Kenmare
Resources
ケンメア・リソーセス
会社概要と沿革
ケンメア・リソーセス
(Kenmare
Resources
plc)
はアイルランドおよびロンドン証券取引所の上場企業である。ケンメアの主要資産はモザンビーク海岸にあるモーマ・チタン鉱山
(Moma
Titanium
Minerals
Mine)
である。
モーマ鉱山には、チタン、イルメナイト、ルチル、ジルコンなどの重鉱物が埋蔵されている。最大生産時には、モーマ鉱山は年間800,000トンのイルメナイトを生産している。さらに年間56,000トンのジルコンと、副産物として21,000トンの上質ルチルを生産する。
現在までケンメアは、業界の主要な貸手と、かなりの量のイルメナイト、ルチル、ジルコン製品の複数年購入契約を結んできた。
ケンメアは当初、アイルランドのジュニア石油探索会社として設立され、現在の経営陣が1987年から経営を行っている。ケンメアは、1980年代からモザンビークでチタン鉱の探査を開始した。コンゴロン
(Congolone)
の中規模鉱床の掘削を通したが、そのひとつはモーマ鉱床の北にあり、いまだにケンメアの一部である。
1996年から1999年には、BHPが合弁会社のパートナーとしてモーマ・プロジェクトに加わった。合弁会社は1999年に、BHPがチタン鉱業からの撤退を決定することで解消した。この期間、掘削は大いに拡大され二ヵ所の海岸鉱化地区
(
モーマ
(Moma)
(Namalope
/
Tupuito,
Mualadi
とPilivili鉱床)
とコンゴロン
(Congolone)
(Marrua
および
Congolone
鉱床)
)
を含むまでになった。
1999年からケンメアは、モーマ・プロジェクトを推進することに集中した。GRDミンプロップ
(GRD
Minproc
Limited)
によるフィジビリティスタディが2000年2月に完成し、モーマ・プロジェクトの採算性が明らかになった。最終的なフィジビリティスタディは
GRDミンプロップにより2001年2月に完成した。2002年には、資本および運営費を減らすための更なる試算を含めて、多くの追加報告書が準備された。また、2003年には鉱物工学専門のロシェ・マイニング
(Roche
Mining)
による試算も行われ、モーマで生産されるジルコンの量はさらに増えるという結論を得た。
完全な稼動は年末からである。
国内の所在地
モーマ鉱山は、モザンビーク北東海岸のモーマ市の北東に位置する。
Maputo
Office:
Rua
de
Chuindi,
No.67,
R/C,
Maputo,
Mozambique;
Telephone:
+258
21
494921
/
499701
Facsimile:
+258
21
499731
製品・サービス
主な業務はモーマ・チタン鉱山の経営である。鉱山は、重鉱物を埋蔵し、経済的なチタン鉄鉱イルメナイトと、チタンの二酸化色素製造時の原料として使われるルチル、比較的高価値のケイ酸ジルコニウム鉱、ジルコンが含まれる。
従業員数
鉱山事業に444人が従事
財務情報
2008年の税引後利益30万ドルであり、預金利子、為替差損、経費・調査費の減少により増加した。
2008年は、事業および財務費用は合計6,010万ドルで、事業資産・工場・設備に体化されている。施設建設は未完成で、鉱山はいまだ設計された能力で運用するに至っていない。
年末のシニアローンと劣後ローンの残高は3億3,480万ドルで、そのうちUS$1億2,170万ドルはユーロ建てである。
収入に関してケンメアは、最初の5年間における産出の約60%をカバーする販売協定を既に結んでおり、2009年の大部分は既存契約でカバーされている。すべての契約は、合意された価格か市場価格での販売量が決まっている。同社によると、最大生産時の年間生産高は、現在の契約価格で約1億2,000万ドルの収入をもたらす。最近の調査によると契約価格はイルメナイトが93ドル、ジルコンが825ドル、ルチルが560ドルであり、フル生産時の運営費は4,800万ドル、これよりこの地域における粗利益はUS$7,200になる。
市場シェア
モーマはモザンビークで最初の近代的な大規模鉱山である。100年の JORC 準拠のイルメナイト資源を有するモーマ鉱山は、世界のチタン鉱の年間生産の8%を占める。
事業目的
ケンメアの基本的な経営目標は、生産を徐々に立ち上げ、イルメナイトおよび副産物ジルコンとルチルの年間生産を80万トンにすることである。世界レベルの埋蔵量の価値を最大化するために、さらなる拡張の機会を検討している。
ビジネスモデル
アナリストによると、ケンメアは中規模の鉱業会社として「資源探索コストの最小化、経営効率の最大化と財務基盤の安定」という焦点を絞った適切な戦略をもっている。これらの戦略に取組むために、42の異なるプロジェクトから成る、全社的な業績向上プロジェクト(performance improvement project: PIP) がある。これは、一括請負契約業者との連携で経験した多くの問題を解決するために策定された。ケンメアは PIP の95%を完了させ、完了時には短期目標である年間80万トンのイルメナイト生産を実現する見込みである。これによりモーマは高収益となり、これまでに累積したプロジェクト借入の順次返済とともに、プログラムを拡大できるだろう。
ケンメアによると経営目標実現のための主要なステップは、
- モーマ・チタン鉱物砂プロジェクトの資金調達と建設の管理
- 初期生産能力の拡大と作業効率の向上等の最適化戦略を含む建設完了後の経営プラン
- 市場のシナジー効果を狙らう垂直統合、新規プロジェクトの評価を含む新規事業機会のレビューである
株主・所有権益
ケンメア・リソーセズはモーマ・サンド (Moma Sands) の100%の所有権を有する。
主要株主
2009年4月14日時点で、会社の発行済み普通株を3%以上所有する株主は次の通りである。
No. of Ordinary Shares | % of Issued Share Capital | |
---|---|---|
Nortrust Nominees Limited | 130,625,480 | 16.42% |
State Street Nominees Limited | 51,336,000 | 6.45% |
HSBC Global Custody Nominee (UK) Ltd | 39,212,500 | 4.93% |
Nederlandse Financierings - FMO | 37,433,541 | 4.71% |
政府との関係・社会貢献
2001年1月、ケンメアとモザンビーク政府は鉱物ライセンス合意書
(Mineral
Licence
Agreement)
(MLA)
を取り交わした。この合意書は、プロジェクトの急速な進展をサポートすることを条件として、公式にケンメアにチタン鉱を採掘する権利を与えるものである。既存の調査ライセンスを、最終フィジビリティスタディ
(Definitive
Feasibility
Study)
を行うために必要な採掘ライセンスに変換したものである。MLA
は当初の25年間の採掘を決めたものだが、その後の更新は可能である。それによりケンメアは合計100,518
ヘクタールを与えられている。このライセンスは、初期採掘領域の15,240ヘクタールを含み、将来かなりの拡張を認めている。MLA
はケンメアに、採掘作業を容易にし、それをするために必要な資本投資を保護する権利、例えば借地借家権、土地へのアクセス、水道使用権、人の雇用などを与えている。
ケンメアとモザンビーク政府は2002年1月に二つの主要合意書を交わした。これによりケンメアのモーマ・チタン鉱山プロジェクトの資金調達がしやすくなった。合意書は鉱山ライセンス合意書
(Mineral
Licensing
Agreement)
を変更したもので、プロジェクト資金の貸出金融機関への引き当てを強化するものである。実行合意書
(Implementation
Agreement)
は、プロジェクトの処理と輸出面をつかさどる工業自由貿易圏の運用を管理するものである。これら二つの合意書が同時にあることで、魅力的な税環境、外国為替への自由アクセスと安定性が保証される。
2002年12月にモザンビーク政府は、モーマ・チタン鉱プロジェクトへの優遇税制度を承認した。事業会社は工業自由地域
(Industrial
Free
Zone:
IFZ)
として認められ、当該プロジェクト関連工場は、法人税、輸入税、輸出税、付加価値税を免除される。加工会社は生産開始6年後から1%の売上高税を支払う。会社は生産工程立ち上げ後の最初の10年間税金の50%が減免されるが、販売鉱物の3%のロイヤリティと生産6年後から追加される収益の1%の収入税は課せられる。
電力供給合意書が2003年1月にケンメアと国営のモザンビーク電力会社
(lectricidade
de
Mozambique)
との間で取り交わされた。この合意書は20年間の電力契約条件を規定しており、プロジェクト側がかなり競争力のある料金を支払うことになっている。
製品開発
ケンメアは、2010年会計年度において現在の最大生産能力である80万トンがフル稼働できると考えている。拡張プログラムでは、イルメナイトの生産量を3年以内に年間120万トンに増加し、さらにこれを超える180万トンへの増加も目指している。