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southafricaSappi Limited

会社概要と沿革

南アフリカの法人格をもつSappi Limited は、1936年に創立され、国際的に垂直統合されたパルプと紙の主要な製造企業である。グループとして4大陸9カ国に製造設備を持ち、全世界100カ国以上に顧客を有している。

1937年にSprings (南アフリカ)の近くで紙パルプ工場を着工、1973年にSappi Limitedとして再登記され、1977年にそれぞれに独自の取締役会をもつ3つの子会社、Sappi Fine Papers、Sappi Kraft、Sappi Forestsが設立された。1980年に、新たな事業部門として、製材加工を専門とするSappi Timber Productsが設立された。1986年にはSappi製品の輸出マーケティングを行うSappi Internationalが誕生した。1989年には世界最大の化学セルロースの生産者であるSaiccorを買収し、翌1990年には本社をロンドンに置くSappi Europeが設立された。

2006年に、グループは南アフリカにおける土地資産のポートフォリオの黒人所有比率を高める取引を行った。これにより、エンパワーメントのパートナー企業Lereko Property Company (LPC)が、土地の継続的な使用権のスワップ協定を通じて、この土地のポートフォリオの25%にあたる不可分権益を獲得した。LPCは、Lereko Investmentsが中心となって創立された共同会社で、Sappi南アフリカの従業員も参加している。LPCの構成は以下の通り:

Lereko Investments (46.19%)、Malibongwe Women Development Trust (10.14%)、Sappi workers trust (30.00%)、AMB Capital (13.67%)

SappiはSappi Fine Paper、Sappi Forest Products、およびSappi Tradingの3つのビジネスユニットを通じて事業を展開している。Sappi Fine Paperは Sappi Fine Paper North America、Sappi Fine Paper Europe、およびSappi Fine Paper South Africaの3つの地域ビジネスユニットを通じて経営管理を行っている。Sappi Fine Paperは北アメリカ、ヨーロッパ、南部アフリカ、およびアジアに製造・マーケティング拠点を持っている。

Sappiが南アフリカに保有する36万9000ヘクタールの土地のうち、約34%の13万2170ヘクタールが持続可能な林業推進のため保護され、生物多様性保全に注意が払われている。

国内の所在地

Sappi Fine Paper South Africaは以下の工場を運営している。
Enstra工場(Johannesburgの近く):合成パルプと非塗工紙を製造。
Stanger工場(Durbanの北):バガスを使用し、上質塗工紙とティッシュを製造。
Adamas工場(Port Elizabeth):地元のパルプ工場からのパルプと古紙を使用し、特殊紙とクラフト紙製品を製造。

本社所在地: Sappi House, 48 Ameshoff Street, Braamfontein, Johannesburg, South Africa、
Tel: +27 (0)11 407 8111、 Fax: +27 (0)11 339 8022

製品・サービス

Sappiは、本、小冊子、雑誌、カタログ、および他の多くの印刷応用技術で広く使用される上質塗工紙を製造するリーディングカンパニーであり、新聞用紙、非塗工のグラフィック、およびビジネス用紙、質の高いパッケージ用紙、さまざまな特殊用途の塗工紙、およびグレードパルプも製造している。また、ビスコース繊維、アセテートタウ、消費者製品、および薬品の製造に主に使用される化学セルロースの世界最大の製造会社でもある。

Mill and products produced Capacity paper
(tpa)
Capacity pulp
(tpa)
Adamas Mill
Uncoated woodfree graphic paper (specialities) 40,000
Enstra Mill
Bleached chemical pulp for own consumption 105,000
Uncoated graphic and business paper 200,000
Stanger Mill
Bleached bagasse pulp for own consumption 60,000
Coated woodfree graphic paper and tissue paper 110,000

従業員数

世界全体の従業員数1万7,400人、南アフリカの従業員数 1,870人。

財務情報

2008年度のグループ総売上高は、前年2007年の58億6300万USドルから5億5900万USドル(10.5%)増加した。

各分門の売上高

各部門の販売量

Sappi Fine Paper South Africa

過去3年間における営業利益の部門別内訳(特別項目を除外)

市場シェア

Sappi Fine Paper South Africaは南アフリカにおける上質塗工紙の唯一の製造企業である。 また、南アフリカの森林資源、パルプ、パッケージ、および新聞用紙を取り扱っているSappi Forest Products は、viscose staple fibre、消費者製品、および薬品の製造に使用される化学セルロース(熔解パルプ)の世界最大の製造企業である。

事業目的

「Sappiの経営目標は、紙、パルプ、および化学セルロースセクターで最も利益を上げられる企業になることである」

ビジネスモデル

「我々の経営目標は、会社の収益性と利益を大幅に向上させるために打ち出された新しい世界的経営戦略によって支えられている。 グループは2008年度に戦略レビューを終了した。南部アフリカのビジネスにおける我々の主要戦略は、Saiccor工場における化学セルロースの年間生産能力を22万5000トン増やして80万トンへと拡大し、この地域の市場での我々のリーダーシップを強化したことである。 また、将来の成長のためのプラットフォームの用意として、低コストのfibre baseを増加させるためのプランテーションに投資することも我々の戦略の一部である。我々は、これから5~10年の間に、約15万ヘクタールのプランテーションを南部アフリカで開設することを計画している。」

「他の戦略目標として以下のものがある。12%以上のROCE目標を達成して、資本コストを上回ること。組織的成長と選択的買収を通じて、我々の基幹的事業における主導的地位をさらに強化すること。パルプと化学セルロース事業の成長源として、低コストのplantation fibre baseを拡張すること。低コストで製造し続けるために、効率的な製造と物流を推進すること。顧客サービス、イノベーション、および信頼性を通して更なる成長を追求すること。」

株主・所有権益

Large Block Holder Type Number
Institutions 35 Total Number of Shares Held
537.12 M
% of Shares Owned by all Large Block Holders
100.00%
Mutual Fund 25
Other Major
Total Number of Large Block Holders 60
上位10位までの機関株主: SPP
Name Shares Estimated Value of Shares * Holdings Shares Outstanding Turnover Rating
Capital International, Inc. 3.28 M 9.81 M 0.04% 0.61% Medium
Dimensional Fund Advisors, LP 2.29 M 6.84 M 0.01% 0.43% Low
Capital Guardian Trust Company 1.78 M 5.32 M 0.01% 0.33% Low
Bank of America Securities Merrill Lynch 455,400 1.36 M 0.00% 0.08% High
Swedbank Robur AB 343,400 1.03 M 0.00% 0.06% Low
Nordea Investment Management AB (Finland) 176,400 689,724.00 0.05% 0.03% Low
First New York Capital Corp. 209,036 625,018.00 0.25% 0.04% High
Nordea Investment Management (Denmark) 176,400 527,436.00 0.00% 0.03% Low
Jane Street Capital, L.L.C. 161,766 483,680.00 0.02% 0.03% High
SG Americas Securities, L.L.C. 146,478 437,969.00 0.01% 0.03% High

政府との関係・社会貢献

1920年から1960年までの間、産業木材のプランテーション拡大において、国がそのほとんどの責任を担っていた。 1960年代に、民間企業も木材のプランテーションに参入し始めた。 1980年代に、SappiがTransvaal東部にパルプ・製紙の新工場を、またMondiがRichards Bayにパルプ工場を建設し、両社はプランテーション開設の新しい波を巻き起こした。 政府は税制上の優遇措置とGeneral Export Incentive Schemeによりパルプ・製紙産業の拡大を支援したが、そのスキームは、1994年以降に中止された。

水問題・森林管理省(Department of Water Affairs and Forestry)が南アフリカの水と森林資源を管轄している。 林業は貧困緩和、経済成長、および開発に貢献する可能性がある主要なセクターの1つとして認識されている。そのため、林業は国家産業政策フレームワーク(National Industrial Policy Framework: NIPF)、成長加速共有イニシアチブ(Accelerated and Shared Growth Initiative: ASGI-SA)の一部となっている。

国家森林法(National Forest Act No 84 of 1998)において、国内の森林が持続可能なかたちで管理されているかどうかを評価するために、大臣が原則や基準指標・尺度を定めることができるとされた。National Forests Advisory Council (NFAC)の常設サブ委員会であるCommittee for Sustainable Forest Management (CSFM)、および水問題・森林管理省の二者がこのプロセスを牽引している。

南アフリカは京都議定書の加盟国であり、現在、Sappiは南アフリカにある多くの工場でクリーン開発メカニズムプロジェクトを施策・開始している。

広域黒人経済エンパワーメント (Broad-Based Black Economic Empowerment: B-BBEE)は、南アフリカにおいて、経済の変革を促進し黒人の経済参加率を高めていくための政府の特別な政策である。黒人経済エンパワーメント(BEE)法(No. 53 of 2003)は、BEE促進のための法律的フレームワークを確立した。同法は、Codes of Good Practiceを作成したりTransformation Chartersを公表する大臣の権限、BEE Advisory Councilの設立、その他関連事項を定めた。

B-BBEE法(2003年No.53)セクション9もしくは12の規定に基づき、B-BBEE Codes of Good Practiceは2007年2月に公表され、多くのTransformation Sector Charters(Sector Chartersとしても知られる)が導入され、遵守のための精査・分析がなされた。

Sector Codeは林業セクターの産業界が合意したエンパワーメント・イニシアチブで、これに基づき、商業的一次成長、繊維生産、契約、製材加工、丸太、および炭などの森林資源のサブセクターにおける変革の挑戦に取り組んでいる。Forest Sector Codeにより、必要とされる30%のBEE所有権を達成するインセンティブとして、企業にボーナスポイントが与えられる。また、同コードは、林業セクターにおけるBEE対応の調達と雇用創出イニシアチブを企業が引き受けるための支援も目的としている。

Mondiグループ、Komatiland Forests、SappiがMpumalanga、Limpopo、KwaZulu-Natal各州に所有もしくは管理している土地の半分以上が土地返還要求の対象となっている。SappiはMpumalanga州だけで26件の土地返還要求に直面している。KwaZulu-Natal州のプランテーションに対しては別の32件の要求が起きている。会社が保有する54万ヘクタールの森林の約17.5%が要求の対象になっており、約2400ヘクタールに関わる3つの要求について決着間近となっている。

国営林業会社のSafcolは、現在、商業用の森林資源地における大部分の所有権分割後の戦略レビューを行っている。2008年に、Komatilandの森林の61%に関わる土地要求の処理が終わるまでSafcolの民営化を延期するという決定が、元公営企業担当大臣のAlec Erwinによってなされた。2009年10月に、Safcol会長のGugu Moloiは、民営化を完了させるためにSafcolの森林資源地への土地要求の解決が迅速になされるべきであると主張した。

Safcolの戦略的マンデート

  • 政府の政策目標に応じて、Komatiland Forests (KLF)を民間部門に移行すること
  • 森林の持続可能的管理を続けること
  • 政府の政策目標に従って、製材用素材販売の過程を改革すること
  • SAFCOLの秩序だった段階的縮小のための準備を行うこと

SAFCOLは南アフリカで12万9000ヘクタールの土地を管理している(Sappi: 36万9000ヘクタール)。

製品開発

Triple Greenの成功に続いて、2009年3月にSappi Fine Paper South AfricaはTriple Green Embossedを製品レンジに追加した。以前はIcena Embossedとして知られていたTriple Green Embossedは、Port ElizabethにあるAdamas 工場で特殊な表面型押し加工を施されている。片面または両面をサンゴ/リネンにより仕上げた製品がある。エンドユーザーは 5グラマージ(坪量)を115g/㎡と230g/㎡の間での選択できる。(注記:Triple Greenは、持続可能で環境を損なわない方法で高品質な上質塗工紙を製造することへの継続的コミットメントを掲げた、Sappi社の塗工紙の製品レンジである。この材質はカレンダー、招待状、年次報告、ブックカバー、小冊子、などの様々な使用用途に適している。)

Sappiはいくつかの工場において、石炭の代わりに木と樹皮から再生したバイオマスを、操業に用いる熱エネルギー・蒸気を発生させるために、より多く使用するようになっている。これにより、同社は産業用に使用される石炭の量を減らすことができた。(石炭は南アフリカの主要な二酸化炭素排出源である。)

Sappiは2007年に、複数の工場で樹皮を剥いだりチップにする作業によって発生する木くずや樹皮を再生したバイオマスを石炭の代わりに使用する施策をステップアップさせた。同年に同社は南アフリカで6番目のクリーン開発メカニズム(CDM)プロジェクトとして国連に登録された。