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nigeriaShoreline Energy International

会社概要と沿革

<資産価値は2億ドル>
Shoreline Energy International(以下、ショアライン)は、インフラ整備を中心として様々な業種で事業を展開するナイジェリア企業だ。1997年にナイジェリア・ラゴスに創立された。創立後に企業の買収・投資を繰り返したことで、現在は12の子会社を束ねる持ち株会社に成長した。07年の世界経済フォーラム(ダボス会議)では、「グローバル成長企業」に選出されたことで注目を浴びた。09年9月現在、同社は2億ドルの資産価値を持つという市場評価になっている。現在、ショアラインが抱える従業員数は、傘下企業を全て含めると合計3,000人を超える。

ショアラインのCEOを務めるのは、ナイジェリア生まれで英国国籍のコーラ・カリム氏だ。ハーバード・ビジネス・スクールの卒業生である同氏は、08年に世界経済フォーラム(ダボス会議)において選出された若手起業リーダー300人の内の1人となった実績を持つ経営者である[※1]。カリム氏が英語とフランス語の両言語を話せることは、アフリカでのビジネスを展開する上で有利に働いている。ショアラインの成長は、経営手腕と能力に長けたリーダーの力に拠るところも大きいといえる。

※1 カリム氏は、09年11月にポルトガルの首都リスボンで開催された「グローバル中国ビジネスミーティング」にも、パネリストとして招待されている。

インフラ整備を中心に多種多様な業種を手がける

傘下(もしくは、一部投資企業)の企業の業種は、石油ガス・インフラ、デベロッパー、発電所、道路、不動産など非常に多岐にわたっている。ナイジェリアを中心としてアフリカ諸国の経済発展に欠かせないインフラ整備にターゲットを当てたビジネス展開を行っているといえる。

中でも通信部門において、南ア系携帯電話サービス会社MTN、ナイジェリア系ヴィザフォン、クウェート系ザインとの提携を通じて、ショアラインはこれまでにアフリカ大陸全土で1,000以上の携帯電話網基地局を設置してきた。現在は、ナイジェリアを始めとしてガーナ、コートジボワール、ウガンダなどアフリカ諸国8カ国にて事業を展開している。

ショアラインは、ロンドンに構えている事務所を通じて経営コンサルタントをアフリカに招くなどして、買収した企業の経営改善指導を徹底的に行っているという。成功例は、05年に買収した英国系建設企業のコステイン西アフリカだ。経営指導が功を奏して、同社のIRR(内部収益率)が改善した結果、今では63%を超えるようになり、株価の上昇にも成功したという。

(傘下・投資対象企業例)
・ABB エレクトリカル・システム(発電・送電設備大手企業)
・コステイン西アフリカ(英国系建設企業)
・シュルムバーガーTest & Products (石油ガス部門への資材提供会社、ショアラインは同社株17%を保有)
・ファウンデイション・エンジニアリング(地質工学などを駆使した建設設計企業)
・アグバラ・ショアライン電力(アグバラ地域会社との合弁企業、100メガワットの独立発電所建設を計画中)
・アルマコ(ナイジェリア系のアルミ製品製造・販売会社)
・プレミア・ペイント(ナイジェリア企業で初めてナイジェリア証券取引所に上場したペイント企業、ショアラインは同社株40%を保有)
・ナイジェリアン・ロープ(鋼鉄ワイヤー・麻ロープの製造会社、1960年設立)
・フォルティス建設(携帯電話など通信企業向け技術設計・設備導入を提供)
・ダボフ(オランダ系のバイオマス・エネルギー取引業者)

自由貿易地域では投資しやすい街づくり

ショアラインは、09年9月ナイジェリア・リバース州ポートハーコートに保有する27ヘクタールの土地で、自由貿易地域の認定を取得した。この土地は、もともと元ミシュランのタイヤ製造工場跡地だったものを、ショアラインが買い上げたものである。同地区では、人々が安心して暮らせるような街づくりが進められている。地区内には新規ショッピングモールが建設され、既存の工場、宿舎、医療機関は質の向上が図られている。また周辺は、武装勢力などの石油メジャー施設への襲撃や外国人労働者誘拐など治安が悪いと有名な地域だが、ショアラインは警備会社コントロール・リスクと提携し、同地区内の治安対策に万全を期している。さらに、この地区ではディーゼルより安価な天然ガスへのアクセスがあり、4.2メガワット規模の発電が可能である。電力不足が指摘され、工場やホテル、レストラン、マンションなどでディーゼル発電機が稼動しているケースが多いナイジェリアでは、かなり魅力のある設備だといえる。ラゴスからは専用ジェット機が用意されており、地区内へのアクセスも容易である。

ナイジェリアは、1億5千万人の人口を抱える魅力的な消費市場である一方で、未だ輸入禁止品目が多いため、現地製造という手段が必要不可欠である。この自由貿易地域は、そのような条件を課せられた外国企業が投資を行うには、とても良い条件が備わっている地区だといえる。ナイジェリア国外の西アフリカ諸国の市場全体への輸出基地としての価値が増す可能性もある。なお、カリム氏は、日本企業による投資も待ち望んでいるという。

ショアラインは、サブサハラアフリカ(以下、アフリカ)諸国向けのプライベート・エクイティ・ファンド設立も検討している。銀行や通信部門でのM&Aがアフリカ地域で進み外国直接投資の受入額が増加したことで、07年に南アを除くアフリカ諸国に流れ込んだ民間資本は、05年比で7倍の26億ドルに達したと言われていることを受けての動きである。

なお、スコットランドのサッカー・プレミアリーグ09/10年シーズンで、ショアラインがハミルトン・アカデミカルFCと契約を締結。同チームのユニフォームに、ショアラインのロゴがプリントされることが、09年8月に発表された。このような契約の締結はナイジェリア企業としては初であり、同社の快挙だといえるだろう。