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nigeriaPrima Garnet Ogilvy Nigeria

会社概要と沿革

<従業員は全員ナイジェリア人>
ナイジェリアの広告代理店大手Prima Garnet Ogilvy Nigeria(以下、PGON)は同業界出身のナイジェリア人ロル・アキンフンミ氏によって、1992年1月に設立された。株式の70%を米広告代理店大手Ogilvy World Wide(以下、オジルビー)グループのアフリカ統括事務所であるOgilvy Africa(南アフリカ共和国(以下、南ア)・ヨハネスブルク)が保有し、残り30%はアキンフンミ社長などナイジェリア人個人投資家が有している。現在従業員は約75人で、デザイナーを含め、全員がナイジェリア人だ。

オジルビー・グループは、サブサハラアフリカ地域全体で22カ国に進出している。このうち5カ国は西アフリカ(ナイジェリア、ガーナ、コートジボワール、セネガル、シエラレオネ)。なお、西アフリカ地域の英語圏統括事務所がナイジェリアに、フランス語圏統括事務所がコートジボワールに設置されている。ナイジェリアにおいては、同グループのうちPGONの他に5社の広告代理店[※1])がビジネスを展開しており、PGONはこの5社それぞれに対して出資している。

※1 First Direct Nigeria, Lampost Communication, Cutler Ogilvy Public Relations Nigeria, 141 Worldwide Nigeria(BAT Group), Media Share(Mind Share) Nigeriaの5社。後者2社に関しては、PGONが株式の51%を持っている。

09年も売上は好調な伸び

PGONは、08年に売上が10億ナイラを超え前年比30%増を達成した。09年の売上は、さらに伸びて15億ナイラに達する見通しだという。これは、09年中に同社が、英国ビール大手SABミラー、南ア・ホテルチェーンのサザンサン・ホテル、ナイジェリアにおける銀行最大手ファースト銀行、ナイジェリア財閥大手ダンゴテ・グループからの受注を相次いで獲得したためだ。なお、2010年にはサッカー・ワールドカップが南アで開催されることに伴い、この大会の試合を放映する南ア・マルチチョイスからの広告依頼が期待できるため、まだまだ好調な業績が続きそうだ。

PGONの現在の主な顧客は10社強だ。顧客リストには、Nigerian Bottling Company(コカ・コーラ)、ユニリーバ、プロモシドール(食品)、SABミラー、ダンゴテ・グループ、ブリティッシュ・アメリカン・タバコ、ファースト銀行、UBA(銀行)、フィデリティ銀行、マルチチョイス、モトローラ、CHIGO(中国家電)など、国内外の大手企業名がずらりと並ぶ。
PGONの強みは、オジルビー・グループが世界120カ国にわたって持つネットワークを駆使して、世界中からアイデアや流行の宣伝方法を取り入れることができる点にある。PGONは、各企業・製品のブランド・イメージを消費者に浸透させるため、看板広告、新聞・雑誌などの紙媒体、壁画、ジュース専用冷蔵庫、自動販売機、テーブルクロス、ウェブサイト、スクリーンセーバー、ラジオ広告、バス広告、ダイレクト・メールなどの媒体を利用し、ナイジェリア人の視覚などに訴える広告宣伝案を提案する。同社が作成した街中のコカ・コーラの大看板や、新鮮味のあるフライング・バナーは、消費者の目を引きつけている。現在、PGONは具体的な広告の手法や構成を自社で準備している一方で、テレビやラジオのCM製作など、ソフトウェアを必要とするものは南アの会社と共同で作っている。PGONの社長アキンフンミ氏は、従業員の広告媒体制作の技術を向上させ、国内での製造割合を高めてゆきたいと考えているようだ。

競争の激しい広告業界

08年までを中心にナイジェリアで続いた好況を背景として、広告業界も好成長してきたと考えられるものの、各企業が売上や利益を公表しないために、ナイジェリアの広告産業全体の市場規模は不明である。PGONのアデヤンジュ氏によると、ナイジェリア全土で広告代理店は100社程度あり、そのうち大手と呼べるのは数社だという。

PGONの競合相手としては、主に外資系現地法人が挙げられるという。例えば、Grey Globalグループ傘下のInsight Communicationsは、これまでにサムソン、ハイネケン、スターコム(通信)、MTN(携帯)、BankPHBの広告を請け負ってきたし、DDB Lagosは、MTN、フィデリティ銀行、メイ・アンド・ベーカー(即席麺)、チキン・リパブリック(ファーストフード)、テイスティー・フライド・チキン(ファーストフード)、ブローブ・モーターズ(トヨタ自動車、ホンダ自動車販売ディーラー)からの受注実績がある。また、携帯電話会社Gloの広告を手がけるTBWAコンセプトも注目株だ[※2]。

※2 PGONで消費者マーケティングを手がけるマイケル・アデヤンジュ氏によれば、 特に携帯電話サービス会社からの依頼は、プロモーション活動が大々的であるため受注額も非常に大きいものになるという。

最も効果的な広告媒体はラジオ

アキンフンミ氏によれば、ナイジェリアで最も効果的な広告媒体はラジオとのことだ。ナイジェリア国民の約9割は低所得層といわれるが、それでも全人口の約6割に上る約9,000万人がラジオを聞いていると言われる。中でも特にラジオ宣伝の効果が表れやすいのは、低所得者にも手が届く価格帯で販売されている日用雑貨である。なお、ナイジェリア国内には多種多様な言語が存在するため、広告を複数言語対応は広告作成費の押し上げ要因になるが、ラジオ広告においては非常に有効な広告手段だ。PGONが手がけたコカ・コーラのラジオCMは20以上の言語で作成することでブランド浸透を図っているという。PGONは、ナイジェリア系調査会社Research and Marketing Servicesの調査レポートを活用して、このような情報を日々収集している。

なお、PGON社長のアキンフンミ氏は、ナイジェリア情報通信省が音頭をとる「Rebranding プロジェクト」委員にも選出され、ナイジェリアの対外的PRにも協力している。国家ブランド戦略のために、どのような宣伝手法が今後採られていくのかが注目される。