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nigeriaAsian Motors Ltd

会社概要と沿革

フォトン車の輸入総代理店として活動


Asian Motors Ltd(以下、アジアン・モーターズ)は、インド系Tolaramグループが最大株主であるTrans Auto Pte(本社:シンガポール。以下、トランス・オート)の子会社として、07年2月にナイジェリアに設立された。アジアン・モーターズが自社の株式70%を保持し、残りの30%は同社社長である華僑でシンガポール人のLohsan Chang氏が有している。現在の従業員数は110人で、うちインド人が15人(うち技術者は7人)、中国人5人、インドネシア人1人がいる。

トランス・オートは、中国のFoton Motors(以下、フォトン)と、ナイジェリア、ガーナ、アンゴラ、ベニン、カメルーンにおけるフォトン車の販売代理店契約を締結している[※1]。アジアン・モーターズは、その中でナイジェリア市場を担当する輸入総代理店という位置付けだ。

アジアン・モーターズが取扱うのは、フォトン車の乗用車・商業車(軽量トラック・中重量トラック・バン・ミニバス・大型バス・石油製品タンカートラック・水タンカー・冷蔵品運送トラック、ゴミ回収車・救急車)、及びその部品である。現地組立・製造を行っているものはごく限定的出、ほぼ全てを中国本社から調達している。07年に事業を開始した当初は、主に1トンや2.5トンの軽量トラックの輸入販売を行い、その後徐々に種類を増やし、ピックアップ車両やバン、重量トラックなど多彩な車種をナイジェリア市場に投入してきた。他にも、中国Hangchaブランドのフォークリフト、Foton Lovolブランドの建設機械(ショベルカー、コンクリートミキサー、ホイールローダー、振動ローラー)を輸入販売しており、一部建機部品は現地組立を行っている。

アジアン・モーターズがフォトン車で現地組立を行っている場所は、ラゴス州のレッキ自由貿易地区だ。同社はここで、軽・中重量トラックなどSKD車両の組立を行っている。組立台数の伸びは好調で、08年に計150~200台、09年は250~300台に上る見込みだ。なお、アジアン・モーターズ販売部長のサルジュ・ジョージ氏によれば、この自由貿易地区には、ナイジェリア連邦政府やラゴス州政府からのインセンティブが特にある訳ではないとのことだ。貨物自動車に関しては、SKD車両輸入関税が5%、完成車両輸入関税が10%と関税もほとんど変わらない。したがって、現地組立を自由貿易地区で行うことについては、何らかのうまみがあるわけではないようである。

※1 ちなみに、03年に、フォトンと独ダイムラー・クライスラー(当時)は、フォトン車の輸出促進を支援するため戦略的協力契約を締結しており、今では世界90カ国・地域以上にフォトン車を輸出している。

ナイジェリアでの販売台数は徐々に拡大

09年12月現在、アジアン・モーターズの支所はアブジャ、ポートハーコート、カノの3都市に設置されており、ディーラー12社と販売契約を締結している。今後売上を増やすためにも、ディーラー数の拡大を図っている。ラゴス州の北に位置するオヨ州の州都イバダンに向かうバイパス沿いには40ヘクタールの土地を取得しており、2010年1月からショー・ルームやカスタマー・サービスセンターとして活用する予定だ。同社のナイジェリアにおける販売台数(内訳は不明)は、07年に400台、08年に600台、09年には1,200台(09年11月末時点)と、近年拡大している。08年にはギネス・ナイジェリア社向けにトラック100台納品、09年はラゴス州政府向けにバス50台を納品するなど、少しずつ実績を積み重ねている。

現在ナイジェリアで流通しているフォトン車は、排ガス基準が全て欧州環境基準「ユーロ2」の水準を満たしており、ナイジェリアでは珍しい環境配慮型自動車だ。ラゴス市内でも、徐々にではあるが、フォトン車が見られるようになっている。フォトン車を利用している企業の例としては、同じくTolaramグループ傘下でナイジェリア国内においてIndomie(インドミ)ブランドの即席麺販売を行うMulti-Pro Enterprises社や、国内財閥大手のダンゴテ・グループ、ギネス・ナイジェリアなどが挙げられる。

なお、同社の競合相手の筆頭として挙げられるのは、08年末からナイジェリア市場に参入したインド系タタ・モーターズだと考えられる。

アフターサービスの提供を重視

09年は金融危機の影響を受け、耐久消費財の売上は全体的に減少した。しかし前述の通り、フォトン車の販売台数は少ないながらも前年比で倍増した。同社の販売部長ジョージ氏、これには2つの要因があると見ている。1つは、フォトン車の低価格戦略だ。ジョージ氏によると、同顧客層は「ベンツなどの高級車種を買う層ではなく、中古車を買おうとしている層」だという。

もう1つの要因は、アフターサービスの充実だ。アジアン・モーターズのビジョンには、「お客様のご期待を超えるアフターサービスを提供することで、ナイジェリアにおいて最も信頼される自動車販売企業になるべく努力を怠らない」と謳われている。「これは、道路事情が劣悪なナイジェリアでは、自動車が故障しやすい環境にあることが背景にある。同社ウェブサイトには、24時間受付のサービス専用窓口の電話番号が掲載されている。また、購入後、一定期間中[※2]は無料修理サービスを提供している。このようなアフターサービスの地道な活動を繰り返すことで、中国製品の安かろう、悪かろうというイメージを払拭しようとしている。

また、フォトン車を購入した企業のドライバー向けに、ラゴス州において月1度の割合で無料レクチャーを実施している。レクチャー内容は、運転時の注意事項やメンテナンス技術指導などだ。中国にあるフォトン本社からも、随時サービス部門担当者がナイジェリアに出張し、アフターサービスを支援する仕組みを整えている。こういった一連のサービスについて、前述のジョージ氏は「アフターサービスを充実させることで、顧客の信頼を獲得したい」と述べている。

※2 購入から1年以内もしくは走行距離が40,000キロメートル以下の軽量トラック・乗用車および、購入から1年以内もしくは走行距離が60,000キロメートル以下の重量トラックが対象。