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sudanKenana Sugar Company (KSC)

会社概要と沿革

KSCは1975年3月に設立され、その5年後に工場が始動した。ケナナは、スーダンの首都ハルツームから250km南方の白ナイルの東岸Rabakの近くに所在する。青ナイル氾濫原の肥沃な沖積土と、豊かな水をたたえる白ナイルの流れに近く、サトウキビの栽培には最適である。現在10万エーカーの灌漑地が作られている。

砂糖加工工場とサトウキビ農園の計画は故Tiny Rowlandの考えから生まれ、彼の所有するLonrho社は当時からアフリカに大きな関心をもっていた。1972年に彼とスーダン政府は、砂糖生産の契約を結んだ。資本金の10億ドルを集め、建設契約を結び、1976年に工場の礎石が打たれるまでには、長い懐胎期間があった。4年後に工場がサトウキビの加工を始め、1981年には正式操業が開始された。当初の生産は国内消費向けであり、輸出は1991年から始まった。

隣接するRabak/Kosti 地区では、ケナナのためのサービス産業が急成長し、国内で最も繁栄する地区となった。約10万人の人々がこのプロジェクトに依存している。

砂糖生産のほかには、環境に優しい新世代のケナナ商品が農園の植林より開発されている。また、ケナナ炭が砂糖生産の副産物であるバガスから独特の手法で作り出されている。ケナナ飼料は高い栄養価があり湾岸諸国に輸出されている。

砂糖の多くはアフリカ、中東諸国、インド、バングラディッシュ、遠くはヨーロッパまで輸出される。糖蜜は英国とオランダに販売されている。

KSC農園は灌漑と加工用に水を引いている。6本のポンプで川の水面より46m上方に揚水し、40mの用水路に沿って農園内に送られている。さらに400kmの細い用水路が等高線に沿って作られ、そこからサトウキビに水が流れ落ちる。灌漑だけで一日に70億リットルの水が必要である。農園の発電施設は53MWの能力があり、国で3番目に大きな発電所になっている。

道路、鉄道がポートスーダンと国内の主な都市との間に建設された。農園はモスク、小中学校、病院、診療所のある近郊の村々、また近代的設備や教育内容が備わった職業学校などすべてが調った町になっている。

工場は一日に20,000 トン以上のサトウキビを加工する。

オランダ企業との合弁会社である子会社Kenana Frieslandは、国内で最大の乳製品の供給者であり、牛乳、ヨーグルト、チーズを製造している。KSCはさらにKenana Engineering and Technical Services (Kets)という子会社を有し、White Nileやナイジェリアの Savana Sugar Factoryなど様々な事業経営を行っている。Kets はケニアおよびガーナの精製工場の建設の入札にも参加している。

国内の所在地

Odeid Khatem Street, Al Taif Area, Khartoum, Sudan; Tel: +249 183-224703; Fax: +249 183-220563

製品・サービス

砂糖、加工乳製品、家畜飼料生産、農工業セクターのコンサルティング、エンジニアリングサービスの提供。砂糖生産に加えて、新世代の環境に優しいケナナ製品が農園内の2万フェダン(feddan)のユーカリ植林より開発され、砂糖副産物のバガスからはケナナ炭が生産されている。

開発段階にある他のプロジェクトとしては、エタノール、花卉栽培、イースト、工業用アルコールおよび紙がある。ひまわりの種、ゴマの種、ソルガム、メイズ、ピーナッツなどの商品生産に向けて研究活動を行っている。

従業員数

6,000 名

KSCはスーダンのあらゆる地域より12,000以上の従業員を雇用している。また季節労働者として4,000名を雇用している。

財務情報

年間売上は 4億USドルである。

市場シェア

KSCは世界最大の白砂糖の生産者である。スーダンに5つの砂糖工場を有している。 2008/09年度には、New Halfa、Genain、Assalaya、Sennarその他工場の合計で、342,000トンを生産した。ケナナは2008/09 年度において420トンを生産した。

2006年度および 2007年度における砂糖工場での生産量
工場  生産能力  生産量 (千トン) 増減率% 
2006年 2007年
ケナナ 300.0 400..2 405.0 1.2
New Halfa 75.0 84.8 83.1 (2.0)
Gunied 60.0 81.1 87.2 7.5
Sennar 110.0 80.6 92.0 14.1
Hajar Assalaya 110.0 81.4 89.5 10.0
合計 655.0 728.1 756.8 3.9

出所:Sudanese Sugar Company, KSC

事業目的

スーダンの砂糖産業を成長させ、世界最大の多角化企業となること。

ビジネスモデル

ケナナの10カ年戦略計画は以下に重点をおいている。KSCビジネスを関連ビジネス中心に多角化戦略により拡大する。関連副産物を売上ラインに転換する。KSCのコアビジネスをオペレーション開発プログラムにより最大化する。継続的にチャンスを発見し獲得する。

株主・所有権益

KSCは11の株主グループにより所有されており、中でもスーダン政府が35.17%と最大である。クウェート政府が30.5%、サウジアラビア政府が10.92%、Arab Investment Companyが7%、国営のSudan Development Corporationが約5%を保有している。いくつかのアラブおよびスーダンの経済団体と銀行が、残りの株式を保有している。

政府との関係・社会貢献

砂糖は、スーダンにおいて主要戦略商品の一つと考えられている。しかしながら、農業セクターに対する政策はいまだ未成熟である。政府は農業開発政策の中で、インフラ建設、農業開発、規制緩和、国内・国際市場で競争力のあるマーケティング政策の策定、地域内および近隣諸国間での食料ギャップの橋渡しを目的に、計画を作ってきた。

スーダンは世界貿易機関(WTO)への参加を申請しており、現在参加条件について交渉している。加入提案を提出して交渉プロセスを開始した。スーダンは、すべての通商関連法と手続をWTOの規定に合致させるため、現在は商法の改正に取り組んでいる。スーダン政府は、経済成長と開発の立て直しのため1991年より経済改革を実施している。農業セクターの近代化はこれらの改革の主な関心分野となっている。農業市場の自由化とそれによる価格統制、輸出税の廃止は、スーダンの貿易障壁を削減した。本プロセスは、スーダンが正式はメンバーになった後WTOのもとでさらに進められる。

スーダンは常に食糧不安に直面している。人口の多くが農業に依存し、農業の大半が家族経営であるため、改革政策や農産品の貿易自由化が農業セクターにどのような影響を与えるかは、重大な関心事である。したがって食糧保障の問題が、貿易政策改革の議論の中心である。

製品開発

2009年10月にKSCは、エジプトのBeltone Financialsと10億ドルのプライベートエクイティーファンドマネジメント会社を設立する契約を締結したと発表した。スーダンと中東北アフリカ地域においては、農業プロジェクトに重点をおく最初の試みである。

この合弁事業は、KSCがGrand Sugar Planのための資金を確保する取り組みにとって突破口となり、また国の農業活性化プログラムにおける高成長農業構想を促進するKSCの役割に合致するものである。

KSCは、スーダン、中東北アフリカ地域の政府、投資銀行、投資会社、ベンチャーキャピタル、富裕層から投資家を集め、新しいファンドマネジメント組織の立ち上げを考えている。

また2009年10月には30万エーカー以上の農場を、農家と利益分配方式で運営すると発表した。これは、改良技術、機械化耕作、灌漑、新しい作物の導入をめざすものである。当初の投資額は初年度で1億USドル。KSCは、自社が利益の40%を取得し、農家へは50%を配分、10%は病院や学校の建設など地域社会のために還元されるとしている。

2009年6月、バシル(Omar al-Bashir)大統領がKSCエタノール工場の開所式に出席した。これは、ブラジル企業のDedini社から1500万ユーロの施設資金を受けて建設されたものである。工場はすでに操業しており、一日の生産能力はアルコール20万リットルである。当プロジェクトはエネルギー省、KSC、Giad社の共同事業である。