスト製糖業グループに入る。市況がますます厳しくなるなか、RSSCは合理化、拡大、多角化、付加価値化により競争力を維持し、規模の経済により単価を下げられている。そしてプロジェクトのフル稼働と収益性により、市場でのプレゼンスを高めた。グループは資産活用の最適化、新市場への投資、関連事業の買収や投資、エタノールや砂糖の付加価値製品の拡大、財務と生産の最適化への努力を続けている。

EUでの構造改革で、スワジランドは近隣諸国および国際市場での提携によって砂糖の商品価値を向上させる良い機会を得た。

株主・所有権益

政府との関係・社会貢献

スワジランドでは、小規模自作農家や、スワジランド政府およびTibiyo TakaNgwane (製糖工場の株を保有)を通じて、産業の持続的な成長に出資している

スワジランド砂糖協会 (SSA) は産業の一般的な発展、特にスワジランドの砂糖市場に必要なサービスの提供に責任を持つ協会として1964年に設立された。スワジランドで生産される砂糖全ては、法律によって、SSAを通じて販売される。RSSCはSSA組織に関わり、様々な市場および戦略的決断に貢献している。SSAはまた、特に現場レベルでの経営効率を高める産業支援のための技術的サービスを提供している。これは農業相談や潅漑栽培のアドバイスなどのスワジランド国土で働く小自作農のサトウキビ栽培者への支援も含まれる。

製品開発

サトウキビ耕作面積は約20908ヘクタールであり、2008年に合計2,248ヘクタールが再植され、(鋤で耕した) 畝間潅漑およびスプリンクラー潅漑地の合計494ヘクタールが、ドリップ・イリゲーションに転向した。

また、2008年には成長開拓部が設立され、1,300万Eの費用をかけドリップ・イリゲーション・システムを継続導入した。480万Eの費用をかけでMnjoli Dam の貯蔵容量の増加の事業を継続する。また、370万Eの費用をかけ劣化したトラクター、車両や機械を交換する。10年以上前に細流潅漑地に転向を始めた土地の再植も始めた。燃料用エタノールを生産する無水化設備は復興が完了した。Mhlume製糖所ではサトウキビ製糖が30,000トン増加し、年間120,000から150,000トンに向上した。RSSCは国立電力会社と交渉し、SIMunye 変電所の電力を7.5メガワット(MW)から10.0メガワットへの引き上げることに成功した。認証された初の固形廃棄物処理場も建設中である。